私は現在、日本の都会。
わざわざ言わなくても分かると思うが、東京のスクランブル交差点に来ている。
コロナと呼ばれるウイルスの所為か、微塵も人は見当たらない。

其れも、そうだろうな。
二千二十八年八月二十日に日本を含む世界が終わった。
中国の武漢市からコロナウイルスが始まって、日本の政府や公的機関は何の対策も取らずに放置。


感染者が日本で発見されてから緊急事態宣言を出したりするなど、遅れた対策などは全て無意味だった。

そして、日本も他国も終わった。世界から人類は一人残らず死滅した。

私は、この日本を再構築と再建。
復興すべく、（遙か未来）異界より派遣という形で此方に送り込まれた。
退廃した街並みは憂いと絶望を伴っているが、未だに来る筈も無い来客を待ち侘びているがごとき有り様。


哀しくはあるが、それは仕方ない。
滅びは何時如何なる時代、どの世界でも少なからず必然的に訪れる運命なのだから。

しかし上（未来連合）も無茶な任務をけしかけるよね?

心底そう思う。


日頃の行いと何時もの怠け癖が祟って面倒極まりない退廃した日本と世界の復興を言い渡されたのだ。

本来なら人で溢れる渋谷も何も、在り続ける為に必要不可欠な人類を一人残らず失っては意味がない。

世界は人が存在し生きることで初めて成立し輝き意味を成すもの。


だか、ワタシ（人ではない）が関わるのは何か違うと思うのだが。

（決して既に面倒臭いとか、思ったりはしていない）

そして私は気付く。
人間滅びて一人も居ないから電車とか交通手段も、勿論のこと。
使えないんじゃない?

バスとかタクシーとか借りる予定だったけど、退廃した世界じゃ自給自足とか。
何時の時代の、生存方式よ!?


あ、そもそも。
お金持って無いわ、未来連合の専用通貨リラーしか持っていない。

まて。