6 一秒ごとに Love for you
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「なんっでお店がポアロなのよ」
合コン当日。気合いの入った格好の園子が私を睨みながら言う。
「美味しいじゃん、ポアロ」
「そうゆう問題じゃないの!特別感がないでょうが!」
「まぁまぁ園子。気疲れしなくていいじゃない」
「いいわ。任せた私も悪かった。でもね、これはさすがにおかしいでしょ?!なんでこいつ等がここにいるのよ!」
「人を指さすんじゃねぇよ」
「やかましい姉ちゃんやのー」
「合コンメンバーです」
「ふざけんなぁ!!何が悲しくて人の旦那と合コンしなくちゃなんないのよ!」
人数合わせなら誰でもよかった。でもよく考えたら、私に男友達なんていないわけで。その結果、工藤くんと服部くんを呼び出した。
「服部、悪いな。付き合わせて」
「タダ飯食わせてくれんやろ?工藤はあれか?あの姉ちゃんが他の男と飯食うんが嫌で来たんか?」
「うっせ。悪いかよ」
「私もう帰る!!」
「待って園子!あと一人来るから!その人が大本命だから!」
「本当でしょうね?これでクラスの男子とか来たら殴るからね」
「ちょっと美衣、大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、蘭。そろそろ来ると思うから、ね、園子。座って」
しぶしぶ席につく園子。そのタイミングを見計らったかのように、お店のドアが開いた。
「おや。君達は…」
「やだ!イケメン!!」
「あ、安室さんお帰りなさい。買い出しありがとうございました」
「いえ。今日の予約は工藤くん達でしたか」
「はい。合コンだそうです」
「へぇ。それにしては、見慣れた顔ばかりのような気がしますが」
「ちょ、ちょっと工藤くん」
「ん?どうした」
「いつ降谷さんと知り合ったの?」
入ってきたのはエコバッグを持った降谷さん。まだ出会ってないと思ってたから、視線を向けられた工藤くんに耳打ちする。
「宮野と話した時だけど…オメーこそ、なんで降谷さんのこと知ってんだ?しかも本名で」
「そ、それは、あれだよ。お姉様に聞いて…」
「ふーん」
「安室さん、先日はサンドイッチありがとうございました。父も喜んでました」
「いえいえ。それはよかった。服部くんと工藤くんには毛利さんのお宅にご挨拶に行った時に会ったし、そっちの子達は、初めましてだね。安室透です。よろしく」
「あ、はい。初めまして。野々村美衣です」
「鈴木園子でーす!」
服部くんと工藤くんには毛利探偵事務所で会ったっていうのは、初対面じゃない口実作りだろうか。偶然だろうか。なんにせよ。
(見たかった…!そのシーン…!)
「あんたが今何考えてるか当てたろか」
「…服部くんの意地悪。わかるなら呼んでくれたらよかったのに」
「なんで俺がそんな面倒なことせなあかんねん」
「くぅ…正論…!」
「ねぇ、美衣。まさか安室さんじゃないよね?最後の1人って」
「違う違う!もっと園子にお似合いの…あ!来たよ!京極さん!」
お店に入ってきた京極さんに手を振る。ぺこっとお辞儀をする彼は緊張しているのか、顔が強ばっている。
「え、怖…何?あの人なの?」
「うん。園子の王子様」
「初めまして。本日はお招きいただきありがとうございます。京極真です」
「京極…真…あー!!どこかで見た事あると思ったら!無敗の帝王!」
「な、なにそれ。めちゃくちゃ強そう」
「めちゃくちゃ強いのよ!美衣が知り合いなんて知らなかった!」
「や、知り合いじゃない。話したの2回目」
「え?!そうなの?!」
「それでよく来たな、自分」
「あ、はい。その…是非話してみたい方がいると聞いたので」
服部くんにそう言われ、正直にそう言う京極さんの視線は園子に向けられる。ほんのり赤い彼の頬。
「えっ?!あ、あたし!?」
「きゃー!やったじゃない!園子!」
「マジかよ…信じられねぇ…」
「工藤くん、京極さんの前で園子のこと悪く言ったら死ぬよ」
「お、おう。気をつける」
「話してみたいっちゅうことは、その姉ちゃんをどっかで見かけたとかか?」
「はい。この前空手の都大会で友人を応援する姿を見て、その、すごく、可愛らしい方だなと…」
「あの時の!?園子ー!すごいよ!」
「う、うそぉ…」
「マジのやつじゃねぇか…」
京極さんの嘘偽りない言葉と態度に、園子は真っ赤になって放心している。そんな彼女にこそっと耳打ちする。
「園子、京極さんは本気だよ。精一杯覚悟して」「か、覚悟…?」
「そう。愛される覚悟」
「へあ…」
顔を真っ赤にして、今にも湯気が出てしまいそうな園子。でも同時にとても嬉しそうにも見える。素直に、羨ましいと思った。
一秒ごとに Love for you