私の幼馴染は誰からも好かれる様な人物だった 。
容姿端麗 、成績優秀 、運動神経抜群と完璧超人の彼はそれでも恨みを買う事無 常に輪の中心にいた 。
それはきっと彼の人徳だろう 。明るく 、優しく 、平等で 。

けれど 、私はそんな幼馴染が 大嫌い だった。

いや 、 “ だった “ では語弊がある。過去形ではなく、現在進行形で大嫌いである 。
そんな私は彼の近くにいるのが嫌で、いつしか嫌悪感を感じる様にすらなった。

嗚呼 、すっかり忘れていたが、先ずは私の自己紹介から始めよう。
私の名前は 、雪白（ゆきしろ） 奏（かなで）。現在 、高校２年生の何処にでもいる様な普通の女子高生だ 。
只１つ、普通でないとするならばそれは ―――好きなモノが ♀ ( 女の子 ) であると言う事 だろう 。
突然だが、そんな女の子好きの私は今日から栖蘭学院という高校に転校することになったのだが、それは先程の前置きでご察しの通り、幼馴染から離れる為だ。
そして私は男装をし、男として転入し女の子にちやほやされる天国生活（ヘブンライフ）が待っているのではないかと思えばウキウキ気分な訳で。
先程から口角が上がり過ぎて頬が痛い ( 阿呆 )

とまぁ、前置きは之くらいでいいだろうか。

さぁ、私の新しい生活への第一歩を踏み出し、幕を開けようか ── 。