朝から、嫌な思いをしたな。
そう思いながらも、朝のホームルームを待つ。
課題が手付かずのままで、スクールカバンに入っていて。

「あ！」


しまった、やってしまった。
うちの担任、厳しいと有名だからな。
おまけにチクリ魔だから、校長にも言うだろうな。

憂鬱な気分が倦怠感を煽るように、それは起きた。


今日は、転校生を紹介します

カランと鈴を鳴らしながら、入って来た少女は私の方を指さして言った。


『見つけた』



ノイズにまみれた記憶。
私が此処に来る前の出来事。


……誰か来て！

……、、、が、鉄骨の下敷きに！

……駄目だ、この子、もう。



傍らで笑う黒い喪服の少女は。凛とした瞳で。
漠然とした、変わらぬ表情で呟いた。　　





『見つけた』



日差しで眩しく、暑さを感じる程の教室が急に暗くなり。

気付いたら、喪服の少女の傍にはもう一人の姿があった。


驚きで、言葉を飲み込む。



『見つけた』



転校生の傍には潰れた身体、足と手。
目も合わせられない、わたし。


『そう。此処は死後の魂が望むことを叶える幻想世界なの、貴方は何十年もこの学校に来ているね？』


だって。
心配だったから。




「そうだね、友達は大事だね？」

カタンと、机に座る友人は。
目が、暗い色をしている。



私は、なぜ。
いつから。
間違えた？