7 羽
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「じゃあ真さん、夏はその海の家をてつだってるの?」
「はい。是非遊びに来てください。旅館もありますので」
すっかり打ち解けた園子と京極さん。2人を微笑ましく見守りながら、工藤くんと蘭の邪魔もしてはなるまいと、目の前の服部くんに視線を送る。
「え、早っ。もう食べたの?」
「あんたが遅いんやろ」
「服部くんが早いんだよ」
「なんや。ニヤニヤしおって」
「そういえば、そうゆうとこ好きだったなって思って」
映画のワンシーン。不味っと言ったカレーを一瞬でたいらげていた服部くん。それを見た時、彼らしくていいなと思った。前世で。
「ん?どうしたの。変な顔して」
「そうゆうとこ好きだったって、美衣、前にも服部くんとご飯食べたことあるの?」
「え?…あ、あるよ!あるじゃん!ほら!工藤くん家で!」
「あー、そういやそうだな」
「なんで過去形やねん。遠い昔みたいな紛らわしい言い方しおって」
「今はもう好きじゃねぇんじゃねぇの?」
「それはそれでなんか腹立つわ」
「違う違う!その時に思ったんだったなって今思い出したってだけ!今も好きだよ!」
やばいと思って焦って弁解したせいで、なんだか私が服部くんのことを好きだと告白したみたいになってしまった。
「だとよ、服部」
「相変わらず変な奴やな。いちいちそんなこと言わへんやろ」
「そんなことないよ。私はいつも工藤くんへの愛を言葉にするし、蘭と園子にもそうゆうとこ好きだと思ったらそう言う」
「そうだっけ?」
「そうなの!蘭の強いのにオバケが怖いとこ可愛くて好きだし、園子の普段強気なのにいざ迫られると急に乙女になるとこも可愛くて好き」
「ちょっと!何暴露してんのよ、美衣!」
「あ、ごめん!でももうバレてると思う!」
なんとか誤魔化せて胸を撫で下ろす。一旦気を引き締めようとトイレに立つ。
「よかったな、服部。好きだってよ」
「飯食うのが早いのがやろ。しょうもない」
「けど美衣、お前のおかげでもう少し自分を大切にしないとって思ったって言ってたぜ」
「は?なんでや」
「幸せになろうとしないなんて卑怯だって言われて、そうかもなって思ったんだと」
「ほーん…」
「服部くん、良いこと言う〜!美衣が新一以外の男の人と仲良いの初めて見るし、案外本当に好きなのかも」
「いや、別に仲良くはないで。今日も工藤がタダ飯食えるて言うから来ただけやし」
「でも、美衣はそう思ってないかもしれないよ」
トイレを出ると、降谷さんが手招きしているのが見えた。近付くとカウンター越しに声を潜めながらメモを渡される。
「堤から話は聞いてるよ。すまないけど、僕のことは安室って呼んでくれ」
「はい。安室さん。これは?」
「僕の連絡先。何かあったら連絡してくれ。堤よりは繋がると思うから」
「わぁ…心強いです。ありがとうございます」
「どういたしまして。それじゃ、楽しんで」
貰ったメモをポケットにいれてペコッと軽く頭を下げてみんなの元へ戻る。一部始終を見てたらしい服部くんが言う。
「ナンパでもされたんか?」
「ううん。連絡先くれた」
「マジでされとんかい。未成年に手出すんは犯罪やぞ。あの色男」
「心配してくれてるんだと思う。お姉さんに私の事情聞いたって言ってたし。なんかお父さんが出来た気分」
「…ほれ」
「ん?なに?」
「俺の連絡先や。知っとった方が何かと便利やろ」
「教えてくれるの?ありがとう」
テーブルに置かれた服部くんのスマホに映し出された番号を登録する。メッセージアプリにも服部平次の名前が出てきた。
「服部くんは優しいね。嫌いな人に連絡先教えてくれるなんて」
「まぁ、多少改心したみたいやしな。前ほど嫌いとちゃうわ」
「そうなの?改心って言っても、まだ思ってるだけで何も出来てないんだけどね」
「思うことが大事やろ。自分がこうしたいってのがハッキリしとかんと、何したらええか分からんし」
「確かに。自分を大切にする為に、デザートも食べようと思う!」
「それはただ甘やかしとるだけな気するけど、まぁええわ。好きにせぇ」
「自分を大切にする為に、好きなものについて語りたいと思う!工藤くんについて語り合おう」
「嫌や。それ言うたらなんでも許されるわけとちゃうからな」
いい作戦だと思ったのに、残念だ。仕方なくデザートを注文する。
「そういえば、服部くんはいつ大阪に帰るの?」
「なんや。早う帰って欲しいんか?」
「逆だよ。帰っちゃうの寂しいなって」
「…寂しいんか?」
「うん。だって工藤くんと服部くんは相棒で親友だから!」
「やっぱ嫌いや、お前」
「ええ!なぜ?!」
「美衣ってば…いい感じだったのに〜」
「服部も大人気ねぇな。気持ちはわかるけどよ」
服部くんにはまたも嫌われたけど、運ばれてきたデザートがとても美味しくて。今度はお姉さんと来ようと思った。