20 ハッピーエンド
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「え。黒羽、やっぱり怪盗続けるの?」
「おう。紗奈さんがキッドを必要としてる人はまだ沢山いると思うって言ってくれてさ。天使がそう言うんならやるしかねぇだろ」
得意気に笑ってそう言う黒羽。確かにお姉が言いそうだなと思ってると、すかさず工藤くんと服部が口を挟む。
「ついにキッドも監獄行きだな」
「ああ。あのキザなコソ泥のマヌケな姿全国に流したろか」
「お、おいおい、探偵諸君。目が怖ぇって」
「あ、そっか。一応敵ってことになるの?怪盗と探偵は」
「まぁ単純に考えればな」
「キッドは怪盗の中でも特殊やし、一度は共闘した仲やからなぁ」
「お前ら…!」
「でもやっぱ捕まえるべきじゃね?」
「せやな。こそ泥はこそ泥や」
「おい!感動を返せよ!!」
詳しくはわからないし、今目の前にいる仲良しな3人が私には全てだと思ってサンドイッチを頬張る。
「ま、やれるもんならやってみな。探偵諸君。今の俺はもっと凄いぜ?勝利の女神がついてるんでね」
「相変わらずキザやのー」
「天使なのか女神なのかどっちかにしろよ」
「その冷めた目やめろっての!」
「あ、お姉。おかえり」
「ただいま。今日も賑やかだね」
「紗奈さん」
「邪魔しとんで」
「こんにちは」
「こんにちは。いらっしゃい。ね、黒羽さん。食べ終わったなら一緒に買い出し行きません?」
「喜んで。あなたとならたとえ火の中水の中」
「ふふ。そこのスーパーです。行ってくるね」
「行ってら」
お姉と黒羽に手を振って見送る。とっくに食べ終わってコーヒーを飲んでた工藤くんが立ち上がる。
「んじゃ、俺も先帰るわ」
「え。もう帰るの?なんか用事?」
「バーロー。気きかせてやってんだよ。またな」
「おお。あざっす。またね〜」
工藤くんが飲んでいたコーヒーカップの横にはお代がぴったり置いてあった。やっぱり似てると思いながらカップを片付ける。
「なんや嬉しそうにしおって」
「コナンくんと同じだなって思って。にしても黒羽まだキッドするのか…」
「嫌か?」
「え?いや、全然。お姉は怪盗の彼女になるんだなって。かっこいいよね」
「そうか?探偵の彼女のがかっこええやろ」
「うーん。やっぱりヒーローの彼女が1番かっこいい」
「喧嘩売っとんのかコラ」
「あ、そうだ。服部、ケーキ食べる?」
「は?ケーキ?」
冷蔵庫から小さなホールケーキを取り出す。冬休みにら会えるからと何もしなかったクリスマス。
「過ぎちゃったけど、クリスマスプレゼントに。服部の喜ぶもの料理以外に思い浮かばなくて」
「…おおきに。嬉しいわ。写真撮っとこ」
「よかった。甘いもの好き?」
「美衣が作るもんなら何でも好きや」
「…ありがと。私も服部の為に作るの好き。ちなみにこのケーキの名前はシンプルイズベスト」
「まんまやんけ。いただきます。…美味!こんな食いやすい生クリームあんねんな」
「ふふん。こだわりました」
「天才か。隣座りや。一緒に食お」
言われた通りカウンターに座る彼の隣の席に腰かける。ケーキをひと口サイズに切り分けてフォークをこちらに差し出す服部。
「ほれ。美味いで」
「…美味いのは知ってる」
「あーんくらいで恥ずかしがんなや。特訓したんちゃうんか」
「無念」
「おいコラ諦めんな。さっさと口開け」
「うう…鬼畜の所業」
「何がやねん」
恥ずかしくて目をつぶって差し出されたケーキをパクッと食べる。程よい甘さが口に広がっていく。
「うん、天才だ」
「ほな次は美衣の番やで」
「え…やるんですか?私が?あーんを?」
「当たり前やろ」
「当たり前とは」
「ほら、さっさとやらんかい」
「ええ…じゃあ、あの、せめて目を閉じていただいて…」
「逆に恥ずいわ」
「そ、そっか。では、ご賞味ください…」
「献上物ちゃうねん」
頭を下げながら差し出したフォーク。不服そうだけどちゃんと食べてくれた服部が、私の手からフォークを奪いテーブルに置く。
「目つぶり」
「えっ…こ、ここお店だよ?まだ営業中だし…」
「わかっとるわ。せやから早う」
「は、はい」
ぎゅっと目をつぶる。キスされるんだとドキドキしてたけど、唇に何かが触れる感触はないまま。首元に何かが触れた。
「もうええで」
「え?あ、これ…ネックレス?」
「おう。遅なったけどクリスマスプレゼント」
「用意してくれてたんだ…ありがとう。あ、この形もしかしてジャスミン?わぁ!ジャスミンのネックレス?嬉しい!」
「やっぱりあんたにピッタリやな、その花」
「…花言葉、知ってる?」
「知らん言うてるやろ」
「そこは頑ななんだ」
首元に手を当ててネックレスに触れながら緩む顔。その手を服部が握って、顔を上げると同時に優しく唇が重なった。
「さっきキスされると思ってたやろ?」
「…あれは服部が悪い」
「さすがに営業中の店で盛ったりせぇへんわ」
「今したじゃん」
「それは可愛すぎる美衣が悪い」
「…可愛いですか」
「アホほどな」
1番かっこいいのはヒーローの彼女だけど。1番幸せなのは服部の彼女かもしれないと思いながら、そっと彼の手を握った。
ハッピーエンド
(あれ。田中さん、今休憩中だってよ。ほら、ドアに札が)
(そんなん出来たのか。しゃーない。また後で出直すか)
(これは貸しにしとくぜ、探偵さんよ)
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