8 光と影のロマン
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京極さんの恩師に会うため訪れた大阪。案の定、そこでは黒帯がなくなる事件が起きたし、園子は風邪をひいて強制送還された。
そして、私達が服部くんに会うべく次に向かったのはまさかのテレビ局。
「競技かるた大会の会見かぁ。よかったの?私達までお邪魔しちゃって」
「かまへん。このテレビ局のお偉いさん、探偵好きでな。工藤が来る言うたら是非呼んでくれ言われてん」
「幼馴染がかるた部なんだっけ?」
「ああ。今回呼ばれたんは皐月会に所属しとる部長の方なんやけどな」
「から紅だ…」
間違いない。あの映画と同じ。工藤くんはコナンくんじゃないし、小五郎さんもいないから、所々は違うけれど。
「なんか言うたか?」
「あ、いや。何も」
「美衣!せっかく服部くんに会えたんだから、もっと何か話しなよ」
「そう言われても…特に話すことないし」
「もー!またそんな事言って」
こそっと声をかけてきた蘭が呆れた様子でため息をこぼす。正直、それどころじゃない。これがあの映画と一緒なら、このテレビ局は爆発する。
(それで、服部くん達が逃げ遅れて屋上に行って、コナンくんがそれを助けて、服部くんが飛び降りたコナンくんをキャッチからの川にダイブ…あのシーン良かったな。じゃなくて!)
今ここにいるのはコナンくんじゃない。つまり、伸縮サスペンダーもない。もしこのまま映画通に服部くん達が屋上に追い詰められたら。
(…駄目だ!阻止しなきゃ!そもそも、なんで逃げ遅れたんだっけ?思い出せ、私!)
「…い、おい!聞いとんのか!」
「え?!あ、ごめん!聞いてなかった!」
「みたいやな。もっぺん言うたる。この2人がかるた部の部長の枚本来未子と部員の遠山和葉や」
「初めまして」
「よろしゅうな!」
「あ、初めまして。よろしくお願いします」
「んで?お前の幼馴染は?」
「はいはーい。平次の幼馴染はうちやで」
「え?!お、幼馴染って女の子だったの?!」
「なんや。別に珍しゅうないやろ。あんたと工藤もそうやし」
「そ、そうだね…」
何やらショックを受けている蘭が、みんなが歩き出した後、またもこそっと話しかけてくる。
「大丈夫だからね!私は美衣を応援してるから!」
「え?あ、うん。ありがとう」
何を応援されてるのかわからなかったけど、前世の記憶を辿るのに必死でとりあえず頷いた。その後、会う人みんな映画で見た事あるのに、どんな事件で誰が犯人なのかは全く思い出せない。
(確かお姉さんも言ってた…絶対知ってるこの事件って思うのに、大事なとこの記憶だけ思い出せない事が最近よくあるって)
それはもしかして、私達があの日。運命を大きく変えてしまったことに関係があるのだろうか。
「…、野々村!」
「わぁ?!推しのどあっぷ!」
「オメー、大丈夫か?ここ来てからずっとなんか考え込んでるみてぇだけど」
「うん。平気。あれ?みんなは?」
「もう行っちまったよ。俺らも行こうぜ」
「うん…」
収録部屋から出ようとして、ふと目に入った皐月会のカルタ。そうだ。部長さんがあのかるたを守ろうとして、服部くん達も逃げ遅れるんだ。
「野々村?どうした」
「ちょっとトイレ行くから先行ってて」
「おー。迷うなよ」
「大丈夫。すぐ追いつく」
そして数分後、爆破が起きテレビ局はパニック状態になる。工藤くんからの電話を無視して、かるたを持ってたエコバッグの中に入れて、外へと向かう。
(いた!服部くん達だ!)
「かるた!皐月会のかるたが!」
「ちょっ、来未子?!」
「ちょお待て!」
「部長さん!かるたは私が持ってます!早く避難を!」
「本当?!ありがとう!」
「行くで来未子!」
「あんたも!もっと早う走らんかい!」
「うわぁ?!」
服部くんに腕を引かれ、転けそうになりながらも走って何とか外へと避難する。部長さんも和葉ちゃんもいる。
「美衣!!良かった!無事で!」
「服部が見つけてくれたのか?ありがとな」
「いや、助かったのはこっちの方や」
「本当だ!かるたは無事ね!ありがとう、野々村さん!」
「あんたすごいやん!まるで爆発すんのが分かってたみたいやわ!」
「いやいや、ただの偶然…」
「おい、野々村。どうした?」
「あ、ううん。ちょっと、目眩がしただけ」
「煙吸ったか?どっか怪我は」
「だ、だいじょ…ぶ…」
言いながら、ぐわんぐわんと世界が回り、私は意識を失った。最後に感じたのは、頭を打たないように支えてくれた誰かの手の感覚だった。
夢を見た。競技かるた大会の決勝会場。そこがまた爆発されて、和葉ちゃんを助けに服部くんがそこに向かって、それで。
「バイクでジャンプだ!!」
「美衣!目が覚めたのね!よかったぁ!」
「蘭!今どのへん?!」
「ど、どのへん?ここは病院だけど…」
「あー、えっと!服部くん!服部くん達は?!」
「新一と服部くんは、事件の捜査に行ってるけど…あ、そうそう!美衣が倒れた後、大岡紅葉って子が現れてね!服部くんを未来の旦那さんなんて言うの!」
「うん!それで?!」
「和葉ちゃんがそれに怒って、部長さんにあんな女に絶対負けへんでよってもうすごい剣幕で」
「待った。和葉ちゃんは大会出ないの?」
「え?うん。大会に出るのは部長さんだけって言ってたよ」
なんて事だ。私のせいで。いや、そもそもが全て私のせいではあるのだけど。決勝に行った人が、もしかしたら部長さんが、死ぬかもしれない。
「止めなきゃ…」
「え?」
「ごめん、蘭!私行かなきゃ!」
「行くってどこに?!ちょっと、美衣?!」
こんなとこで寝てられない。急いで近くにあった自分の鞄を引っ掴んで、病室を飛び出した。