11 最高の調味料
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「そういえば美衣お姉さん、快斗兄ちゃんがキッドって知ってたんだね」
「まぁ、知ったというか隠す気あった?って感じだけど」
たっぷりバニラアイスをのせたクリームソーダを3人分作り、それを飲みながらそんな話をする。
「出会いが出会いだったもんね」
「うん。マジシャンって怪盗も出来るんだね。勉強になるわ」
「他に思うことあらへんのか。怪盗やぞ?警察に突き出そうとかないんか?」
「それ特大ブーメランだよ、平次兄ちゃん」
「やかましわ!しゃあないやろ!あいつは怪盗やけど、俺らの仲間でもあんねんから!それに、根っからの悪っちゃう訳とちゃうし」
「うん。私も同じ。黒羽が何者でも、私のお客さんで友達だと思ってる。本物の悪って、肩書きなんか関係ないと思うし」
「…ほんなら、俺は?俺のことは、なんやと思うてんねん」
「服部はお客さんで友達で家庭教師だよ」
「多いわボケ」
なんかまた不機嫌になってる。どこに怒りスイッチがあるのか全くわからない。首を傾げてるとコナンくんがにこやかに聞いてくる。
「美衣お姉さん、僕は?」
「コナンくんはお客さんで友達で、客を呼び込む神」
「神は神でも、こいつは事件を呼び込む死神やけどな」
「平次兄ちゃん、八つ当たりはよくないよ」
「なんやとこのガキ」
「コナンくんと服部はやっぱり探偵繋がりで仲良くなったの?」
「うん。平次兄ちゃんが僕のとこに殴り込みに来たんだよ」
「まじか。私と一緒じゃん」
「おいこら。どっちも殴り込んでへんわ」
クリームソーダを食べ終えても、姉と黒羽は戻って来ない。これはもしかして本当にお持ち帰りされてしまったのか。
「あ、電話だ。僕ちょっと外で話してくるね」
「…好きな人からかな」
「あの顔はちゃうな」
「顔でわかるの?すご」
「お前も姉ちゃんならなんとなくわかるやろ」
「確かに。ところで服部、まだ食べれそう?」
「アイスはもういらんぞ」
「違う。たこ焼き」
「は?!なんで早う出さへんねん!食うに決まっとるやろ!」
「よかった。はいどうぞ」
保温機に入れていたたこ焼きを服部の前に置く。嬉しほうに頬張るその横顔。なんだかすごく久しぶりに見た気がする。たった数日なのに。
「…それを作る時は、服部の顔しか浮かばなくて。だから、お土産にあげようと思ってたんだけどみんないないし、ちょうどいいと思って」
「…俺の顔しか浮かばへんかったって?」
「うん。もう私の中でたこ焼き=服部になっちゃってて」
「ほーん。そらいい気味やわ」
「…これであなたもご機嫌たこ焼きだ」
「別に機嫌悪くないっちゅうねん」
「嘘だ。さっきもなんか怒ってたじゃん」
「怒ってへん。おもろないだけで」
「そんな常時面白さを求められても困る」
「そうゆう意味ちゃうわボケ」
じゃあどうゆう意味だと思ったけど、とりあえず今はご機嫌のようだし別にいいかと聞くのは辞めた。
「ご馳走さん。やっぱ美衣の飯が1番やな」
「嬉しい。明日は何食べたい?」
「せやな。明日は…どっか食べに行かへんか?」
「え。それは、もう私のご飯に飽きたってこと…?」
「アホ。なわけあるか。そうやなくて、この前の埋め合わせ、まだ出来てへんし。今日こんだけご馳走作ってもろたし、感謝の意味もこめて、一緒に飯行こ言うてんねん」
「…デートってこと?」
「わざわざ恥ずい言い方すんなアホ」
「行く。ありがとう、服部」
「おー。勉強はわからんとこあったらいつでも連絡してきてええから」
「うん。わかった」
埋め合わせでも感謝故のお誘いでも、人生初めてのデート。嬉しくて少しくすぐったいような、そんな心地がした。
「あれ。探偵坊主。何してんだドアの前で」
「あ、快斗兄ちゃん。紗奈お姉さん。おかえりなさい。ちょっと電話してて」
「遅くなってごめんね。ほら、中入って美衣に美味しいデザート作ってもらお」
「うん。…おい、黒羽。さっき手繋いでたろ。上手くいったのか?」
「いや、まだ次のデートの約束しただけ」
「あ、そ。あー、俺も早く戻りてぇ」
「安心しろよ名探偵。次は俺が、お前に恩を返す番だ」
「ああ。頼りにしてるぜ。天下の大泥棒さん」
「2人ともー!入口で何してるの?早く入っておいで!」
姉の呼び掛けに黒羽とコナンくんもお店の中に入ってくる。既にバニラアイスはお腹いっぱいであろう服部とコナンくんに喜んで食べてもらえるデザートを作るべく、キッチンへ向かった。
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