20 ハッピーエンド
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「それで鼻血出して何も出来なかったのか?服部可哀想〜」
「刺激強すぎたんだよ。こちとらまだ初期装備なのに、中ボスと戦えるわけない」
外はすっかり冷え込んで、温かいものがよく出るようになった。出来たての冬限定スイーツを黒羽の前に置く。
「新作。漆黒の闇に染まりしものたち」
「チョコフォンデュだろ?ダセェ名前つけやがって」
「かっこいいだろがい。黒羽はどう?ついにお姉と付き合って」
「控えめに言って天使だな。可愛さが止まることを知らねぇ」
「だろうね。家でも毎日花飛ばしてる」
あの夜。帰ってきたお姉はとても幸せそうに黒羽さんと付き合うことになったと教えてくれた。その時に貰ったらしい赤いバラは栞にして持ち歩いてるとか。
「そういや今日はお姉に会いに来たんじゃないの?今は家にいるよ」
「もちろん会いに来たけど、今日は人と待ち合わせしててさ」
「黒羽、服部以外に友達いたんだ」
「いるわ!友達っつーか、従兄弟だけどな」
「黒羽の従兄弟?へぇ。仲良くなれるかな」
「なれるさ。野々村なら」
コミュ力は高い方ではないと思うのだけど。もしかしてその従兄弟もヤイバーが好きだったりするのだろうか。
「お、噂をすれば」
「いらっしゃいませ〜」
「こんにちは。野々村さん」
「…こんにちは」
「悪い。待たせたか?黒羽。蘭の奴の話がなかなか終わらなくてよ」
「会って早々惚気かよ」
「ば、バーロー。そんなんじゃねぇよ」
お店に入ってきた同い年くらいの男の子。黒羽によく似てる顔立ち、そしてどことなく、コナンくんにも似てる気がする。
「こいつがさっき言ってた従兄弟」
「工藤新一です。はじめまして」
「あ、どうも」
「野々村さん達のことは黒羽や服部からよく聞いてて、ずっとお会いしてみたいと思ってたんです」
「服部とも知り合いなの?」
「はい。服部とお付き合いしてる事も聞いてますよ」
「顔は黒羽と似てるけど、性格は似てないね」
「そうか?猫かぶってるぞこいつ」
「被ってねぇよ。指差すな」
初めましてなのに、何故か初めて会った気がしない。黒羽が言ってたのはこうゆうことだったのだろうか。
「工藤くん、バナナジュースにする?それともコーヒー?」
「え…」
「あ、ごめん。なんか似てるなって思ってたからつい。うちの神様に」
「神様ですか」
「うん。ほら、あそこに飾ってある写真の男の子。コナンくんっていうんだけど、工藤くん、雰囲気がその子になんか似てるなって」
「…そっか。神様に似てるなんて光栄だな」
「あの坊主ほど可愛げはねぇけどな」
「うるせぇよ。じゃあバナナジュースお願いします」
「あいよ」
バナナジュースを出して美味しいと工藤くんが褒めてくれる。お姉がお店に戻ってきて、黒羽が嬉しそうに手を振る。
「紗奈さん!」
「黒羽さん、来てたんですね。あれ。そちらの方は…ご兄弟ですか?よく似てる」
「初めまして。工藤新一です。黒羽とは従兄弟で」
「従兄弟さんでしたか。黒羽さんとお付き合いさせていただいてる、野々村紗奈です。よろしくお願いします」
「ご丁寧にありがとうございます。黒羽のことでなにか困ったことがあればいつでも言ってください」
「おいこら工藤!人の彼女口説くなよ!彼女にチクるぞ!」
「口説いてねぇよ。心が狭いんじゃねぇの」
「んだと〜?」
賑やかだなと思いながら、お姉と顔を見合せて笑う。工藤くんと黒羽は夜のピークが始まる前に、帰って行った。
また来ますと笑った工藤くんは、やっぱりコナンくんに似てると思った。
「ああ、確かコナンと工藤も遠い親戚やとか言うてた気するで」
「やっぱりそうなんだ?美形の血筋だなぁ」
その夜。服部と電話で工藤くんがお店に来たことを話した。どうやら来ることを知ってたようで。
「美形…まぁそうやな。工藤のおかん、大女優の藤峰有希子やし」
「へぇ、女優さんなんだ」
「おとんは売れっ子推理小説化や」
「すご。勝ち組遺伝子」
「かっこよかったか?工藤は」
「え?うん。かっこよかったよ」
「ほーん。そらよかったな」
「私は服部の顔のが好きだけどね」
「お、おお。ならええわ」
「あ、もしかして今のヤキモチだった?」
「掘り返すなアホ。恥ずいやろが」
思った通り、前よりも寂しさは増したけど泣いてはいない。離れてても服部が私を思ってくれてることが伝わるから。
「またいつか3人で来てね。ここに服部がいたらもっと楽しいのにって今日思ったし」
「おん。すぐ行くわ。冬休みなったら、工藤ん家泊めてもろてしばらくそっちおるつもりやし」
「え!本当?!嬉しい!じゃあまたたくさん食べに来てね!」
「そない嬉しいか?」
「うん!超嬉しい!」
「素直か。どちゃくそ可愛ええな。前の続きリベンジしたろ」
「こ、今度は、鼻血出さないように特訓しとく」
「どんな特訓やねん」
電話の向こうでふっと笑う服部。その顔が見たくて、早く冬休みになればいいとカレンダーにハートマークをつけた。