3 TRUTH ~A Great Detective of Love~
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「ほんとごめんね。どうしても着いてくるって聞かなくて…」
「よう。この前ぶりだな、工藤新一。で?なんの用があって貴重な休みにこいつを家に呼び出しやがった」
明らかなる喧嘩腰で、松田さんが工藤くんに詰め寄る。私服でもサングラスかけてるんだな、なんて思う。
「ど、どうも。松田さん。いえあの、家に呼び出したっていうのは少し語弊が…俺はただ捜査状況を知りたくてですね」
「家に呼べ言うたんは俺や。ここが1番、他のやつに聞かれる心配も盗聴の心配もあらへんやろ」
「あ?なんだこのガキ」
「西の高校生探偵、服部平次くんよ。昨日目暮警部から聞いたでしょ?大阪から捜査協力で来てるって」
「ああ、なんか言ってたな。親父さんが警察のお偉いさんなんだろ?いいねぇ、親が偉いと警察にもデカい顔出来て」
「あ?なんやと?」
「ちょっ、松田くん!やめなよ!」
「服部も落ち着け!」
そういえばここの2人が絡むのを見るのは初めてだ。明らかに混ぜるな危険って感じの空気。
「お前も同じだ。工藤新一。目暮警部がやけに贔屓してるみてぇだが、所詮はまだ高校生。ただのガキだ。調子のって出しゃばってくんじゃねぇよ」
「松田くん!言い方ってもんがっ」
「ガキが出しゃばって何が悪いですか。工藤くんのおかげで解決した事件がいくつもあるのは事実です。事件を解決したい気持ちは同じなのに、子供だからという理由で戦力を手放すのは、バカのやることかと」
「ああ?誰がバカだこの小娘」
「工藤新一はただの高校生探偵じゃない。世界を股に掛ける名探偵です。絶対に、協力して損はありません」
「…そうなのか?工藤新一」
「…今はまだ、その道の途中ですが、いつか必ずなります。世界を股に掛ける名探偵に。損はさせません、松田さん。俺達に協力させください」
松田さんはふっと笑ってワシワシと工藤くんの頭を撫でる。空気の緊張感が溶けたのがわかる。
「ガキが偉そうに。嫌いじゃねぇぜ、そうゆう奴」
「あ、ありがとうございます」
「何カッコつけてんのよ!あんたはいつもいつも!言い方ってもんがあるでしょうが!」
「いって!!何しやがる!」
お姉さんが勢いよく松田さんの腹にグーパンチをおみまいする。
「ごめんね。松田はつまり、こう言ってたの。危ないから未来ある君達が首を突っ込むことはない。大人の俺達に任せとけって」
「いや、それは嘘やろ。どう見てもバカにしとったでこのおっさん」
「誰がおっさんだ!!まだ29だっての!」
「吠えないの。じゃあお邪魔します」
「おい、色黒小僧。俺はお前のことは認めてねぇからな」
「認めてもらわんくて結構や。尊敬出来ひん大人になんてな」
「やるか?この野郎」
「ええで。やったるわ」
「やるかバカ!これ以上邪魔するなら伊達くん呼ぶからね!」
「いって!なんで俺だけ殴られんだよ!」
「あんたが先にふっかけたからに決まってる」
2発目のグーパンチをくらって、ようやくみんなで来客室へと向かう。姫なんて素敵って思ってたけど、割と大変そうだ。
「おい、探偵坊主。なかなかいい女だな、彼女か?」
「違いますよ、幼馴染です。松田さんこそ、堤刑事と付き合ってるんですか?」
「いいや。俺は愛してるけどな」
「そ、そうですか…」
「にしても、彼女じゃねぇのにあんな惚れ込ませて、罪な男だな。工藤くんよ」
「いや、そんな…俺は何も、してないんですけどね」
「なんだよ、悩んでんのか?お兄さんが話聞いてやろうか」
「いえ、遠慮しときます」
どうやら松田さんは工藤くんを気に入ったようで、肩に腕を回してこそこそと話している。眼福だ。
「私、お茶入れて来るね」
「あ、おう。悪い。頼んだ」
「じゃあ私も手伝うよ」
「俺が手伝うわ。刑事さんは工藤達と先行っといてええで」
「そう?じゃあ、そうするね」
1人キッチンに向かう私の後を、服部くんがついてくる。なんというか、意外だ。彼も薬について聞きたいだろうに。
「私、1人でも平気だよ?服部くんも話聞きたいでしょ」
「後で工藤に聞くから大丈夫や。俺おらん方があのおっさんも話すやろうしな」
「…意外と冷静だね」
「ムカつくけど、あのおっさんの言うたこと別に間違ってへんしな。俺の親父が偉いのも、そのおかげで捜査協力に潜り込めてんのも事実や」
「そっか」
「けど、親父が偉いっての立派な強みのひとつや思とる。それを上手く利用するのが悪いとは思わへんし、親父が偉いのと俺の推理力は関係ないしな。でもまだ、大阪府警本部長の息子っちゅう見方されてんのは事実で、それは俺の力不足や。せやからいつか絶対、なったんねん。親父の名前なんてオマケくらいの名探偵に」
夢を語る服部くんの瞳は、とても力強くて。それだけは、誰にも奪えはしないから。小さく笑って言う。
「なれるよ。だって服部くんは、工藤くんの相棒で親友だもん」
「…だから、知らんわ!お前の妄想は!人がせっかく真面目に話しとんのに!」
「失礼な!私だって至って真面目に答えてるよ!」
「それで工藤の名前出すあたり、やっぱ気色悪い奴やわ。あー、アホらし。さっさと茶入れよ。あのおっさんのだけむっちゃ甘くしたろ」
「致死量の砂糖…間違えないようにソーサー違うの使おう」
「お前もなかなか悪やな」
「工藤くんにイチャモンつけたからその報復」
「おー、怖。さすが工藤オタク」
ひとつだけ激甘コーヒーを加えた人数分のコーヒーを用意して、それをおぼんに乗せて来客室へと向かった。
TRUTH ~A Great Detective of Love~