男はみんな狼だから!(ギャグ)
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※ナレーター視点
********
リンク「……はぁ」
マスター「リンクって、たまにわかりやすく悩んでる時あるよね」
リンク「ん……」
マスターの目には、ソファーに深く腰をかけ、まるで干された布団のように項垂れているリンクの姿が映っていた。
普段だったら、マスターが近づいてくるとまるで「トラブルが自ら足を運んでやってきた」と言いたげな顔をするリンクなのだが、今日はそんな顔も見せず、むしろ悩みを聞いて欲しそうな様子が伺える。
リンクの隣に、人一人分のスペースを開け、マスターがソファーに腰をかける。
マスター「で、何があったの?」
リンク「それがさー」
リンクの話を聞くと、1週間ほど前からさくらに避けられているらしい。
会話はおろか、目が合うと避けるようにどこかへ行ってしまったり、そもそも見かけることもほとんどないとか。
マスターも思い当たる節があるのか、ここ最近のリンクとさくらの様子を思い返す。
マスター「気のせいじゃない? って思ったけど、確かに二人でトレーニングもしていないもんね」
少なくとも2〜3日に1回は一緒にトレーニングをしている二人。それなのに、この一週間は試合もトレーニングも同行したデータがゼロだったことを、マスターは思い出す。
リンク「へぇ、マスターもちゃんと仕事してるんだな」
マスター「管理人だからね」
皮肉っぽくいうリンクに、マスターはいつもと変わらない調子で軽く受け流した。
マスター「言われてみればリンク、ガッツリ避けられてるね」
リンク「ショックを受けるから復唱しないでくれないか?」
マスター「何かしたの?」
リンク「それがさ……全く心当たりがないんだよな……」
話せば話すほど落ち込みが増していくリンクに、流石にいたたまれなくなったマスターも原因を探し始める。
マスター「さくらに嫌われるようなことしてない?」
リンク「どっかの誰かと違って、さくらの大好物のプリンを勝手に食べるとかしてないしな」
マスター「あぁー……って、それ僕のことじゃん!」
リンク「マスターと違って、嫌われることしてないんだけどな、俺」
マスター「待って、聞いて! まず、プリンの件については賞味期限が前日だったし、しかもクレイジーの部屋にあったから、まさかさくらのものだとは思わなくない? 誰かがお腹壊すなら僕が食べるのが一番平和的な解決策だと思ったの! 確かに悪かったけど、ちゃんと弁償はしたし」
リンク「俺が避けられてるのに、こんなことばっかしているマスターが嫌われない理由が俺にはわからない!」
自分の行いの言い訳をしつつ反省するマスターの言葉なんて、リンクの耳には全く入っておらず、マスターは苦笑いを浮かべていた。
マスター「まぁ、前向きに捉えるなら、さくらはこれくらいのことしても許してくれるくらい器が広いんだよ」
リンク「前向きすぎだろ、反省しろよ」
マスターに悩み事を話したことを後悔し始めたころ、マスターからさらに斜め上のアドバイスが降り注いだ。
マスター「そんなに心当たりがないなら、聞くしかないんじゃない?」
リンク「……は?」
マスター「ここで悩んでいても解決しないし、解決するには本人に聞くのが一番じゃない? 嫌なことしたなら謝るべきだし」
リンク「それは俺もわかってるんだけどさ」
と、伏せていたリンクだが途端に嫌な予感を察知し、前を見ると今にもさくらの元へと行き出しそうに立ち上がっているマスターがいた。
リンク「待て待て待て! 何する気だマスター」
マスター「聞くのが怖いなら、僕が聞いてきてあげようと思って」
リンク「それはもっと嫌だ!」
「さくらのところに聞きに行こう!」「いや、それは……」の押し問答が続き、とうとう……。
リンク「あーーわかった、行く。行くからお前はここにいr」
マスター「あ、さくらだ」
リンク「!?」
マスター「さくらー!」
リンクがさくらの元へ行くことを決意した瞬間。
偶然か必然か、二人のいる空間にさくらが入ってくる。
リンクとさくらの目線が交差した瞬間、サッと身を引こうとするさくらに、マスターが引き留めに向かっていくから、いよいよリンクの逃げ場がなくなった。
そのままマスターがリンクの元へと彼女を連れていくと、普段のリンクではなかなか見られないようなぎこちない返事をした。
リンク「……よ、よぉ。なんか久しぶり」
『リンク。久しぶり』
さくらも少し遠慮がちに向かいのソファーに腰掛ける。
なんとなく気まずいような空気の中、さくらが「マスター、私ここにいてもいいの?」と聞くと、きょとんとした顔でマスターが「え? うん、大丈夫だけど」と答えると、リラックスした様子で「よかったー!」と漏らす。
そんな彼女の様子にマスターもリンクも頭に疑問符を浮かべていた。
マスター「な、何がよかったの?」
『え? リンクに食べられちゃわないかなと思って』
リンク「はい?」
『あれ? リンクが自分で言ってなかったっけ?』
リンク「……うん?」
全員に疑問符が浮かぶ。
『いや、だってあの時……』
********
1週間ほど前……。
それは、ちょうどクレイジーの脳内が騒がしすぎる件があった日のこと。
リンクが乱闘直前にさくらとすれ違い、こんな会話を繰り広げていた。
リンク「いいか、さくら。男はみんな狼だからな」
『え?』
リンク「だから、夜遅くに出歩いたり、暗い道を通ったりするときは気をつけろよ! ……俺、乱闘の時間だからもう行くわ! じゃあな!」
『う、うん、わかった!』(わかってない)
『って、リンクに言われたんだけど、どういう意味かな? リンク、急いでたから聞き返せなくて』
マスター「あー……あれじゃない? リンクは自分の世界だと、影の領域で狼になるからそのことを言ってるとか」
『そっか、リンクは狼にもなるもんね。じゃあ気をつけろっていうのは……』
マスター「うーん。よく分からないけど、リンクが狼になったら食べようとしてくるとか?」
『そっか、獣になると私たちのこと分からなくなっちゃうのかな?』
マスター「しばらくリンクに近づくのはやめておいた方がいいかもね。本人が忠告してるんだし」
『そっか。わかった。とりあえずリンクとはしばらく距離をとっておけばいいのね!』
********
『狼だから気をつけろって』
リンク「はぁーーーーーーー」
と、又聞きあるあるなのだろうか? 誤解が誤解を生み今に至ったわけで。
リンク「よかったぁぁぁぁああ」
自分が嫌われているわけではない事に安堵し、噛み締めるように呟く。
『じゃあ、これは解決したってこと? これからは普通に接しても大丈夫?』
リンク「おう。もう何も気にしなくて大丈夫だ」
『はぁ、よかったー。これでいつも通りリンクとトレーニングしたり、ご飯食べたりできるんだね。普段、リンクと過ごす時間が多いからかな? 1週間でも話さないで過ごすと、すごい長く感じたんだよね』
リンク「あぁ、言われてみれば確かにな」
リンクだけでなく、さくらもこれで一件落着だと安堵していた。そんな空気を見計らったように、
マスター「いやー本人に聞いてよかったね。これで無事解決」
と、「めでたしめでたし」で終わりかけた、がーー!
当然、スマブラきってのツッコミ担当のリンクが見逃す訳もなく、
リンク「……って、ちょっと待て。思えばマスターがさくらに変な事を言ったからこうなったんじゃねーか!」
マスター「え」
突然降り注ぐ真っ当な指摘に、マスターも素早く反論する。
マスター「それを言うなら、君がさくらに急に変なことを言ったせいじゃない?」
リンク「ぐっ……」
マスター「君がそんなこと言わなければ、こんなことは起きなかったんだし」
リンク「なら、そもそもお前がクレイジーのクレイジーな脳内状況をテレパシーで送ってきたことが原因だろ」
マスター「あーわかった、じゃあクレイジーが悪い! 終わり!」
リンク「そうか、ならアイツが全部悪い!」
そんなこんなで、リンクの日常は無事に戻ってきたのだった。
********
クレイジー「……っくし。あ? 風邪か?」
Fin
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リンク「……はぁ」
マスター「リンクって、たまにわかりやすく悩んでる時あるよね」
リンク「ん……」
マスターの目には、ソファーに深く腰をかけ、まるで干された布団のように項垂れているリンクの姿が映っていた。
普段だったら、マスターが近づいてくるとまるで「トラブルが自ら足を運んでやってきた」と言いたげな顔をするリンクなのだが、今日はそんな顔も見せず、むしろ悩みを聞いて欲しそうな様子が伺える。
リンクの隣に、人一人分のスペースを開け、マスターがソファーに腰をかける。
マスター「で、何があったの?」
リンク「それがさー」
リンクの話を聞くと、1週間ほど前からさくらに避けられているらしい。
会話はおろか、目が合うと避けるようにどこかへ行ってしまったり、そもそも見かけることもほとんどないとか。
マスターも思い当たる節があるのか、ここ最近のリンクとさくらの様子を思い返す。
マスター「気のせいじゃない? って思ったけど、確かに二人でトレーニングもしていないもんね」
少なくとも2〜3日に1回は一緒にトレーニングをしている二人。それなのに、この一週間は試合もトレーニングも同行したデータがゼロだったことを、マスターは思い出す。
リンク「へぇ、マスターもちゃんと仕事してるんだな」
マスター「管理人だからね」
皮肉っぽくいうリンクに、マスターはいつもと変わらない調子で軽く受け流した。
マスター「言われてみればリンク、ガッツリ避けられてるね」
リンク「ショックを受けるから復唱しないでくれないか?」
マスター「何かしたの?」
リンク「それがさ……全く心当たりがないんだよな……」
話せば話すほど落ち込みが増していくリンクに、流石にいたたまれなくなったマスターも原因を探し始める。
マスター「さくらに嫌われるようなことしてない?」
リンク「どっかの誰かと違って、さくらの大好物のプリンを勝手に食べるとかしてないしな」
マスター「あぁー……って、それ僕のことじゃん!」
リンク「マスターと違って、嫌われることしてないんだけどな、俺」
マスター「待って、聞いて! まず、プリンの件については賞味期限が前日だったし、しかもクレイジーの部屋にあったから、まさかさくらのものだとは思わなくない? 誰かがお腹壊すなら僕が食べるのが一番平和的な解決策だと思ったの! 確かに悪かったけど、ちゃんと弁償はしたし」
リンク「俺が避けられてるのに、こんなことばっかしているマスターが嫌われない理由が俺にはわからない!」
自分の行いの言い訳をしつつ反省するマスターの言葉なんて、リンクの耳には全く入っておらず、マスターは苦笑いを浮かべていた。
マスター「まぁ、前向きに捉えるなら、さくらはこれくらいのことしても許してくれるくらい器が広いんだよ」
リンク「前向きすぎだろ、反省しろよ」
マスターに悩み事を話したことを後悔し始めたころ、マスターからさらに斜め上のアドバイスが降り注いだ。
マスター「そんなに心当たりがないなら、聞くしかないんじゃない?」
リンク「……は?」
マスター「ここで悩んでいても解決しないし、解決するには本人に聞くのが一番じゃない? 嫌なことしたなら謝るべきだし」
リンク「それは俺もわかってるんだけどさ」
と、伏せていたリンクだが途端に嫌な予感を察知し、前を見ると今にもさくらの元へと行き出しそうに立ち上がっているマスターがいた。
リンク「待て待て待て! 何する気だマスター」
マスター「聞くのが怖いなら、僕が聞いてきてあげようと思って」
リンク「それはもっと嫌だ!」
「さくらのところに聞きに行こう!」「いや、それは……」の押し問答が続き、とうとう……。
リンク「あーーわかった、行く。行くからお前はここにいr」
マスター「あ、さくらだ」
リンク「!?」
マスター「さくらー!」
リンクがさくらの元へ行くことを決意した瞬間。
偶然か必然か、二人のいる空間にさくらが入ってくる。
リンクとさくらの目線が交差した瞬間、サッと身を引こうとするさくらに、マスターが引き留めに向かっていくから、いよいよリンクの逃げ場がなくなった。
そのままマスターがリンクの元へと彼女を連れていくと、普段のリンクではなかなか見られないようなぎこちない返事をした。
リンク「……よ、よぉ。なんか久しぶり」
『リンク。久しぶり』
さくらも少し遠慮がちに向かいのソファーに腰掛ける。
なんとなく気まずいような空気の中、さくらが「マスター、私ここにいてもいいの?」と聞くと、きょとんとした顔でマスターが「え? うん、大丈夫だけど」と答えると、リラックスした様子で「よかったー!」と漏らす。
そんな彼女の様子にマスターもリンクも頭に疑問符を浮かべていた。
マスター「な、何がよかったの?」
『え? リンクに食べられちゃわないかなと思って』
リンク「はい?」
『あれ? リンクが自分で言ってなかったっけ?』
リンク「……うん?」
全員に疑問符が浮かぶ。
『いや、だってあの時……』
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1週間ほど前……。
それは、ちょうどクレイジーの脳内が騒がしすぎる件があった日のこと。
リンクが乱闘直前にさくらとすれ違い、こんな会話を繰り広げていた。
リンク「いいか、さくら。男はみんな狼だからな」
『え?』
リンク「だから、夜遅くに出歩いたり、暗い道を通ったりするときは気をつけろよ! ……俺、乱闘の時間だからもう行くわ! じゃあな!」
『う、うん、わかった!』(わかってない)
『って、リンクに言われたんだけど、どういう意味かな? リンク、急いでたから聞き返せなくて』
マスター「あー……あれじゃない? リンクは自分の世界だと、影の領域で狼になるからそのことを言ってるとか」
『そっか、リンクは狼にもなるもんね。じゃあ気をつけろっていうのは……』
マスター「うーん。よく分からないけど、リンクが狼になったら食べようとしてくるとか?」
『そっか、獣になると私たちのこと分からなくなっちゃうのかな?』
マスター「しばらくリンクに近づくのはやめておいた方がいいかもね。本人が忠告してるんだし」
『そっか。わかった。とりあえずリンクとはしばらく距離をとっておけばいいのね!』
********
『狼だから気をつけろって』
リンク「はぁーーーーーーー」
と、又聞きあるあるなのだろうか? 誤解が誤解を生み今に至ったわけで。
リンク「よかったぁぁぁぁああ」
自分が嫌われているわけではない事に安堵し、噛み締めるように呟く。
『じゃあ、これは解決したってこと? これからは普通に接しても大丈夫?』
リンク「おう。もう何も気にしなくて大丈夫だ」
『はぁ、よかったー。これでいつも通りリンクとトレーニングしたり、ご飯食べたりできるんだね。普段、リンクと過ごす時間が多いからかな? 1週間でも話さないで過ごすと、すごい長く感じたんだよね』
リンク「あぁ、言われてみれば確かにな」
リンクだけでなく、さくらもこれで一件落着だと安堵していた。そんな空気を見計らったように、
マスター「いやー本人に聞いてよかったね。これで無事解決」
と、「めでたしめでたし」で終わりかけた、がーー!
当然、スマブラきってのツッコミ担当のリンクが見逃す訳もなく、
リンク「……って、ちょっと待て。思えばマスターがさくらに変な事を言ったからこうなったんじゃねーか!」
マスター「え」
突然降り注ぐ真っ当な指摘に、マスターも素早く反論する。
マスター「それを言うなら、君がさくらに急に変なことを言ったせいじゃない?」
リンク「ぐっ……」
マスター「君がそんなこと言わなければ、こんなことは起きなかったんだし」
リンク「なら、そもそもお前がクレイジーのクレイジーな脳内状況をテレパシーで送ってきたことが原因だろ」
マスター「あーわかった、じゃあクレイジーが悪い! 終わり!」
リンク「そうか、ならアイツが全部悪い!」
そんなこんなで、リンクの日常は無事に戻ってきたのだった。
********
クレイジー「……っくし。あ? 風邪か?」
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