幸せとは
待ち合わせの店に着き時計を確認する。
良かった、間に合った。
店内を見回すが玲愛の姿は無かった。
まだ来てないかな?
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「あ、2人です。待ち合わせしてるんですけどまだ来てない様なのでちょっと待たせて下さい」
「わかりました!お連れ様が来られましたらお呼び下さい」
店員に会釈をして玲愛を待つ。
5分ほど遅れて玲愛がやって来た。
「加奈!ゴメン!お待たせ!」
「玲愛!…私も、さっき来たところだよ。ありがとう…連絡くれて…」
「ちょっと加奈!泣くの早くない!?」
「だって…玲愛の顔見たら…」
気持ちが緩んだのかまた涙が出てしまった。
どう対応したら良いか困った顔の定員に玲愛が話し、店内へと案内される。
席に着くと買っておいたテッシュを取り出して鼻をかんだ。
「加奈。大変だったね」
「うん…もう訳がわからなくて…」
「すぐ電話してくれたら良かったのに…でもそんな余裕もないか」
「頭の中真っ白だった」
「だよね…。よし!とりあえず何か注文しよ!今日は私がご馳走してあげる!」
「えー!ホントに!?玲愛マジ優しい!」
「でも1万円超えたら自腹ね」
「ゴチかよ!」
いつものくだらないやり取りに2人して笑った。
私の事を気遣いながらも、普段通り接してくれる。
そんな玲愛の優しさが嬉しかった。
「あ、そうだ。加奈これお土産」
はい、と見たこともない人のCDを渡してきた。
「誰?これ?」
「ん〜、路上で歌ってた人のCD」
「なにそれ〜。私そういうの全然興味無いんだけど…」
意外なプレゼントに思わず苦笑。
「いいから聴いてみて。たぶん気にいるから」
「ん〜、玲愛がそう言うなら…」
「若鶏の唐揚げお待たせしました〜」
注文した料理が運ばれてくる。
ひと通り揃ったところでもう一度あの日の事を話した。
あの日、私は昴と食事に行く約束をしていた。
いつもの駅で待ち合わせ、今日あった事を話そう、そんな事を考えていたと思う。
予定より少し早く駅に着き彼を待つ。
そんな時間も幸せだった。
しばらくして昴が来る。
笑顔を見せる私に、彼は少しも頬を緩めなかった。
「どうしたの?」
と聞く私に、彼は真剣な表情のままこう言った。
「…加奈。別れよう」
理解が出来なかった。
「え…?どう言う事?」
「そのまんまだよ。俺、もう加奈と付き合えない」
頭の中が真っ白になった。
「もう連絡も取りたくないから、連絡先もLINEも消した。加奈も俺の連絡先全部消していいから。それじゃ」
それだけ言うと昴は私の前から立ち去った。
そこから先の記憶はほとんどない。
買っておいたテッシュで鼻をかむ。
残りはあと数枚になっていた。
「昴君、何かあったのかな?連絡してみた?」
「してないよ…出来る訳ないじゃん、あんな言い方されたら」
「そうだよね〜…一方的過ぎるけど、あんなに仲良かったのに急に別れようなんて何かあったんじゃない?」
「…わかんないよ…何もわかんない…」
私には昴の考えがまるでわからなかった。
「加奈、昴君の事まだ好き?」
「分からない…でも合ってちゃんと説明して欲しい…」
なぜ別れを告げたのか理由が知りたい。
「加奈、ゴメンね」
「え?」
急に謝る玲愛に間の抜けた声で返事をした時だった。
「加奈!!」
「!!昴!?」
居るはずのない人を見て私の時間が止まった。
良かった、間に合った。
店内を見回すが玲愛の姿は無かった。
まだ来てないかな?
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「あ、2人です。待ち合わせしてるんですけどまだ来てない様なのでちょっと待たせて下さい」
「わかりました!お連れ様が来られましたらお呼び下さい」
店員に会釈をして玲愛を待つ。
5分ほど遅れて玲愛がやって来た。
「加奈!ゴメン!お待たせ!」
「玲愛!…私も、さっき来たところだよ。ありがとう…連絡くれて…」
「ちょっと加奈!泣くの早くない!?」
「だって…玲愛の顔見たら…」
気持ちが緩んだのかまた涙が出てしまった。
どう対応したら良いか困った顔の定員に玲愛が話し、店内へと案内される。
席に着くと買っておいたテッシュを取り出して鼻をかんだ。
「加奈。大変だったね」
「うん…もう訳がわからなくて…」
「すぐ電話してくれたら良かったのに…でもそんな余裕もないか」
「頭の中真っ白だった」
「だよね…。よし!とりあえず何か注文しよ!今日は私がご馳走してあげる!」
「えー!ホントに!?玲愛マジ優しい!」
「でも1万円超えたら自腹ね」
「ゴチかよ!」
いつものくだらないやり取りに2人して笑った。
私の事を気遣いながらも、普段通り接してくれる。
そんな玲愛の優しさが嬉しかった。
「あ、そうだ。加奈これお土産」
はい、と見たこともない人のCDを渡してきた。
「誰?これ?」
「ん〜、路上で歌ってた人のCD」
「なにそれ〜。私そういうの全然興味無いんだけど…」
意外なプレゼントに思わず苦笑。
「いいから聴いてみて。たぶん気にいるから」
「ん〜、玲愛がそう言うなら…」
「若鶏の唐揚げお待たせしました〜」
注文した料理が運ばれてくる。
ひと通り揃ったところでもう一度あの日の事を話した。
あの日、私は昴と食事に行く約束をしていた。
いつもの駅で待ち合わせ、今日あった事を話そう、そんな事を考えていたと思う。
予定より少し早く駅に着き彼を待つ。
そんな時間も幸せだった。
しばらくして昴が来る。
笑顔を見せる私に、彼は少しも頬を緩めなかった。
「どうしたの?」
と聞く私に、彼は真剣な表情のままこう言った。
「…加奈。別れよう」
理解が出来なかった。
「え…?どう言う事?」
「そのまんまだよ。俺、もう加奈と付き合えない」
頭の中が真っ白になった。
「もう連絡も取りたくないから、連絡先もLINEも消した。加奈も俺の連絡先全部消していいから。それじゃ」
それだけ言うと昴は私の前から立ち去った。
そこから先の記憶はほとんどない。
買っておいたテッシュで鼻をかむ。
残りはあと数枚になっていた。
「昴君、何かあったのかな?連絡してみた?」
「してないよ…出来る訳ないじゃん、あんな言い方されたら」
「そうだよね〜…一方的過ぎるけど、あんなに仲良かったのに急に別れようなんて何かあったんじゃない?」
「…わかんないよ…何もわかんない…」
私には昴の考えがまるでわからなかった。
「加奈、昴君の事まだ好き?」
「分からない…でも合ってちゃんと説明して欲しい…」
なぜ別れを告げたのか理由が知りたい。
「加奈、ゴメンね」
「え?」
急に謝る玲愛に間の抜けた声で返事をした時だった。
「加奈!!」
「!!昴!?」
居るはずのない人を見て私の時間が止まった。