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幸せとは

天内 佑樹は今年で高校2年生になる。
去年の暮れから始めたアルバイトも半年を過ぎ、だいぶ慣れてきていた。
ただ学校生活もアルバイトも退屈で仕方ない事が悩みであった。
友達は多くもなく、少なくもなく、アルバイトも他よりは仕事を任されるようになり、面倒くさがりながらも頼られる事に悪い気はしていなかった。

「佑樹今週のジャンプ見た!?」
「あー見た見た!ワンピ今週もおもれーな」
「佑樹あのアプリどーよ?オモロイ?」
「まぁ悪くないけど金入れる程じゃないね」

こんな会話がほとんど毎日。
別に真面目に勉強したくて学校来てるわけじゃないし、そろそろ飽きてきた。
何か刺激が欲しいとかそんな大それた事望んじゃいないんだけどさ、このままダラダラ過ごして、大人になって、たぶん社会人になっても同じなんじゃないかって感じてるんだ。
かと言って、やりたい事とか特に無いし、そんなのあるヤツが特別なんだよ。

「佑樹〜。この後ゲーセン行かね〜?」
「悪い。今日バイトだ」
「アレまだ続いてんだ!よく続けれんなぁ。コンビニとか最下層の仕事っしょ」
「最下層とか言うなよ笑。慣れればクソ楽だよコンビニ」
「俺ら働くのが無理だもん笑笑」

そう言って周りの奴らは爆笑していた。
つまんねぇな…ホント。
確かに最近の新人は外国人ばかりで、どう接して良いのかもよくわからない。
こんな仕事は他の国の人に任せて、俺たち日本人はもっと高度な仕事につかなきゃいけない時代なのかもな…なんてちょっと大人びた事を考えたりもして。

などと思案しながら歩いていると(本当はスマホをいじっていたんだけど)パパーーッ!とけたたましく鳴るクラクションに足を止め周りを見る。
ヤベェ信号赤だった!
1台のバイクが馬鹿野郎!と叫びながら走り去って行った。

あぶねー…今日のシフト人少ないし、事故ってたら終わってたわ…。
少しだけ焦りながら、スマホをポケットにしまうとバイト先へと急いだ。
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