剣人誕祝い
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「ふ、不破くん?」
『不破じゃねえ、剣人、だ』
「剣、人」
『おう…』
ぎゅっと抱き締められる
『俺が、アイツのこと忘れさせてやる』
「でも!」
『いいから、もうしゃべんな』
「んっ」
私の言葉が剣人によって塞がれる
とても優しい言葉や、キスに
そしてこんな私を丸ごと受け入れる剣人の優しさに涙が流れた
『好きだ』
「っ!」
キスの合間に言われた言葉が胸に突き刺さる
こんな形で剣人に抱かれる私がとても嫌い
なのに求めずにはいられない
「わ、私…初めて、なの…」
私の言葉に目の前の剣人の目が大きく見開いた
けれどすぐに微笑んで
『そうか』
どこか嬉しそうに見える剣人の顔がまた迫り
触れるだけのキスをひとつすると
すぐにまた重なり深くなって、そのまま私は剣人と同じ熱を共用した
初めてな私にとても優しく触れる剣人が一夜にして、愛しい存在になった
翌朝
頭に気持ちのいい感触がある
意識がハッキリとし、剣人の腕の中で目が覚める
私の頭を撫でていた手が頬に触れ
『おはよう』
と微笑む
その笑顔にちょっと恥ずかしくなり私は剣人の胸に顔を埋めて「おはよう」と言った
そんな私に
『どした?照れてんのか?』
「うん」
『ばか』
剣人は私をギュっと抱き締める
昨夜、私は剣人に…
そう思うだけで顔が熱くなる
あの人とは、この間まで付き合っていたけれど…
抱かれたことは一度もないまま…
だから剣人だって目を見開いて驚いていた
「剣人、おめでとう」
『ん?あぁ、知ってたのか?』
「うん、プレゼント何も無くてごめんね…」
『いや、プレゼントならもう貰った。だから気にすんな』
「え、でも私は何もあげられてないよ?」
『お前が…純花が側にいた、それだけで十分だ』
見上げると優しい笑顔を向ける剣人にいたたまれなくなり、言わずにはいられなくて
「…ねえ、剣人」
『もう何も言うな。お前はずっと俺の傍にいろ』
「…うん」
どこか、口調が変わった私を察したかのように
言わせてくれない
利用したみたいな形になったこと、誤解を解きたかったのに
だから私はこの一言が届いてくれると信じたい
「好き…」
昨夜剣人が言ってくれた言葉
これだけは言っておきたかった
恥ずかしくて顔を見ることも出来ないが
私を抱き締めている腕がギュっと強まる
『俺もだ。最高の誕生日になった』
その一言で熱いものが込み上げた
剣人がこれから仕事なので
私が先に出ることにした
玄関を出るとそこでバッタリ会ってしまう
「えっ!」
「なっ!純花!なんで…あ、おいっ!」
私は俯きながら足早にその場から逃げるようにして去った
透が部屋の中を見ると剣人は上半身裸だった
「嘘、だろ」
透は何かを察し、怒りに火がついたかのように
勝手にずかずかと入って行き剣人に詰め寄り
羽織ったばかりのシャツの襟元を掴み締め上げる
そして剣人はその手を乱暴に払いのけた
「いってぇな!剣人!お前なにしてんだ!」
『アイツを、抱いた』
「ーっ!てめー!」
『お前に何か言う権利あんのか?お前はアイツを捨てた、そうだろ』
「だからって、アイツはこの間まで俺と付き合ってたんだぞっ!わかってんのかよ!」
『お前の許可なんか、必要ねえ。
アイツはもう誰のものでもねえんだからな。』
怒りで興奮している透に少しも動じることなく落ち着いている
『俺はアイツが好きだ、これからは俺がずっと傍にいてやる
だから透、お前はもうアイツに構うな』
「ハア~!?なんっだよ偉そうにしやがって!
俺なんて…俺なんてアイツを抱くことすら出来なかったのに…
後悔してんだ、別れたこと…それを情けねえけど、剣人に相談しようと思って来たのに、なんだよこれ!
よりによって同じ女好きになるとか有り得ねえよ、くそっ!」
殴ることも出来ない苛立ち
行き場のない苛立ちをドアにぶつけ乱暴に閉めその場から立ち去って行く
静まり返った部屋で剣人は小さな溜め息をつきながらソファーにドサッと深く座った
『アイツはもう、俺のもんだ。
誰にも渡すつもりはねえ』
この一言がとても自信に満ち溢れた一言だった
完
『不破じゃねえ、剣人、だ』
「剣、人」
『おう…』
ぎゅっと抱き締められる
『俺が、アイツのこと忘れさせてやる』
「でも!」
『いいから、もうしゃべんな』
「んっ」
私の言葉が剣人によって塞がれる
とても優しい言葉や、キスに
そしてこんな私を丸ごと受け入れる剣人の優しさに涙が流れた
『好きだ』
「っ!」
キスの合間に言われた言葉が胸に突き刺さる
こんな形で剣人に抱かれる私がとても嫌い
なのに求めずにはいられない
「わ、私…初めて、なの…」
私の言葉に目の前の剣人の目が大きく見開いた
けれどすぐに微笑んで
『そうか』
どこか嬉しそうに見える剣人の顔がまた迫り
触れるだけのキスをひとつすると
すぐにまた重なり深くなって、そのまま私は剣人と同じ熱を共用した
初めてな私にとても優しく触れる剣人が一夜にして、愛しい存在になった
翌朝
頭に気持ちのいい感触がある
意識がハッキリとし、剣人の腕の中で目が覚める
私の頭を撫でていた手が頬に触れ
『おはよう』
と微笑む
その笑顔にちょっと恥ずかしくなり私は剣人の胸に顔を埋めて「おはよう」と言った
そんな私に
『どした?照れてんのか?』
「うん」
『ばか』
剣人は私をギュっと抱き締める
昨夜、私は剣人に…
そう思うだけで顔が熱くなる
あの人とは、この間まで付き合っていたけれど…
抱かれたことは一度もないまま…
だから剣人だって目を見開いて驚いていた
「剣人、おめでとう」
『ん?あぁ、知ってたのか?』
「うん、プレゼント何も無くてごめんね…」
『いや、プレゼントならもう貰った。だから気にすんな』
「え、でも私は何もあげられてないよ?」
『お前が…純花が側にいた、それだけで十分だ』
見上げると優しい笑顔を向ける剣人にいたたまれなくなり、言わずにはいられなくて
「…ねえ、剣人」
『もう何も言うな。お前はずっと俺の傍にいろ』
「…うん」
どこか、口調が変わった私を察したかのように
言わせてくれない
利用したみたいな形になったこと、誤解を解きたかったのに
だから私はこの一言が届いてくれると信じたい
「好き…」
昨夜剣人が言ってくれた言葉
これだけは言っておきたかった
恥ずかしくて顔を見ることも出来ないが
私を抱き締めている腕がギュっと強まる
『俺もだ。最高の誕生日になった』
その一言で熱いものが込み上げた
剣人がこれから仕事なので
私が先に出ることにした
玄関を出るとそこでバッタリ会ってしまう
「えっ!」
「なっ!純花!なんで…あ、おいっ!」
私は俯きながら足早にその場から逃げるようにして去った
透が部屋の中を見ると剣人は上半身裸だった
「嘘、だろ」
透は何かを察し、怒りに火がついたかのように
勝手にずかずかと入って行き剣人に詰め寄り
羽織ったばかりのシャツの襟元を掴み締め上げる
そして剣人はその手を乱暴に払いのけた
「いってぇな!剣人!お前なにしてんだ!」
『アイツを、抱いた』
「ーっ!てめー!」
『お前に何か言う権利あんのか?お前はアイツを捨てた、そうだろ』
「だからって、アイツはこの間まで俺と付き合ってたんだぞっ!わかってんのかよ!」
『お前の許可なんか、必要ねえ。
アイツはもう誰のものでもねえんだからな。』
怒りで興奮している透に少しも動じることなく落ち着いている
『俺はアイツが好きだ、これからは俺がずっと傍にいてやる
だから透、お前はもうアイツに構うな』
「ハア~!?なんっだよ偉そうにしやがって!
俺なんて…俺なんてアイツを抱くことすら出来なかったのに…
後悔してんだ、別れたこと…それを情けねえけど、剣人に相談しようと思って来たのに、なんだよこれ!
よりによって同じ女好きになるとか有り得ねえよ、くそっ!」
殴ることも出来ない苛立ち
行き場のない苛立ちをドアにぶつけ乱暴に閉めその場から立ち去って行く
静まり返った部屋で剣人は小さな溜め息をつきながらソファーにドサッと深く座った
『アイツはもう、俺のもんだ。
誰にも渡すつもりはねえ』
この一言がとても自信に満ち溢れた一言だった
完
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