05 君とまつり
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今日は待ちに待った夏祭り
いつもなら1日ある部活を半日で切り上げ、1度帰宅してから夕方に祭りの会場である神社に集合することになっていた
大会前にも関わらず、祭りの参加を許可した手塚に驚いた
が、何にせよ桃城様々である
レギュラー陣は全員参加だと聞いたので、きっと海堂も来てくれるはず
そんなことを考えながら集合場所に着くと、
まだ集合時間前ではあったが殆ど皆集まっていた
「あ、葵ちゃんこっちだよ!
浴衣めちゃくちゃ可愛い!似合ってるよ~」
「ありがとうございます、先輩たちも浴衣お似合いです!」
マネージャー3人で浴衣を着てこようと話していたのだ
キョロキョロ見回すと、少し離れた所に海堂の姿が見えた
なんだか居心地が悪そうにしている
一瞬目が合ったかと思ったが、思い切り顔を逸らされてしまった
(気のせい?それとも、変だったかなぁ、浴衣…)
時間になり、祭りを回ることになったが大体みんな仲の良いグループで固まっていたので
その後も海堂とは話せなかった
葵はマネージャー3人で屋台を回り、それなりに楽しんでいた
りんご飴にたこ焼き、金魚すくい、久しぶりの祭りにどんどんテンションが上がる
「わー!先輩、お猿さんが来てますよ!ちょっと見に行ってもいいですか?」
興奮した様子で葵が振り返ると、つい先程まで一緒にいた2人の姿がない
「うそ、はぐれちゃった…?
あ、そうだスマホで連絡すれば…」
巾着に入れていたスマホを取り出そうとしたが、ない
手に持っていたはずの巾着がない
「しまった、さっき射的した時に持ってもらったままだったんだ…どうしよ…」
射的の時に邪魔だろうと、先輩が持ってくれたのだが
返してもらう前にはぐれてしまったようだ
スマホも財布もない、しかもこの辺りに土地勘もないので道も分からない
加えてこの人混み、背の低い葵にとっては一大事である
先ほどいた射的の屋台まで戻ってきたが、先輩たちは見当たらない
他のテニス部員も見当たらないし、どうしようか
(なんか…気持ち悪くなってきた…)
人ごみと、着慣れない浴衣のせいか気分が悪くなってきた
闇雲に歩き回っても見つからないかもしれない
背が低いので、この中にいては遠くから見つけてもらうことも難しいだろう
ひときわ賑わう通りの脇道に出ると、人気も少なく少し落ち着いた
大通りからも見える場所なので、もしかしたら誰かが見つけてくれるかもしれない
そう思い、葵はベンチに腰を下ろし少し休むことにした
(浮かれすぎてた…ばかだな、私
こんなの着てきても、海堂先輩とも話せないし
荷物も預けたまま迷子になるし)
あんなに楽しみにしていた気持ちが、ふっと一気に消えてしまった