4 胸がドキドキ
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ああ!美衣ちゃん!良かった!無事ね!」
「大家さん?どうしたんですか、そんなに慌て、て…?!」
なんだか騒がしいと思って向けた視線の先には、一部が真っ黒に焼け焦げたアパート。野次馬が沢山集まっている。
「すみません。警察です。何があったかお伺いしても?」
「あらま!警察の方?もう来られたの?さっき通報したばかりなのに」
「俺達は休みで偶然通りかかっただけだ。とりあえず、誰も中に入れてねぇな?」
「え、ええ。消防士さんも外から消火してらしたから…」
「怪我人は?」
「いえ…それが…中で1人、亡くなってるみたいで…」
「誰も中にいれんなよ!」
「野々村はここにいろ!」
松田さんと工藤くん、服部くんがすぐさま走り出してアパートの中へ消えて行く。私とお姉さんは顔を見合わせる。
「さすが米花町ってやつですかね」
「ううん。さすが死神工藤新一って感じ。非番の日に事件に鉢合わせたの初めてだもん」
「わー、さすが主人公だ」
「出来たね。引越しする口実」
「わー、ほんとだ。ナイスタイミング」
そんな話をしながら、野次馬の整備をしたり、大家さんに話を聞いたりしてると、目暮警部達がやって来た。
「おや、堤くん!今日は非番じゃなかったかね」
「お疲れ様です。目暮警部。はい。偶然通りかかったので」
「そうか。ご苦労。あとは引き継ごう」
「お願いします。あ、ちなみに中に、松田と工藤くん服部くんが…あ、出てきましたね」
「うむ。話を聞いてこよう」
工藤新一のままだから、現場に立ち入ってても怪訝な顔はされない。むしろ歓迎されてるようにも見えた。
「燃えてるのは1部だけみたいだし、荷物は無事そうだね」
「あ、はい。燃えて困るものも特にないですけど」
「え。ないの?何も?」
「はい。あ、制服は困るか」
「…美衣ちゃん。推しの幸せのために生きてるでしょ」
「はい。この命を捧げるつもりでした」
「わかるなぁ。私もそうだった」
「でも今は…もう少し自分を大切にしてみようかなって思ってます」
アパートの方に視線を向ければ、目暮警部と話してる工藤くんと服部くんと松田さんが見える。
「うん。いいと思う。自分を大切に出来ない奴に他人を大切に出来るはずがない。昔、私も松田くんにそう言われたなぁ」
「…あの、正直なとこ松田さんとはどうなんですか」
「え?!あ、いやぁ〜それは…」
「ガチ恋されてますよね?!羨ましすぎて禿げそうです!」
「でもほら、松田くんだけ本人がもう死ぬって思ってから助けてるから、その恩人的なあれもあると思うんだよね」
「でもその後のビンタで惚れたってさっき言ってましたよね」
「うぐ…。だって!私は警察学校組箱推しなの!1人に決めるとか無理!」
わっと両手で顔を覆うお姉さんに同志だとほっこりする。そして重大なことに気付く。
「ま、まさか、他の4人からも求愛を…?!」
「ないない!ないよ!」
「本当ですか?知らないだけじゃ…」
「だってほら、伊達くんは彼女いるし!降谷くんの恋人はこの国だし!萩原くんは基本女たらしだし!ヒロは恋愛?なにそれおいしいの?って感じだし!」
「後半2人怪しいですね」
「怪しくないよ!もうこの話終わり!」
頬を赤くして焦ってるお姉さん。なんて可愛いんだろう。前世でもさぞモテていたに違いない。
「紗奈。もう中入っていいってよ」
「あ、うん。もう解決したの?早かったね」
「おー。なかなかやるぜ。あの探偵共」
「知ってるよ。あ、松田くん。頬のとこ、汚れてる」
「あ?ここか?」
「違う。こっち」
お姉さんが松田さんの頬についた汚れを袖で拭う。その手を彼が掴んで、ちゅっと手の甲にキスをした。
「なっ?!なにしてんの!!バカ!!」
「悪い悪い。そっちから触ってくれるなんて珍しくて、嬉しくなっちまった」
「だから言い方!もう二度と汚れてても教えてあげない!」
「そんな怒ることねぇだろ。唇にしなかっただけ褒めて欲しいね」
「誰が褒めるか!次やったらセクハラで訴えるから!」
「へいへい」
好きな人に対する松田陣平を生で見れるなんて。思わず拝みたくなるのを堪えて2人を見守る。
「恥ずかしゅうないんか、あのおっさん」
「松田さん、大胆だな…」
「わかってるのは胸のドキドキだけって感じ…!推せる!」
「工藤、こいつは何を言うとんや」
「俺にもわかんねぇ。放っといていいぞ」
好かれて嬉しくないはずがない。怒りながらも頬の赤いお姉さんと、楽しげな松田さんを見て、恋って素敵だと思った。
胸がドキドキ