14 神様からの贈り物
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すっかり体調も良くなって、1週間。夏休みが終わり、黒羽が毎日のように来る事もなくなったけど。
「いらっしゃいませ。あら、田中さん!少しお久しぶりですね」
「いやぁ、ちょっと腰をやっちまってさ」
「ええ。それは大変でしたね」
姉は特に寂しがる様子も、元気がない様子もなく、いつも通り笑顔で働いている。
「美衣、ランチAセットひとつね」
「あいよ」
私は私で、カウンターの隅。服部のくれたあの花を花瓶にいけて飾ってある。それを見ると元気が出るおかげか、割と平気にやってる。
「お客さんもいないし、そろそろ閉めよっか」
「うん。そうだね」
「じゃあ私、CLOSEにしてくる」
夕方。そろそろ閉店しようと姉が表にかけてある札を変えるべくドアを開けると、ちょうどそこにはコナンくんが立っていた。
「コナンくん!いらっしゃい!」
「こんにちは。もう閉めちゃう?」
「ううん。少し空気を入れ替えようかと思っただけよ。どうぞ」
「ありがとう」
「いらっしゃい少年。今日は1人?」
「うん。ちょっと近くに来たから寄ったんだ」
カウンター席に座るコナンくんはランドセルを背負ってて、本当に小学生なんだな、なんて思った。
「快斗兄ちゃんに熱出たって聞いてから、会ってなかったから。もう大丈夫?」
「ばっちり。心配してくれてありがと。アイスコーヒーでいい?」
「うん。ありがとう」
「コナンくん、チーズケーキ余ってるんだけど食べない?」
「あ、でも今そんなにお金持ってなくて」
「もうレジ締めちゃったからお金は貰えないの。ね?美衣」
「うん。このままじゃ廃棄だから食べてくれると助かる」
「いいの?じゃあ食べようかな。ありがとう。紗奈お姉さん、美衣お姉さん」
コナンくんの前にアイスコーヒーとチーズケーキを置く。姉と自分のアイスカフェラテもいれて、軽く乾杯する。
「今日もお疲れ様でーす」
「わーい。お疲れ様」
「やっぱり閉店するとこだったよね。ごめんなさい」
「何を言うか。コナンくんはうちの神だから。いつでもウェルカム」
「うんうん。いつでも来てね。コナンくんはもう弟みたいなものだと思ってるから」
「そ、そう?ありがとう。そういえば、この花瓶新しいね」
「お。さすが探偵くん」
「可愛いでしょ?この花ね、美衣が服部くんに貰ったんだって」
「え。平次兄ちゃんに?」
少し驚いてるコナンくんの問いかけに頷く。服部が花を贈るイメージ私もなかったから、その反応はよくわかる。
「へぇ…。ジャスミンだね」
「すごい。コナンくん花も詳しいの?」
「基礎知識くらいだけど。でも、花言葉はわかるよ」
「花言葉?」
「うん。花にはそれぞれ花言葉があって、告白の時とかよく使われるんだ」
「へぇー。そんなのあるんだ」
「ジャスミンの花言葉は、愛らしさだよ」
「そ、それって服部くんは美衣のこと、愛らしいって思ってるって事よね?!」
「いやいや、お姉。服部もきっと花言葉なんて知らないよ」
「そうかなぁ。平次兄ちゃん、探偵だよ?花言葉くらい知ってそうだけど」
コナンくんの言葉に、押し黙る。服部が実は賢くてとても物知りなのは、もう知ってる。顔が火照るのがわかる。
「やだ、美衣ってば照れちゃって可愛い!」
「やめてお姉。恥ずか死ぬ」
「ちなみにジャスミンはペルシャ語で神様からの贈り物って意味なんだって」
「…基礎知識とは」
「コナンくん、すごく物知りね。小学生とは思えないわ」
「あ、あはは。有名な花だから」
本当に服部が花言葉を意識してジャスミンを贈ってくれたのかは、わからないけど。もしそうなら、この可愛らしい花が似合うような人になりたいと、そう思った。
神様からの贈り物