1 謎
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齢5歳。自分は転生者だと悟った。それからは推しの幸せの為に生きてきた。他の事も自分の事もどうでもいい。ただ、推しの幸せの為に。
そして齢17歳。見事、推しの救出に成功し、まぁなんやかんや色々あって、私は今日も元気に生きている。推しと大切な人達と、自分の幸せの為に。
「ふぁ…眠たすぎる…」
「おはよう。美衣ちゃん。遅くまで起きてたの?わかった。服部くんとラブラブ電話してたんでしょ」
「おはよ、お姉ちゃん。違うよー。もうすぐ文化祭でしょ。劇で蘭と工藤くんが主役やるから、園子とどんなラブストーリーに改変してやろうかってつい白熱して」
「なにそれ激アツじゃん!絶対見に行くー!」
「でしょ!来て来て!きっと事件も起きるし!」
「確かに!松田くん連れて行くね」
お姉ちゃんも転生者であり、自らが警察となり前世の記憶を頼りに警察学校組を無事死亡ルートから救出し、黒の組織を壊滅寸前まで追い詰めた。
私達の前世の記憶は、トロピカルランドで工藤くんを助けたあの日から、少しずつ確実に薄れていって。今は自分が転生者であることくらいしか覚えてない。
(たまに唐突に思い出す事もあるけど、なんか条件とかあるのかな)
「どうしたの?頭痛い?」
「あ、ううん。大丈夫」
「本当?無理しないでね。辛くなったら連絡して。いつでも迎えに行くから」
「うん。ありがとう、お姉ちゃん。今日もお店の準備?」
「そのつもり。やる事だらけだからね。でも子供の頃からの夢だったから、楽しいよ」
お姉ちゃんは先月、警察を辞めた。ずっとやりたかったカフェを開くらしく、今はその準備に大忙し。
「なにか手伝えることあったら言ってね」
「家の事やってもらってるし、充分だよ。あ、ほら!早く行かないと遅刻するよ!」
「はーい。行ってきます、お姉ちゃん」
「行ってらっしゃい」
毎朝見送ってもらえて、帰ればおかえりと言ってもらえる。それはとても幸せなことなんだと、最近知った。
「やっぱり抱き寄せて何も言わずにブチュッとやっちゃうのはどう?」
「待って園子天才じゃない?それでいこう」
「もう!だからしないってば!台本通りでいいの!」
「えー。そんなのつまんないじゃない」
「そうだそうだ〜」
「2人して〜。新一からも言ってやってよ」
「たかが文化祭の劇だろ?適当でいいって」
「工藤くんがさっさと告白しないから後押ししてあげてんのに」
「野々村、オメー…自分がうまくいってっからってなぁ。俺には俺のタイミングってのがあんだよ!」
どう見ても両思いなのに、なんのタイミングなのか。ロンドンのビックベンに行く時でも待ってるのか。
(…なんでロンドンのビックベン?もしかして前世ではそうだったのかな)
「おい、大丈夫か?頭痛むのか?」
「え?あ、いや、大丈夫」
「本当に?無理しないでよ」
「保健室行く?ちょっと休めば?」
「ちょ、ちょっと。本当に大丈夫だってば!みんなして心配しすぎ!」
「2回も倒れてる奴が何言ってんだ」
「結局、検査は何も異常なくて偏頭痛って診断だったもんね」
「いつくるかわかんないってのは厄介よね。ちゃんと薬持ってるでしょうね?」
「持ってるよ。平次くんに抜き打ちテストされるからね」
鎮痛剤が入ってるポーチを得意気に見せる。前世の記憶に紐づいてきっと私の偏頭痛は起こってるけど、それはお姉ちゃん以外誰も知らない。
「美衣さぁ、心配じゃないわけ?服部くんとは遠距離で、しかも蘭みたいな幼馴染がいるんでしょ?」
「和葉ちゃんね。確かに、幼馴染ってわかっててもやっぱり不安だよね」
「んー。でもそれはまぁ、お互い様というか」
「なんで俺を指差すんだよ」
「ああ…あんた、工藤くんオタクだもんね。むしろ服部くんのが心配か」
「服部くんの前で美衣が新一の事褒めてると、見てるこっちがハラハラしちゃうもんね」
「服部くんの為にも早く蘭と工藤くんが付き合ってくれるといいんだけど。ねぇ?美衣」
「ほんとそれ」
だからそんなんじゃないってば!なんて頬を染めて否定する蘭。間近で見てたら本当に解せない。この2人が付き合ってないなんて。
「園子は?最近京極さんとどう?」
「どうもこうも、日本にいないんだもん。真さん」
「また猛者を求めて外国に行ってるんだ」
「そうよ!連絡はしてるけど、全然会えないんだもん!浮気しちゃおうかしら」
「辞めとけ。死ぬぞ、その相手」
「間違いない。素手で脳天突き破られる」
「あんた達真さんをなんだと思ってんのよ」
「でも京極さんなら出来そう」
ここがあの犯罪蔓延る米花町だなんて忘れてしまいそうな程、最近は穏やかな毎日を過ごしている。
こんな時間がずっと続けばいいなんて、盛大なフラグを立てながら。窓の外へと視線を向けた。
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