05 君とまつり
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翌日、葵は朝いちばんに入部届けを出した
顧問の先生によると、テニス部マネージャーは各学年1人が定員なのだそうで
レギュラー陣のファンの女子生徒は大勢いるものの、
マネージャーの業務があまりにも過酷なためなりたがる生徒は少ないらしい
先日辞めたという1年生の女子もその多忙さについていけず辞めてしまったのだとか…
(これは、やりがいがありそうね)
放課後、さっそくジャージに着替えてテニスコートに向かった
手塚部長から部員に新しいマネージャーだと紹介してもらう
挨拶の途中、ふと海堂と目が合う
少し緩んだ口元で頷いてくれた
…きっと、頑張れと言ってくれてるのだろう
先輩のマネージャー2人に毎日の部活で行う仕事を1から教えてもらった
覚悟はしてきたが、なかなかハードなものであったが
やると決めたことなので、必死にメモをとり体を動かした
テニス初心者なので、用語や道具の名前など覚えることは山積みであったが
いつもならすることも無く外をフラフラしているこの時間
必死に汗を流して頑張れている自分の姿が少し誇らしく感じた
…それに、テニスをしている海堂を堂々と見られるのも嬉しかった
朝練に放課後の部活、その後海堂の自主トレに付き合い、帰ってからテニスの勉強
そんな充実した毎日を過ごし、2週間もたてば
葵もすっかりマネージャーが板についていた
海堂のおかげで、自然とレギュラー陣とも仲良くなっていた
…というのも、何故か葵が海堂に好意を寄せていることが
周りにバレバレだったようで、
特に海堂と同じ2年の桃城からは「なんでマムシなのか分かんねーけど応援するぜ」とニヤニヤされた
「私ってそんなに分かりやすいですか?
…もしかして海堂先輩にも気づかれてるん」
『いや、それはない』
葵が言い終わる前に、桃城と通りかかったリョーマがハモる
「あの人、そういうの鈍そうだし
絶対気づいてないでしょ」
(リョーマくんにも知られてる…)
そんなに自分は分かりやすいのか、
というかそれだけが目当てでマネージャーになったと思われているのでは、と
急に恥ずかしくなった
「アンタ海堂先輩のこと見すぎ、顔に出すぎ
でもそれだけが目当てで入って、こんなに毎日マネージャー頑張れないでしょ
別に誰もそんな事思ってないと思うけど」
どうやら声に出ていたようだ、
けどこんな風に認められるのは嬉しかった
「リョーマくん、ありがと!優しいね」
「…別に」
照れたようで帽子で顔を隠されてしまった
あ!!と急に桃城が大声を出した
「何スか桃先輩、驚かさないでくださいよ」
「まあそう言うなって越前、
来週末とっておきの楽しいこと企画したから、2人とも絶対参加しろよー!」
そう言って桃城がとびっきりの笑顔で2人の前に出したのは
夏祭りのチラシだった
「息抜きにって手塚部長にさっき許可もらえたしよ!
マムシも絶対連れてくるから葵ちゃん気合い入れて来いよ♪」
「桃ちゃん先輩ナイスすぎますー!」
「だろ?」
持つべきものは先輩である
1週間後、これで今日の部活もまた一段と頑張れそうだ