白か黒か、それとも緑?(ほのぼの)
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私の彼氏、もといクレイジーハンドはこの世界の破壊神として、兄である創造神マスターハンドと一緒に『この世界』を治めている。
破壊神って聞くと、暴力とか恐怖とかそういうイメージがどうしてもよぎってしまうけど、根は優しくて、真面目で、案外面倒見がいいんだよね。
……無口で怖い時も多いんだけど。
そんな彼の外見は、短い白髪に赤い瞳。
そして、黒のタートルネックに黒スキニー。
身につけるものの色が少ないせいか、赤い瞳がとても美しく見える。
のだけど……。
『クレイジーって、色のある洋服って着ないよね』
クレイジー「突然長い前置きが始まったかと思ったら、またクレームか」
『人をクレーマー扱いしないでよね!』
仕事中の彼の部屋にお邪魔して、読書をしていたのだけど、ふと頭に浮かんできた疑問。
ちょうどクレイジーも仕事の息抜きに、私の方に体を向けながらコーヒーを飲んでいたから、その疑問をぶつけてみたんだけどーー。
クレームってちょっと酷くないかしら!?
相変わらずツンデレのツン9割な人、いいえ神様ね!
という私の心のツッコミはおいといて……。
今更ながら、彼が白黒以外身につけているところを見たことがない。
そもそも、二人とも神様なのに、私服でいることが多いのも不思議なんだけどね。
でも、そんな中でもマスターは、様々な色の服を着ているんだけど……。
『ほら? ファイター達って、ドレスとか正装とか、派手な服を着ているけど、クレイジーはかなりシンプルじゃん? だから、神様っぽい服とか着ないのかなーって思って!』
クレイジー「頭の容量を服に使いたくないからな」
なにその某有名製品を作った社長みたいな考え。
クレイジー「そんなことを言ったら、服着てない連中もいるけどな」
『……』
確かに、カービィ達は服を着ていないけど……!
『でも、クレイジーもさ、色のある服も似合うと思うんだけどなぁ……何か好きな色はないの?』
クレイジー「黒」
『白黒以外でお願いします』
アナタが黒好きなのは、今までの服装でよくわかってるの!
それに時折ダークな一面も見せるから、イメージカラーも黒だし。
あ、嘘嘘、嘘だからそんな目で見ないで!!
怖いよーー!!
クレイジー「……強いて言うなら、緑だな」
『リンクカラー?』
クレイジー「リンクカラーってなんだよ……」
『緑といえばリンクだから、つい』
それより、緑とはまた意外な色。
『なんで緑が好きなの?』
クレイジー「なんで……?」
うーんと考え込むクレイジー。
自分の彼氏ながら、切れ長の目を伏せて真剣に考えているその仕草すらかっこいいと思ってしまう。
少しの沈黙の後に、彼はゆっくりと口をひらく。
クレイジー「森とか好きなんだよな」
『ん?』
クレイジーと……森?
あまりにも想定外の言葉が出てきて、私の頭の中には沢山の疑問符が浮かぶ。
『……』
クレイジー「無反応」
『あ、ごめん。少し意外だったから』
小さなため息をつかれる。
私がよく見るクレイジーって、自室でお仕事や読書をしていたり、終点でファイターたちと戦うところばかりだったから。
森というイメージがパッと出てこなくて、私も考え込んでしまう。
『どうして森が好きなの?』
クレイジー「そうだな。木とか葉とかがあるような、そういった空間で読書するのが好きだから緑?」
『そうなんだ!』
クレイジー「嬉しそうだな」
自分でも気づかなかったけど、私の口角は上がっていたみたい。
でも、嬉しくないわけがない。
『だって私も自然が好きだから。クレイジーと好きなものが一緒で嬉しいなって思って』
クレイジー「そうか」
それだけいうと、また机に体を向けてしまう。
でも、ほんの一瞬だけクレイジーの口元が緩んだように見えたけど……。
実は嬉しかったりして?
なんてね。
彼はポーカーフェースだから、こんなことで表情が変わったりしないだろうし、だからきっと見間違え。
でもせっかく森が好きって話してくれたから、何かクレイジーが喜びそうなこと、できたらいいなぁ……。
『……あ、じゃあさ、今日ピクニックに行こうよ! 本持って!』
クレイジー「唐突だな」
『お仕事終わってからでもいいし、せっかく晴れてるんだから、クレイジーの好きな森を見に行こうよ!』
クレイジー「まぁ……。それもそうだな。じゃあ、今から行くか?」
『え、い、今から!?』
クレイジー「今すぐ終わらせないといけないものは無いしな。それに、さくらとピクニックなら…………楽しそうだし」
『……ありがとう、クレイジー』
普段あまり、気持ちを表に出さないからかな?
「楽しそう」って言うのにすっごい言葉が詰まっていたけど、さっきよりもワクワクしているように見える。
その様子を見て、私も一緒にワクワクする。
クレイジーって、冷たそうに見えて、とっても優しくて良い人(神様)だなぁって実感する。
『やっぱり、緑色が好きな人に悪い人はいないよね』
クレイジー「それは極端な考え方じゃないか?」
『そうかな? ほら、リンクとかいい人じゃん!』
そんな他愛のない会話をしながら、2人でゆっくりと食堂へ向かう。
この後は、サンドイッチと、私用のデザートにフルーツサンドを作って、城の近くの丘で珈琲を飲みながらのんびりとピクニックをして過ごしたの。
付き合ってそれなりに日は経っているけど、私はまだまだ彼のこと全然知らなかったみたい。
新しい一面を知るたびに、私の毎日がちょっとずつ、幸せに染まっていくんだな。
そう思えた1日だった。
そういえば……。
クレイジーは、何故かフルーツサンドを作っている私を見ながら苦笑いを浮かべていたんだけど、気のせいかしら?
▼オマケ
クレイジー「俺は今、カービィとピクニックをしているのか?」
『……なんでそんなこと聞くの?』
クレイジー「その量のフルーツサンドを一人で食べるのかと思って」
サンドイッチを二人でたらふく平らげたあと、デザートのフルーツサンドに手を伸ばす私を見ながら苦笑いを浮かべるクレイジー。
『うん、だってクレイジーは甘いものが苦手でしょ? それに作る時一緒にいたんだから、今更驚かなくてもいいじゃん』
クレイジー「いや、作っている時も若干引いてた」
え? そうだったの!?
だから苦笑いしながら私をみていたのね!
『いいのー、こんなの余裕で食べちゃうんだから!』
クレイジー「……さくらって、たまにそういうところあるよな」
『そういうところって何かしら!?』
サンドイッチを4つ食べた後に、フルーツサンド4つをペロリと平らげる私に、食堂の時と同じような苦笑いを浮かべているクレイジーなんだけど。
私、何か変なことしてるかしら?
だって、デザートは別腹でしょ?(ニッコリ)
Fin
破壊神って聞くと、暴力とか恐怖とかそういうイメージがどうしてもよぎってしまうけど、根は優しくて、真面目で、案外面倒見がいいんだよね。
……無口で怖い時も多いんだけど。
そんな彼の外見は、短い白髪に赤い瞳。
そして、黒のタートルネックに黒スキニー。
身につけるものの色が少ないせいか、赤い瞳がとても美しく見える。
のだけど……。
『クレイジーって、色のある洋服って着ないよね』
クレイジー「突然長い前置きが始まったかと思ったら、またクレームか」
『人をクレーマー扱いしないでよね!』
仕事中の彼の部屋にお邪魔して、読書をしていたのだけど、ふと頭に浮かんできた疑問。
ちょうどクレイジーも仕事の息抜きに、私の方に体を向けながらコーヒーを飲んでいたから、その疑問をぶつけてみたんだけどーー。
クレームってちょっと酷くないかしら!?
相変わらずツンデレのツン9割な人、いいえ神様ね!
という私の心のツッコミはおいといて……。
今更ながら、彼が白黒以外身につけているところを見たことがない。
そもそも、二人とも神様なのに、私服でいることが多いのも不思議なんだけどね。
でも、そんな中でもマスターは、様々な色の服を着ているんだけど……。
『ほら? ファイター達って、ドレスとか正装とか、派手な服を着ているけど、クレイジーはかなりシンプルじゃん? だから、神様っぽい服とか着ないのかなーって思って!』
クレイジー「頭の容量を服に使いたくないからな」
なにその某有名製品を作った社長みたいな考え。
クレイジー「そんなことを言ったら、服着てない連中もいるけどな」
『……』
確かに、カービィ達は服を着ていないけど……!
『でも、クレイジーもさ、色のある服も似合うと思うんだけどなぁ……何か好きな色はないの?』
クレイジー「黒」
『白黒以外でお願いします』
アナタが黒好きなのは、今までの服装でよくわかってるの!
それに時折ダークな一面も見せるから、イメージカラーも黒だし。
あ、嘘嘘、嘘だからそんな目で見ないで!!
怖いよーー!!
クレイジー「……強いて言うなら、緑だな」
『リンクカラー?』
クレイジー「リンクカラーってなんだよ……」
『緑といえばリンクだから、つい』
それより、緑とはまた意外な色。
『なんで緑が好きなの?』
クレイジー「なんで……?」
うーんと考え込むクレイジー。
自分の彼氏ながら、切れ長の目を伏せて真剣に考えているその仕草すらかっこいいと思ってしまう。
少しの沈黙の後に、彼はゆっくりと口をひらく。
クレイジー「森とか好きなんだよな」
『ん?』
クレイジーと……森?
あまりにも想定外の言葉が出てきて、私の頭の中には沢山の疑問符が浮かぶ。
『……』
クレイジー「無反応」
『あ、ごめん。少し意外だったから』
小さなため息をつかれる。
私がよく見るクレイジーって、自室でお仕事や読書をしていたり、終点でファイターたちと戦うところばかりだったから。
森というイメージがパッと出てこなくて、私も考え込んでしまう。
『どうして森が好きなの?』
クレイジー「そうだな。木とか葉とかがあるような、そういった空間で読書するのが好きだから緑?」
『そうなんだ!』
クレイジー「嬉しそうだな」
自分でも気づかなかったけど、私の口角は上がっていたみたい。
でも、嬉しくないわけがない。
『だって私も自然が好きだから。クレイジーと好きなものが一緒で嬉しいなって思って』
クレイジー「そうか」
それだけいうと、また机に体を向けてしまう。
でも、ほんの一瞬だけクレイジーの口元が緩んだように見えたけど……。
実は嬉しかったりして?
なんてね。
彼はポーカーフェースだから、こんなことで表情が変わったりしないだろうし、だからきっと見間違え。
でもせっかく森が好きって話してくれたから、何かクレイジーが喜びそうなこと、できたらいいなぁ……。
『……あ、じゃあさ、今日ピクニックに行こうよ! 本持って!』
クレイジー「唐突だな」
『お仕事終わってからでもいいし、せっかく晴れてるんだから、クレイジーの好きな森を見に行こうよ!』
クレイジー「まぁ……。それもそうだな。じゃあ、今から行くか?」
『え、い、今から!?』
クレイジー「今すぐ終わらせないといけないものは無いしな。それに、さくらとピクニックなら…………楽しそうだし」
『……ありがとう、クレイジー』
普段あまり、気持ちを表に出さないからかな?
「楽しそう」って言うのにすっごい言葉が詰まっていたけど、さっきよりもワクワクしているように見える。
その様子を見て、私も一緒にワクワクする。
クレイジーって、冷たそうに見えて、とっても優しくて良い人(神様)だなぁって実感する。
『やっぱり、緑色が好きな人に悪い人はいないよね』
クレイジー「それは極端な考え方じゃないか?」
『そうかな? ほら、リンクとかいい人じゃん!』
そんな他愛のない会話をしながら、2人でゆっくりと食堂へ向かう。
この後は、サンドイッチと、私用のデザートにフルーツサンドを作って、城の近くの丘で珈琲を飲みながらのんびりとピクニックをして過ごしたの。
付き合ってそれなりに日は経っているけど、私はまだまだ彼のこと全然知らなかったみたい。
新しい一面を知るたびに、私の毎日がちょっとずつ、幸せに染まっていくんだな。
そう思えた1日だった。
そういえば……。
クレイジーは、何故かフルーツサンドを作っている私を見ながら苦笑いを浮かべていたんだけど、気のせいかしら?
▼オマケ
クレイジー「俺は今、カービィとピクニックをしているのか?」
『……なんでそんなこと聞くの?』
クレイジー「その量のフルーツサンドを一人で食べるのかと思って」
サンドイッチを二人でたらふく平らげたあと、デザートのフルーツサンドに手を伸ばす私を見ながら苦笑いを浮かべるクレイジー。
『うん、だってクレイジーは甘いものが苦手でしょ? それに作る時一緒にいたんだから、今更驚かなくてもいいじゃん』
クレイジー「いや、作っている時も若干引いてた」
え? そうだったの!?
だから苦笑いしながら私をみていたのね!
『いいのー、こんなの余裕で食べちゃうんだから!』
クレイジー「……さくらって、たまにそういうところあるよな」
『そういうところって何かしら!?』
サンドイッチを4つ食べた後に、フルーツサンド4つをペロリと平らげる私に、食堂の時と同じような苦笑いを浮かべているクレイジーなんだけど。
私、何か変なことしてるかしら?
だって、デザートは別腹でしょ?(ニッコリ)
Fin
