6 休日
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(困った…どこだ?ここ)
来た道を帰ればいいと思ってたのに、迷子になってしまった。ナビに頼るかとスマホを取り出すと、ちょうど服部から電話がかかってきた。
「はい。もしもし」
「あ、美衣か?すまんかったな。すぐ戻る言うたのに長いこと放ったらかしにしてもうて」
「え?あ、うん。別にいいけど」
「そうやんな。怒るのも無理な…え?い、いいって…怒ってへんのか?」
「うん。ヤイバーのショー見れたし。あ、動画撮ったから後で送る」
「…撮らへん言うてたのに」
「そのつもりだったけど、服部見れなかったし一応と思って。あ、すみません」
電話しながらここが何処か手がかりを探すべくキョロキョロして歩いてたから、人とぶつかりそうになってしまった。
「今何処や」
「いやー、それが迷子みたいで。ナビを開こうとしたら服部から電話きて」
「目印になるもんあるか?」
「目印…アポロって看板が見えるよ。喫茶店かな」
「…お前、それ家と反対方向やんけ」
「マジか。てかそれだけでわかるの凄くない?有名な店なの?アポロ」
「有名っちゅうか、よう知っとるだけや。すぐ行く。そこで待っとれ」
それだけ言うと電話は切れた。待っとけと言われた以上、待つしかない。わざわざ来てくれるなんて服部は優しい。
(あ、ポアロってお店から誰か出てきた。店員さんかな)
「失礼。お嬢さん、待ち合わせですか?」
「あ、はい。すみません。店の前で。邪魔ですよね」
「いえ、大丈夫ですよ。もし良かったら店内で待たれてはと思いまして。ちょうどシフォンケーキが焼き上がったところなので」
「え。食べたい。入ります」
「ありがとうございます。待ち合わせの方がわかりやすいように、窓際の席にどうぞ」
店内に入り、窓際の席で焼きたてのシフォンケーキとカフェラテを楽しんでると服部の姿が見えた。
(あ、気付いた)
私を見つけて服部も店内へ入ってくる。他には目もくれずこちらへ歩いて来て、隣に座った。
「何食うとん?」
「シフォンケーキ。焼き立てだよ」
「いらっしゃい。服部くんじゃないか」
「どーも。アイスコーヒー頼むわ」
「はい。すぐに」
「知り合い?」
「おー。言うとくけどあの男は辞めときや。あんたの手には負えへんで」
「確かにイケメンだけど、私は服部の顔のが好きだな」
「なっ…何を言うてんねん!さては奢ってもらおうって魂胆やな?!騙されへんぞ!」
「え?いや、普通にタイプなだけだけど」
何故か固まってる服部の前にアイスコーヒーが運ばれてきて、それをがっと掴んで一気に飲んだ。よほど喉が乾いていたんだろう。
「麦茶の方がよかったんじゃないの」
「…お前、あれか。俺の事、かっこええと思うとんのか」
「ん?うん。黒羽といい服部といい顔面偏差値高いよね。コナンくんもきっと将来イケメンになるよあれ」
「…黒羽と俺やったらどっちがタイプや」
「服部」
「ほーん。見る目あんな、自分」
「…めっちゃ嬉しそうじゃん」
ニマニマしてる服部。そんな喜ぶなんて、今まで言われたことないんだろうか。
「動画、おおきに」
「ああ、どういたしまして」
「あと、今回放置してもうた埋め合わせ、今度させてくれ」
「え?なんで?」
「なんでもや。あんたが良くても俺の気がすまん」
「真面目なんだね」
「あんたが緩すぎるだけとちゃうか」
シフォンケーキを食べ終わり、カフェラテを飲み終えると服部が伝票を持って立ち上がる。
「私のいくら?」
「ええわ。奢ったる」
「え。マジで?やった。ご馳走様でーす」
「どうでした?シフォンケーキ」
「あ、美味しかったです。ご馳走様でした」
「それは良かった。是非また服部くんとお越しください」
「安室さん、余計なこと言わんでええねん」
「ああ、これは失礼。ありがとうございました」
にっこりと笑う店員さんに見送られながら、お店を出る。ケーキもコーヒーもここ最近で1番美味しかったな、なんて思ってると服部が口を開く。
「なんや美衣のコーヒーが飲みたなってきたわ」
「…最高の殺し文句」
「ん?なんか言うたか」
「ううん。何も」
何気なく呟いたその言葉がどれだけ嬉しいか、きっと服部は知らないだろう。気分良く、彼の少し後ろを歩いた。
休日