星に願いを(ほのぼの)
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マスター「短冊に願い事を書いて、笹に吊るすと叶えてくれるなんて…とんでもなく優しい神様だね」
『そうね、マスターと同じくらい優しい神様だと思う』
マスター「直球で言われると、なんか照れるなー」
皆さんこんにちは。さくらです。
今日は7月7日。
とある世界では、その日を七夕というみたい。
その日の夜に、願い事を書いた短冊や飾り物を笹の葉に吊るし、星に向かってお願いごとをすると、神様が願い事を叶えてくれるんだって。
そんな話を先日読んだ本で知って
「みんなでやりたい」
ってマスターに提案したところ、早速その行事をやることになったんだ。
『ふふ、でもみんな参加してくれて嬉しいね』
マスター「全員、書いてくれたんじゃない?」
メンバーたちが書いた短冊が、風でひらひらと揺れる。
急な声掛けに、少しだけざわざわしつつも、楽しいことが大好きなファイターたちだから、皆んなちゃんと参加してくれたんだ。
マスター「皆んながどんなこと書いたのか気になるね」
『願い事を見るのは、ちょっとよくないんじゃないかな?』
好奇心に負けそうになるマスターを抑える。
マスター「それもそうだね…じゃあ僕もそろそろ書こうかな?」
『あ、まだ書いてなかったんだね』
マスター「そう、特等席を狙っていたからね」
私と話しながらも、短冊に文字を書く手はなんの迷いもなく進んでいく。
書いた願い事を見返して、満足げな表情をしながら笹の一番高いところに短冊を飾る。
『特等席って…もしかして一番上?』
マスター「高いところの方が神様の目に止まりやすそうでしょ」
『マスターって意外と強欲』
マスター「神様だから」
ニコッと笑う笑顔は無邪気そのもので、そんな彼に私もつられて笑顔になる。
『今更だけど、マスターは神様だから、お願い事なんてしなくても自分で叶えられそうなのに…。
マスター「それはそうだけど、この願いは僕1人では叶えられないことだから…。」
少しだけ儚げになる表情。
黄昏時ということもあって、より一層際立たせる。
マスターは、どんなことをお願いしたんだろう…?
マスター「さくらはもう書いたんだよね?」
一瞬見せた儚げな表情から打って変わって、マスターはいつもの好奇心旺盛な顔を私に見せてくる。
『ええ、もちろん!』
マスター「そっか! じゃあ、、なんて書いたか教えて!」
『い、いやだよ恥ずかしいし…。』
マスター「僕のも教えるからさ」
『教えられても教えないわよ!』
マスター「僕のはねー…ってクレイジー?」
クレイジー「あ…。」
ふと背後に気配を感じ取り振り返ると、バツの悪そうな顔をしてクレイジーが立っていた。
マスター「もしかして…!クレイジーも願い事を書きに来てくれたの!?わーい!!」
クレイジー「……。」
マスターの呼びかけがまるで無かったかのように、無視をして短冊に向かうクレイジー。
マスター「ちょちょちょ、無視しないでよ!」
クレイジー「……。」
クレイジーは相変わらず無視を貫いている。
実は私も、マスターじゃないけど、こういうイベントにクレイジーが参加するなんて、少し意外に感じてしまった。
『クレイジーも、こういうのちゃんと信じるタイプなんだね』
書き終えたクレイジーが、私の方に視線を合わせてくれる。
クレイジー「信じるも何も、朝からことあるごとに『短冊書いた?』って聞いてくる奴がいるからな」
『ふふ…それは確かに書かなきゃってなるね』
マスターのことだから、何度も何度もクレイジーに、「短冊を書こう!」って言い続けたんだと思う。
でも、イベント事に興味ないクレイジーに、短冊を書かせちゃうんだから、さすがマスターだよね。
マスター「じゃあ僕の粘り勝ちってことだね!」
クレイジー「勝ってない。俺が大人だから譲ってあげただけだ。」
「マスターに負ける」という事実が、どんな小さなことであっても許せないクレイジーが、マスターの言葉を訂正する。
そのまま2人で言い合いをしながら、クレイジーはマスターの少し上に短冊を飾る。
『あ…一番上…。』
マスター「ちょっと!なんでそこにするの!」
クレイジー「あ?上の方が目立つだろ。」
マスターとクレイジーは双子だけど、性格は真逆。
でも、こういう時だけは…本当にそっくりなんだから。
やっぱり2人は双子なんだなーと思い知らされる。
マスター「君は弟なんだから、僕の下にしなさい」
クレイジー「これはお前のか…じゃあお前は兄なんだから、弟に上を譲れ」
マスター「僕の方が先に飾ったんだから、僕が上でしょ!」
クレイジー「先に飾ったから出し抜かれたんだぞ」
『あははは!』
マスター・クレイジー「!?」
さっきまで「大人だから」なんて言っていた人 とは思えない子供っぽいクレイジーがおかしくて、声を出して笑ってしまう。
結局、2人仲良く同じ高さで短冊は飾られることでこの場は収まった。
マスター「でもさ、クレイジーがこういうの書いてくれるなんて…兄として嬉しいよ!」
クレイジー「どの口が…まぁいいや」
クレイジーが何かをいいかけたけど、マスターを見て言葉を撤回する。
でもその理由はすぐにわかった。
だって、マスターがとてもとても幸せそうな笑顔を向けてくるんだもん。
マスター「ところで、クレイジーは何を願ったの?」
クレイジー「…さくらは何を書いたんだ?」
『え、私に回さないでよ!』
決まりが悪いと、クレイジーはすぐに私に話を回してくる。
私の願い事だって、恥ずかしくて誰かに言うのは……?
って、あれ……?
『もしかして、クレイジー、願い事いうの恥ずかしいの?』
マスター「え!そんな恥ずかしい事かいたのー?直接見ちゃおうかな!」
クレイジー「なっ、やめろ馬鹿!」
マスター「言わないクレイジーが悪い!」
マスターが浮遊しようとするのを、クレイジーが必死に抑える。
クレイジーが本気で止めようとしてるけど、マスターの好奇心もかなり強く簡単には引かない。
互いに一歩も譲らない攻防戦が続く…。
クレイジー「わかった!いうからそこにいろ」
マスター「わーい!」
しばらくしてクレイジーの方が観念したみたい。
(実は私も、クレイジーがどんなことを書くのか気になっていた)
一呼吸おいて、気まずそうに視線を落としながら、彼の重い口が開く。
クレイジー「……『この世界が平和であり続けられますように』……」
マスター・さくら「……。」
クレイジーらしくない、あまりに優しくて真っ直ぐな願いに私とマスターの顔がキョトンとなる。
クレイジー「チッ、だから言いたく…」
マスター「やっぱり僕たち、双子なんだね」
クレイジー「あ?」
マスター「なんでもないよー」
クレイジーにはマスターの言葉は聞こえてなかったかもだけど…。
私にはしっかりと聞こえてきた。
そして、少しだけ笑顔になるマスター。
多分…マスターの願いも、同じことなんだろうな。
『ふふ。2人の願い、神様が叶えてくれるといいね』
マスター「ねー、僕の苦労を神様が見てくれていると信じて…!」
クレイジー「苦労してないだろ。つか、神様だろお前は」
マスター「そういう君もね!」
なんてことを話しながら短冊を背にして、私たちは城の中へとゆっくり歩き出した。
いつもと同じ夕暮れが、なんだかとっても特別なものに感じながら……。
しばらく沈黙した後、思い出したかのようにクレイジーが再び私たちに問いかける。
クレイジー「で、2人の願いは?」
マスター「秘密ー!」
『内緒ー!』
クレイジー「俺だけ損してんじゃねーか!」
マスター「えー?クレイジーが勝手に喋っただけだよね?」
『ふふ、教えてくれてありがとう、クレイジー』
クレイジー「…。」
私たちに出し抜かれることなんてほとんどないから、クレイジーはちょっとだけ悔しそうな顔をしていた。
そんなこと全く気にしないマスターが、空を見上げてポツリと言った。
マスター「そういえば…今日の夜ご飯はちらし寿司だよ」
『そこはそうめんじゃないの?』
マスター「へへ、僕が食べたくて」
『マスターらしいんだから』
クレイジー「カービィがすごい勢いで食べてたぞ、そういえば」
『ええ!早く行かなきゃ無くなっちゃう!』
そうやって、他愛もない話をしながら少しだけ早足で食堂へ向かった。
あ……私の願いはね…。
「この世界が ずっと楽しく 平和であり続けますよーに」
2人には恥ずかしくて言えないけど…。
きっと、私たちは同じ未来を願ってる。
神様、お星様……。
どうか、この願いを叶えてくれますように…。
Fin
『そうね、マスターと同じくらい優しい神様だと思う』
マスター「直球で言われると、なんか照れるなー」
皆さんこんにちは。さくらです。
今日は7月7日。
とある世界では、その日を七夕というみたい。
その日の夜に、願い事を書いた短冊や飾り物を笹の葉に吊るし、星に向かってお願いごとをすると、神様が願い事を叶えてくれるんだって。
そんな話を先日読んだ本で知って
「みんなでやりたい」
ってマスターに提案したところ、早速その行事をやることになったんだ。
『ふふ、でもみんな参加してくれて嬉しいね』
マスター「全員、書いてくれたんじゃない?」
メンバーたちが書いた短冊が、風でひらひらと揺れる。
急な声掛けに、少しだけざわざわしつつも、楽しいことが大好きなファイターたちだから、皆んなちゃんと参加してくれたんだ。
マスター「皆んながどんなこと書いたのか気になるね」
『願い事を見るのは、ちょっとよくないんじゃないかな?』
好奇心に負けそうになるマスターを抑える。
マスター「それもそうだね…じゃあ僕もそろそろ書こうかな?」
『あ、まだ書いてなかったんだね』
マスター「そう、特等席を狙っていたからね」
私と話しながらも、短冊に文字を書く手はなんの迷いもなく進んでいく。
書いた願い事を見返して、満足げな表情をしながら笹の一番高いところに短冊を飾る。
『特等席って…もしかして一番上?』
マスター「高いところの方が神様の目に止まりやすそうでしょ」
『マスターって意外と強欲』
マスター「神様だから」
ニコッと笑う笑顔は無邪気そのもので、そんな彼に私もつられて笑顔になる。
『今更だけど、マスターは神様だから、お願い事なんてしなくても自分で叶えられそうなのに…。
マスター「それはそうだけど、この願いは僕1人では叶えられないことだから…。」
少しだけ儚げになる表情。
黄昏時ということもあって、より一層際立たせる。
マスターは、どんなことをお願いしたんだろう…?
マスター「さくらはもう書いたんだよね?」
一瞬見せた儚げな表情から打って変わって、マスターはいつもの好奇心旺盛な顔を私に見せてくる。
『ええ、もちろん!』
マスター「そっか! じゃあ、、なんて書いたか教えて!」
『い、いやだよ恥ずかしいし…。』
マスター「僕のも教えるからさ」
『教えられても教えないわよ!』
マスター「僕のはねー…ってクレイジー?」
クレイジー「あ…。」
ふと背後に気配を感じ取り振り返ると、バツの悪そうな顔をしてクレイジーが立っていた。
マスター「もしかして…!クレイジーも願い事を書きに来てくれたの!?わーい!!」
クレイジー「……。」
マスターの呼びかけがまるで無かったかのように、無視をして短冊に向かうクレイジー。
マスター「ちょちょちょ、無視しないでよ!」
クレイジー「……。」
クレイジーは相変わらず無視を貫いている。
実は私も、マスターじゃないけど、こういうイベントにクレイジーが参加するなんて、少し意外に感じてしまった。
『クレイジーも、こういうのちゃんと信じるタイプなんだね』
書き終えたクレイジーが、私の方に視線を合わせてくれる。
クレイジー「信じるも何も、朝からことあるごとに『短冊書いた?』って聞いてくる奴がいるからな」
『ふふ…それは確かに書かなきゃってなるね』
マスターのことだから、何度も何度もクレイジーに、「短冊を書こう!」って言い続けたんだと思う。
でも、イベント事に興味ないクレイジーに、短冊を書かせちゃうんだから、さすがマスターだよね。
マスター「じゃあ僕の粘り勝ちってことだね!」
クレイジー「勝ってない。俺が大人だから譲ってあげただけだ。」
「マスターに負ける」という事実が、どんな小さなことであっても許せないクレイジーが、マスターの言葉を訂正する。
そのまま2人で言い合いをしながら、クレイジーはマスターの少し上に短冊を飾る。
『あ…一番上…。』
マスター「ちょっと!なんでそこにするの!」
クレイジー「あ?上の方が目立つだろ。」
マスターとクレイジーは双子だけど、性格は真逆。
でも、こういう時だけは…本当にそっくりなんだから。
やっぱり2人は双子なんだなーと思い知らされる。
マスター「君は弟なんだから、僕の下にしなさい」
クレイジー「これはお前のか…じゃあお前は兄なんだから、弟に上を譲れ」
マスター「僕の方が先に飾ったんだから、僕が上でしょ!」
クレイジー「先に飾ったから出し抜かれたんだぞ」
『あははは!』
マスター・クレイジー「!?」
さっきまで「大人だから」なんて言っていた人 とは思えない子供っぽいクレイジーがおかしくて、声を出して笑ってしまう。
結局、2人仲良く同じ高さで短冊は飾られることでこの場は収まった。
マスター「でもさ、クレイジーがこういうの書いてくれるなんて…兄として嬉しいよ!」
クレイジー「どの口が…まぁいいや」
クレイジーが何かをいいかけたけど、マスターを見て言葉を撤回する。
でもその理由はすぐにわかった。
だって、マスターがとてもとても幸せそうな笑顔を向けてくるんだもん。
マスター「ところで、クレイジーは何を願ったの?」
クレイジー「…さくらは何を書いたんだ?」
『え、私に回さないでよ!』
決まりが悪いと、クレイジーはすぐに私に話を回してくる。
私の願い事だって、恥ずかしくて誰かに言うのは……?
って、あれ……?
『もしかして、クレイジー、願い事いうの恥ずかしいの?』
マスター「え!そんな恥ずかしい事かいたのー?直接見ちゃおうかな!」
クレイジー「なっ、やめろ馬鹿!」
マスター「言わないクレイジーが悪い!」
マスターが浮遊しようとするのを、クレイジーが必死に抑える。
クレイジーが本気で止めようとしてるけど、マスターの好奇心もかなり強く簡単には引かない。
互いに一歩も譲らない攻防戦が続く…。
クレイジー「わかった!いうからそこにいろ」
マスター「わーい!」
しばらくしてクレイジーの方が観念したみたい。
(実は私も、クレイジーがどんなことを書くのか気になっていた)
一呼吸おいて、気まずそうに視線を落としながら、彼の重い口が開く。
クレイジー「……『この世界が平和であり続けられますように』……」
マスター・さくら「……。」
クレイジーらしくない、あまりに優しくて真っ直ぐな願いに私とマスターの顔がキョトンとなる。
クレイジー「チッ、だから言いたく…」
マスター「やっぱり僕たち、双子なんだね」
クレイジー「あ?」
マスター「なんでもないよー」
クレイジーにはマスターの言葉は聞こえてなかったかもだけど…。
私にはしっかりと聞こえてきた。
そして、少しだけ笑顔になるマスター。
多分…マスターの願いも、同じことなんだろうな。
『ふふ。2人の願い、神様が叶えてくれるといいね』
マスター「ねー、僕の苦労を神様が見てくれていると信じて…!」
クレイジー「苦労してないだろ。つか、神様だろお前は」
マスター「そういう君もね!」
なんてことを話しながら短冊を背にして、私たちは城の中へとゆっくり歩き出した。
いつもと同じ夕暮れが、なんだかとっても特別なものに感じながら……。
しばらく沈黙した後、思い出したかのようにクレイジーが再び私たちに問いかける。
クレイジー「で、2人の願いは?」
マスター「秘密ー!」
『内緒ー!』
クレイジー「俺だけ損してんじゃねーか!」
マスター「えー?クレイジーが勝手に喋っただけだよね?」
『ふふ、教えてくれてありがとう、クレイジー』
クレイジー「…。」
私たちに出し抜かれることなんてほとんどないから、クレイジーはちょっとだけ悔しそうな顔をしていた。
そんなこと全く気にしないマスターが、空を見上げてポツリと言った。
マスター「そういえば…今日の夜ご飯はちらし寿司だよ」
『そこはそうめんじゃないの?』
マスター「へへ、僕が食べたくて」
『マスターらしいんだから』
クレイジー「カービィがすごい勢いで食べてたぞ、そういえば」
『ええ!早く行かなきゃ無くなっちゃう!』
そうやって、他愛もない話をしながら少しだけ早足で食堂へ向かった。
あ……私の願いはね…。
「この世界が ずっと楽しく 平和であり続けますよーに」
2人には恥ずかしくて言えないけど…。
きっと、私たちは同じ未来を願ってる。
神様、お星様……。
どうか、この願いを叶えてくれますように…。
Fin
