10 ころころこころ
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病院にたこ焼きの差し入れ持ってきてる人なんて、きっと私だけだ。なんて思いながら送られてきた病室のドアをノックする。
「入ってええで」
「こんにちは」
「待っとったで、美衣!わざわざ来てもらってすまんな」
「元気そうじゃん。なんで入院してんの?」
「ああ、ちょっと腕やら足やら撃たれてもうて。傷塞がるまで安静にしとけ言われてん」
「撃たれた?!大事じゃん!大丈夫なの?!」
「見ての通り元気や。けど、病院きた時スマホ手元になくてな。今日やっと毛利の姉ちゃんに届けてもろてん」
「…探偵って、そんな危険な仕事なんだ」
拳銃で撃たれるなんて、日本に普通に住んでたらまず遭遇しない。私の言葉に服部は何故か漁ったように言う。
「別にいつもドンパチやっとる現場におるわけとちゃうで?!今回がたまたまそうゆう大きな事件やったっちゅうだけで!」
「そっか。じゃあやっぱり、持ってきてよかった」
たこ焼きの入ったビニール袋をベットに備え付けてあるテーブルの上に置く。
「お疲れ様、服部」
「…おお。おおきに」
「そんな大仕事終えた後ならもっと豪華なもの食べさせてあげたかった。退院してからやらせて」
「ホンマか。言うたな?本気にすんで?」
「うん。期待していいよ」
「…あんた、ええ女やな」
「…褒めてる?」
「他に何があんねん」
「いや、大阪人ジョーク的なのかと」
「ちゃうわボケ」
少し照れくさそうな服部が割り箸を割って、たこ焼きをひとつ口の中へ。目を見開き今までで一番大きな声を出す。
「うまっ!!なんじゃこれ!」
「ふふん。でしょう。もっとちゃんとした設備があればまだ上に行けると思うけど、家庭用じゃそれが限界かな」
「いや充分すぎるやろ!なんや?!何入れたんや!どうやって作っとん?!オカンにレシピ教えたってくれ!」
「お、落ち着いて服部。とても満足な反応だけどちょっと声が大きすぎる」
「おい、服部!うっせぇぞ!廊下まで声響いてるっての!」
ガラッと勢いよくドアを開けて入ってきたのは黒羽。予想通り、彼も入院着を着ている。
「お、美衣!来てたのか」
「黒羽。君はなんで入院してるの」
「いやー、ちょっと腹に穴空いちまってさ」
「穴っ?!」
「あ、いやもう塞いでもらったし弾も貫通してっから大丈夫だぜ」
「いや、そうゆう問題じゃ…まぁ怪盗ならそうゆう事もあるのか…」
「そうそう。怪盗やってっと色々…って、え?!」
「おまっ…知っとったんか?!」
黒羽と服部が驚いた顔をしてこちらを見ている。確かに私は滅多にテレビやSNSを見ないけど。
「知ってたっていうか、わかるでしょ。最初うちに来た時の格好、まんまそうだったし」
「そっ、それは…まぁ、そうなんだけどよ…」
「そもそもキッドっちゅう存在を知らへんのかと思ってたわ」
「知らなかったよ。昨日まで。偶然、街中のテレビで見て、あれ黒羽じゃね?ってなった」
「ほれみぃ。お前が派手に立ち回るからやぞ」
「しゃあねぇだろ。あいつ等を誘き出すためにはああするしかなかったんだから」
「メッセージ既読にもならないから、ちょっと心配してた。元気そうで安心したよ、黒羽」
「美衣…。悪ぃな。スマホ、3日前に壊れちまってさ。まだ新しいの買えてなくて」
「おい、ちょお待て。なんで黒羽には連絡してんのに俺にはなんの連絡もせんかったんや」
不服そうな顔で服部が言う。なんでと言われても。そもそも黒羽に連絡したのもお姉が熱を出したからで。
「いやだって、特に用もなかったし」
「あ、そーでっか」
「え?なに?黒羽、服部なんで怒ってるの?」
「さぁ?それより、紗奈さん、体調どうだ?」
「もう熱も下がって元気そうだったよ。あ、そうだ。スマホ壊れてたならお姉が熱出たの、どうして知ってたの?」
「ああ、探偵坊主から聞いたんだ。偶然、探偵坊主の友達に会って話したんだろ?」
「あ、話した。歩美ちゃん。なるほど。そこから」
「あ!黒羽さん!またあなた!!安静にしてって言ってるでしょ?!傷が開いたらどうするの!」
「げ、やべ!すんませーん。すぐ戻ります」
看護師さんに見つかって、黒羽はそそくさと病室を出て行く。巡回に来た看護師さんも出て行って、再び服部と2人。
「コナンくんも同じ病院なんだね」
「おー」
「3人でドンパチの現場行ってたの?」
「悪いか」
「ううん。3人とも無事でよかった」
「…なに小学生危ないとこに連れてっとんやって、言わへんのやな」
「ん?まぁ、私はコナンくんの保護者じゃないし、コナンくんが自分の意思じゃなくそんな危ないとこに行くとは思えないし。やっぱり、3人とも無事でよかった。それに限るよ」
「…そうか」
「あ、てことは慰労会は黒羽とコナンくんも呼びたい」
「好きにせぇ」
何を怒ってるのかさっぱりわからない。だけど、たこ焼きは綺麗に完食してくれたから、それでいいと思った。
ころころこころ