2 君という光
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「はっ…はぁ…!ごほっ…」
「…気の強い女は嫌いじゃねぇ」
呼吸が出来るようになったものの、体が思うように動かない。今度は床に片手で両手を押さえつけられる。
「警察の女は初めてだな」
「…元、だけどね」
「今から犯されるってのに抵抗ひとつしねぇのか。そうゆう趣味か?」
「命があるならそれでいい。好きにどうぞ」
「へぇ。いいな。気に入った」
にやっと笑ったピンガの手が下着を脱がせようとした時、勢いよくドアが開いた。そこには松田くんがいて。
「ま、松田く…」
「死にやがれクソ野郎」
彼の打った弾はピンガの頬をかすり、私の上から素早く退いた。すかさず拳を打ち込む松田くん。それを防ぐピンガ。見たことない程激しい殴り合い。
松田くんがピンガを引き付けてる間に、急いでスマホを手に取り電話をかける。
「赤井さん!ピンガです!私の店にいます!」
「ちっ!FBIか…!」
「よそ見してんじゃねぇぞゴミが!!」
「がっ…!くそが!」
ピンガが私の電話に気をとられた隙に、松田くんの拳が顔面に当たる。何がどうなってるのかわからないけど、お腹を殴られピンガが膝をついた。
(す、すご…松田くんってこんな強かったんだ…)
「おい。立てよゲス野郎。こんなんじゃ腹の虫が収まらねぇ」
言いながら、ピンガの髪を掴み立ち上がらせようする松田くん。初めて見る殺気に満ちた横顔に、やばいと思い叫ぶ。
「松田くん!もういいから!」
「あ?いい訳ねぇだろ。このクズはお前を犯そうと…おい、その首の跡…」
「え?」
「よっぽど死にてぇらしいな」
「ま、松田くん!駄目!」
私の首についた跡を見て、松田くんがピンガの首に両手をかける。急いで駆け寄るけど、力を弱める気配はない。ピンガの意識がなくなり腕がだらんと脱力する。
「松田くん!それ以上したら死ぬよ!離して!」
「死ぬべきだろ。こんなカス」
「ま、松田くっ…そんな奴の為に犯罪者になるつもり?!そんなの絶対許さない!!犯罪者の嫁なんて絶対嫌だからね!!」
「は…」
松田くんの腕にしがみつき叫ぶ。私の言葉に、手の力を緩めこっちを見た彼とやっと目が合う。
「…死んでない。気を失ってるだけだ…。やりすぎだよ、ばかやろー」
「…やり過ぎなもんかよ。今すぐにでも殺してやりてぇ」
その場に座り、怒りをなんとか沈めてるのだろう。ぎゅっと強く拳を握って俯く松田くん。声をかけようとした時、赤井さんと降谷くんが駆け付けてきた。
「堤!」
「無事か」
「降谷くん。赤井さん。はい。大丈夫です」
「そうか。こいつがピンガか。気を失っているようだが…」
「松田…その手…」
「そいつさっさと連れてってくれ、降谷。俺が殺しちまう前に」
「…ああ。落ち着いたら連絡してくれ」
「俺は念の為外で待機しておく。何かあれば声をかけてくれ」
「はい。ありがとうございます」
松田くんと2人きりになり、お店の中は静まり返る。よく見れば彼の手は血だらけになっていた。
「助けてくれてありがとう。松田くん」
「…助けられてねぇじゃねぇか!首締められたんだろ?!手首だってくっきり手形が残ってる!それに体もっ…!くそっ!」
「でも生きてる。私は生きてるよ、松田くん。松田くんのおかげで、ちゃんと生きてる。ありがとう。守ってくれて、ありがとう。来なくていいって言ったのに、来てくれて…私を愛してくれて、ありがとう…」
ピンガに殺されかけても、涙なんて出なかったのに。またこうして松田くんと話せることが嬉しくてたまらなくて、ボロボロと涙がこぼれる。
そんな私を、松田くんが抱きしめる。力強く、苦しいくらいに。
「止めてくれて、ありがとな。おかげでこれからも、お前を抱きしめられる…」
「うん…これからも、何度でも抱きしめてね」
「…消毒させろよ」
「バカなの?外に赤井さんいるんだよ。降谷くんだって連絡待ってるし」
「いいだろ、別に」
「良くない!松田くんの手も手当てしないとなんだから」
「ちっ…。じゃあキスだけ。それは譲らねぇ」
「ええ…もー、1回だけだ…」
言い終わる前に、唇が重なる。そっと瞼を閉じれば、やっとちゃんと呼吸が出来た気がした。君という光浴びて。
君という光