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今…
瑛に別れを告げてきた…
どうしてあんなことになってしまったのか
自分でも訳がわからなかった…
瑛がいけないんじゃない…
全て私のワガママだってわかってる…
私が弱すぎたんだ…
私の全てが壊れそうだった…
『純花?どうした?
珍しいな
お前が学校で呼び出すなんてさ』
「うん…ごめん…学校では話し掛けるなって言われてるのに…」
『なんかあったのか?』
「…私と…別れて…」
『……えっ…』
「私と別れて…」
『なんだよ、いきなり
どうかしたのか?』
私は目を合わせずに
気力も何もかも抜け落ちて抜け殻状態だった…
瑛には私の気持ちなんて
わからない…
どんなに苦しい思いしてるかなんて…
学校でお昼も一緒に食べれない
廊下で2人きりで会話することも出来ない
一緒に下校することもできない
その前に話し掛けるなって言われてるから
話し掛けることも出来ない…
学校で好きな人としたいこと全てが
出来ない苦しみ…
元から嫉妬深い私は
瑛に取り巻いていた女の子達を見るのが
限界にきていた
自分だけ そこに行けない悔しさにいつも苦しんでいた…
こんなこと承知の上だったはずなのに
段々、日が経つに連れて
私の心の中はいつの間にか一人になっていった…
孤独に耐えられなくなっていったんだ…
「ごめん…さよなら…」
私は出口に向かう
瑛がそれを食い止めた
『待てよ!理由聞かせろよ!
こんなんじゃ納得いかないだろ!』
「ごめん!」
『おい!!純花!!』
私は瑛の手を払いのけ
理由も言わずに全力で走った
払いのけた手は…凄く痛かった…
手だけじゃない…心も…
あのまま瑛の側にいれば
決心が揺らぐと思った…
頬に涙が流れていることにも気付かずに…
空から降る雨にも気付かずに…
その涙が本当の私の気持ち
離れたくないのに…
離しちゃいけないのに…
その手は私から離してしまった…
ホントは…
別れたくなんてなかったのに…
別れた方が辛いのはわかっているはずなのに…
どうして…あんなこと言ってしまったのかな…
夢中で走っていた私は疲れはて
側にある公園のブランコに座り
ようやく涙が流れてることに気づき
本当に一人になってしまったんだと
別れてしまったんだという現実に
涙が止まらなかった…
『ったく…いつからそんなに足速くなったんだ?』
「…え?…どうして…」
俯き泣いていた顔を上げるとそこには
瑛が追い掛けてきていて
私の前に立っていた
『どうしてって…
純花が理由言わないからだろ?
…泣いてるってことは…
嫌われたわけじゃないんだな』
慌てて涙を拭く、でももう遅かった
「…」
『話しよう?っと…その前にあのベンチに入らないか?
俺も傘持って出る時間無かったし』
瑛は動こうとしない私の手を引っ張り
公園にある屋根付きのベンチへと移動した
『大丈夫か?こんなに濡れたら風邪引くぞ』
ポケットの中からハンカチを取り出し
私の髪の毛や制服を拭いてくれる
「優しく…しないで…」
『え?…一体どうしたんだよ
言わないとわからないだろ?』
「優しくされたら…諦められなくなるじゃない…」
私を刺激させないようになのか
凄く優しく私に問いかける
『諦めって…嫌いになったのか?俺のこと』
嫌い?嫌いなんてなれるわけない
なれるわけないからこんなに苦しいのに…
反射的に私の首が横に振る
『純花が思ってること全部聞かせてくれないか?』
私は暫く黙り込み
それからポツリポツリと話し始める
「学校の…中…でも…2人で話したい…」
『うん』
「一緒に…お弁当…食べたい」
『うん』
「一緒に…帰りた…ぃ…」
『うん』
「他の…女の子が…瑛に…触れるのが…い…ゃ…うっ……ふっ…」
『うん』
最後の方になるとまた涙が溢れてきて
言葉にならなかった
そんな私を抱き締める瑛は
私の頭を子供をあやすかのように撫でる
『ごめんな かなり辛い思いさせてたんだな
こんなに追い詰められるまで…
気付いてやれなくてごめん
自分のことばっかりで…
もう、純花のことは隠さないよ
これからは俺達堂々と付き合おう』
その言葉を聞いて私は瑛の胸で声を張り上げて泣いた
今まで溜まってたものが
全て解き放たれたかのように…
翌日から学校で堂々としていた私達は
今まで瑛を取り巻いていた女の子達に
陰でコソコソ言われたりはしたけれど
私に何かしてくるとか
そういう行動はなく
日が経つにつれ
段々と陰口もなくなり
瑛が一番気にしていた
学校で何か問題が起きるようなことはなかった
今回のことで言葉って凄く大事なことなんだと実感した
完
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