3 眠る君の横顔に微笑みを
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工藤くんと蘭と3人で京都に来た。依頼主さんのお寺に行った後、私は平次くんとの集合場所へ向かう予定だったけど。
「もー。なんで、2人の邪魔するのよ」
「仕方ねぇだろ。目的地が一緒なんだからよ」
「大丈夫だよ、蘭。平次くんに会えるのは変わりないし」
「美衣がいいならいいけど…さっさと仏像見つけてよね、新一」
「わぁってるよ」
「あ!平次くん!」
「おう。美衣…なんや、工藤達も一緒か」
「悪いな、邪魔して。義経にゆかりのある場所を調べたくてこの橋に来ただけだから気にすんな」
「義経やと?仏像探しとちゃうんか」
「それがどうも源氏蛍が関係してそうでよ」
すっかり探偵モードになった工藤くんと平次くん。そんな2人に、蘭と顔を見合せて小さくため息をこぼす。
「なんや。ほんなら、工藤も俺も追っとるのは源氏蛍っちゅうことやな。この後何個か行く予定やった義経縁の場所、一緒行くか」
「ああ、そうだな」
「ちょっと待った!服部くん!美衣とのご飯の約束は?!」
「あっ!そ、そうやったな。すまん。先飯行こか」
「いいよ、別に。ご飯は蘭と行くから工藤くんと行ってきなよ、捜査」
「ほんまか!おおきに!ほな、また後でな」
「悪い蘭!また連絡する!」
「ちょっ!もー!美衣、本当によかったの?」
「うん。事件気になってソワソワしてる平次くんといるより、蘭と楽しく食べたいもん」
「それもそうだね。よし!じゃあ行こ!」
蘭と2人で美味しそうなご飯屋さんを見つけ、店内へ。トイレに行った蘭。1人で席に座って待ってると、突然誰かが前に座った。
「え?あ、和葉ちゃん!久しぶり」
「かるたの大会ん時以来やな。野々村さん。馴れ馴れしく和葉ちゃんとか呼ばんとってくれる?そない仲良うなった覚えないんやけど」
「ご、ごめん。えっと、私に何か用事?」
「…今朝、平次が京都行く言うて、初恋の子との思い出の品持って出てったん見たから、追いかけて来てん。初恋の子に会うんちゃうかと思って。あんたなん?平次の初恋」
「初恋…違うと思うよ。あれだよね、雑誌のインタビューで話してた…」
「そう。これがその雑誌。ほんで、これがその初恋の思い出の品」
「わ!子供の頃の平次くんだ!可愛い〜!」
「せやろー!この頃の平次めっちゃ可愛くて!って!そんな話してへん!」
雑誌をばっと取り上げて鞄に入れる和葉ちゃん。彼女の口ぶりからするに、きっと当たり前みたいに家に出入りしたりしてるんだろう。
(いいなぁ…。近くて)
「初恋でもないなら、なんであんたなん」
「え?」
「ずっと平次の近くにおったのはうちなのに…」
「…ぽっと出の私が平次くんと付き合ったのが納得出来なくて、必死に探しに来たんだ?しょうがないって思える理由」
「そっ…そうや!悪い?!ずっと好きやったのに!ずっと一緒におったのに!急に出てきたあんたと付き合うとか、そんなん納得出来ひんやん!」
「知らないよ、そんなの。ずっと好きだったならなんで伝えなかったの?ずっと一緒にいたらいつか付き合えると思ってたの?何もせずに?そんな訳ないじゃん」
私の言葉にかっとなった和葉ちゃんが、立ち上がりこちら目掛けて手を振り下ろす。けれど、その腕を蘭ががしっと掴んだ。
「私の友達に何してるの?」
「蘭…!」
「…ごめん。今のはうちが悪かった。帰るわ」
「あ、待って。和葉ちゃ…じゃなかった、遠山さん」
「なに?」
「一緒にご飯食べようよ。せっかく京都まで来たんだし。いい?蘭」
「私はいいけど…」
「な、なんのつもりなん?」
「さっきの雑誌、もう1回見せて欲しいなって。駄目?」
「…別にええけど」
「やった!ありがとう」
和葉ちゃんが、一度たった席に座る。蘭は私の隣に。さっき見せてくれた雑誌を鞄から出してこちらに差し出す。
「ありがとう。見て、蘭!小さい頃の平次くんが載ってるんだ」
「わ、本当。可愛いね」
「…あんたの言う通りやわ。何も伝えんで行動にも移さんで…私には、文句言う資格もない」
「慰めたりしないからね。いつでも会える距離にいて、部屋とか入り放題で親とも仲良しとか、超ずるいし。でも別に、平次くんにかず…遠山さんのこと悪く言ったりとか、するつもりもないから」
「…和葉でええよ。美衣ちゃん」
「あ、ほんと?平次くんが和葉和葉言うから、ついそっちが染み付いちゃって。ありがとう」
「平次、彼女にそんなうちの話するん?」
「めっちゃする。バカだと思う」
「確かに、それはバカやわ」
ふっと笑った和葉ちゃんは、可愛くて。こんな子がいつも傍にいるんだと思うと、やっぱりモヤモヤせずにはいられなかった。
「いい子でしょ、美衣」
「…せやね。あーあ!いっそめっちゃ嫌な子とかやったらよかったのになぁ」
「告白しないの?服部くんに」
「せんよ。ずっと幼馴染っちゅう立場に甘えて何もせんかったくせに、他の子のもんになった途端に告白なんて、出来ひん。うちはこれからも、平次の幼馴染でおる」
「そっか。あーあ。和葉ちゃんがもっと嫌な子だったら、もう服部くんに近づかないでって言えたのになぁ」
「ふふ。蘭ちゃんも気付けや。工藤くん、他の子にとられへんように」
「えっ!そ、そうだね…気をつける…」
トイレから戻ると、何やら仲良さそうに話す蘭と和葉ちゃん。その光景は、素直に嬉しいと思えた。