14 神様からの贈り物
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「…おーまいが」
服部が帰る日の朝。今度は私が熱を出した。リビングのソファに横になってると、起きてきたお姉が心配そうに顔を覗き込む。
「美衣、体調悪いの?」
「熱出た、ごめん」
「大変!今日はお休みね!待ってて、すぐ食べれそうな物買ってくるから」
「あ、お姉。もうひとつ頼みたいことが」
「なに?」
「花瓶、買ってきて欲しい。これに合うやつ」
昨日服部に貰った1輪の花の写真を姉のスマホに送る。本当は自分で選びたいけど、枯らしては元も子もない。
「わかった。買ってくるね」
「ありがとう」
姉が家を出て数分後、スマホにメッセージが届く。黒羽からだ。
ー熱出たって?お大事にな
お店が休みになるからと、きっと姉が教えたんだろう。スタンプを返そうと思ってると続けて写真が送られてきた。
(あ、服部とコナンくん…そっか、見送りに行ってるんだ)
駅の改札前で話してると服部とコナンくんの写真。しゃがみこんでコナンくんと話してる服部の顔はとても楽しそうで。
(いいなぁ、コナンくん…)
熱でぼーっとする頭でそんな事を思う。黒羽にスタンプだけ返して、目を閉じた。
いつの間にか眠っていたようだ。いい匂いに目を覚まして、ゆっくりと体を起こす。
「あ、美衣。起きた?うどん食べれそう?」
「うん。食べる」
「よかった。ゼリーとかアイスとかもあるからね。あ、あとこれ!頼まれた花瓶!」
「わ、可愛い。あの花にピッタリ。さすがお姉。ありがとう」
「実は店員さんに聞いて選んでもらったの。ほら、最近近くに花屋さん出来たじゃない」
「ああ、あの角のとこの」
「そうそう!それで、あの、言いたくなかったらいいんだけど…その花、服部くんから貰ったの?」
「え?うん」
「きゃー!やっぱり!」
嬉しそうに姉が口に両手を当てて叫ぶ。頭に響くなぁと思いながらもそんな姉も可愛いからゆるす。
「あのね、あのね!そこの店員さんに送ってくれた写真見せたら、昨日自分が包んだやつですって言ってて」
「あ、そうなんだ。確かに、お店でなんか安くなってたって言ってた」
「え?別に安くなかったと思うけど…それに、それを買った男性のお客さん、すごく真剣に悩んでたって言ってたよ!」
「え…そうなの?」
「うん!声かけたら、花なんて贈るの初めてだからって!すごいじゃん、美衣!」
「…うん」
なんだか、また熱が上がったようだ。顔が熱いしふわふわする。でも不思議と気分は悪くなかった。
「って、ごめん。具合悪いのにはしゃいじゃって。うどん、すぐ持ってくるね」
「ううん。教えてくれてありがとう、お姉」
うどんを食べて薬を飲んだら、自室に戻ってまた眠りに着いた。次に目を覚ましたのは、4時前。
(スマホ、メッセージきてる…服部だ)
ー生きとるか?
その一文がこんなに胸をくすぐるのは、なんでなのか。生きてる、と返信をするとすぐ既読になって、電話がかかってきた。
「もしもし」
「熱下がったか?」
「測ってないけど、たぶん」
「夏休み最終日に熱出すとかついてへんな」
「うん。お店休むなら見送り行きたかった」
「アホ。よう寝て早う治せ」
「寝てたよ、さっきまで。黒羽がね、写真送ってくれたの。服部とコナンくんの。可愛かった」
「あのクソ生意気なガキが可愛ええやと?」
「違う。服部が」
「はぁ?熱で頭おかしゅうなったんちゃうか」
そうかもしれない。だって電話越しに聞こえる服部の声に、心臓がいつもより早く動く。だけどそれすら、心地よかった。