15 文化祭
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「こちら秋の新作、栗が繰り出す美味しさの暴力」
「いや美味そうだけど名前!相変わらず独特だな」
9月半ば、季節限定メニューが完成した頃。服部から文化祭に来ないかと誘いがあった。
「マロンパフェじゃつまらないと思って」
「誰もメニューの名前に面白さ求めてねぇっての。それで?行くんだろ?服部んとこの文化祭」
「行く。お姉も一緒に」
「マジかよ!んじゃ俺も行くわ」
「え。なんで」
「文化祭っつーのはな、そのイベント感をダシにしてナンパする野郎がうじゃうじゃいんだよ!そんな所に紗奈さんを放り込めるかってんだ」
「ふーん。黒羽とお姉ってまだ付き合わないの?」
頻繁に連絡も取り合ってるみたいだし、休日にはこうしてお店に会いに来て。今度3回目のデートに行くらしいけど。
「うっせぇな。色々あんだよ!つーか、そっちこそ。服部とどうなんだよ。文化祭誘って来るってことはお前に会いたいって事なんじゃねぇの」
「違う。服部が誘ってくれたのは私が行ってみたいって言ったからだし。黒羽が思うような事はないよ。友達だもん」
「嘘つけ。俺の薔薇は早々に枯らしたくせに、服部からもらったジャスミンはこまめに手入れしてた上に、ドライフラワーにしたんだって?それで友達は無理があんだろ」
「…お姉のおしゃべり」
「嬉しそうだったぜ、紗奈さん」
ちゃんと手入れしてたのに、数日で枯れてしまって花の命はなんて短いのかと思った。せっかく花瓶も買ったし、でも生花はすぐ枯れるからとジャスミンの造花を飾ってある。
「私たぶん、服部の親友になりたいんだと思う」
「はぁ?」
「黒羽が送ってほしいくれた写真観て、コナンくんが羨ましかった。服部、コナンくんのこと大好きだから」
「いや、まぁ…それはそうだろうけどよ。それでなんで親友になりたいって思うんだよ」
「友達の上は親友かなって」
「そこは彼女になりたいじゃねぇの?」
「彼女?無理無理。服部と手繋いだりキスしたりするってことでしょ?恥ずか死ぬ」
「いやだからそれが……そういや服部も恋愛に関しちゃガキみてぇだって探偵ボウズが言ってたな…ある意味お似合いか」
お店じゃない場所です隣に座るのさえ、あんなに恥ずかしかったんだから。それ以上なんて無理に決まってる。
「え?黒羽さんも文化祭に?」
「うん。お姉が心配だからついて行くって」
「私が心配?なんでだろ」
「お姉、可愛いから。絶対声かけられるからって」
「ええ?そんな事ないのに…でも、黒羽さんが来てくれるのは有難いかも。美衣はあっちついたら、服部くんとまわるんでしょ?1人は寂しいなって思ってたから」
「え?なんで?別に服部とそんな約束してないけど」
「なんでって…美衣は誘われたんだから、そうなのかなって」
「違うよ。誘ってくれたのは私が行きたがってたからで。服部はきっと友達とまわるでしょ」
彼の学校の文化祭なのだ。友達と過ごさなくても、彼と一緒に過ごしたい子はきっとたくさんいるだろうし。私は文化祭に行けるだけで、満足だ。
ー文化祭、黒羽も行くことになった
服部にそうメッセージを送ると、数分後、電話がなる。彼はメッセージを打つのが嫌いなのか、返事の代わりに電話をかけてくる事が多い。
「もしもし」
「なんであいつが来んねん」
「え。お姉が心配だからって。駄目だった?」
「ああ、姉ちゃんと来る言いよったな。それなら別にええわ」
「うん。どれなら駄目だったの」
「は?そりゃ自分、2人きりやったらに決まっとるがな」
「ああ。変な誤解をうむといけないもんね」
「まぁ、そうゆうこっちゃ」
姉は割とそうゆうの気にしそうだし、妹として姉の恋愛を邪魔する訳にはいかない。服部も黒羽の恋を応援してるんだろう。
「服部のクラス、何やるの?」
「お化け屋敷や。なかなかのクオリティやで」
「すごい。楽しそう。服部、おばけやるの?」
「ああ。フランケンシュタインの被りもん被ってな」
「頭になんか刺さってるやつだ」
「10時から1時間はおばけやっとるけど、それ以降はフリーやからついたら連絡せぇよ」
「うん。わかった」
思ったよりも寂しくないのは、服部のくれたジャスミンと、この電話のおかげかもしれない。そう思いながら、壁に飾ってあるドライフラワーを見つめた。