5 意外な一面
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「正直、お姉は断るかと思った。黒羽のデートの誘い」
「で、デート、なのかな?やっぱり」
お風呂上がり。ストレッチ中の姉は恥ずかしそうに顔を赤らめてそう言う。
「どう見てもデートじゃん」
「ええ…どうしよう。緊張しちゃう…」
「いつも通りで大丈夫だよ」
「そ、そうだね」
「何でOKしたの?」
「…私、黒羽さんには正直あまり良く思われてないのかなって思ってたの」
「え?なんで?」
「だってほら、美衣にはすごくフランクに親しげに話すのに、私にはまだ敬語だし、お店に来るのもいつも私がお昼を食べに自宅にもどるタイミングだし…」
それは、姉を意識してるから故であって。お店に来るタイミングはただ単に、忙しい時間帯を避けてくれてるだけ。
「私には、お姉を意識してるようにしか見えないけど」
「う、うそ…」
「満更でもないんだね」
「…うん。男の人って今までガサツで強引で、苦手だったけど…黒羽さんはとても紳士で一緒にいても怖くないから」
「私にはただの男子高校生って感じにしか見えないけど、同じ黒羽で合ってる?」
「だから、私はてっきり距離を置かれてるのかなって」
「逆だって。好きな人には良く見せたいもんじゃん。自分を隠してでも」
「すっ好きな人って…それは言い過ぎじゃ…」
言い過ぎも何も、事実なのだけど。私からそれを伝えるのは違う気がして麦茶と一緒に言葉を飲みこむ。
「なんにせよ、日曜日はお互い楽しもう」
「そ、そうだね。久しぶりの休みだし」
会話を切り上げて、自分の部屋へ。日曜日は何を着ていこう。ワクワクしながら、その日を待った。
「え?風邪?」
「おん。友達の1人が熱出てもうたらしくてな。仲間外れは可哀想やからみんな明日のショーに行くんは辞めるんやと」
「そっか。それは仕方ないね。友達思いのいい子達だ」
服部がお店に来てそう教えてくれたのは、土曜日。凄く残念だけど事情が事情なだけに、思いの行き場がない。
「…連れてったろか?ヤイバーのショー。楽しみにしとったんやろ」
「え?」
「まぁ、1人で行く言うならそれでええけど。俺は別にヤイバー好きとちゃうし」
「行きたい!一緒に!行ってくれるの?!」
「お、おお…。ええけど…」
「ありがとう!私めっちゃ方向音痴だから助かる!!あ、でもコナンくんに悪いかな」
「ああ、そら気にせんでええわ。あいつ別に仮面ヤイバー好きとちゃうし」
「え、そうなの?」
「友達が好きやから付き合うとるだけ言うてたで」
相変わらず大人な対応してるな、なんて思いつつ。一度行けないと落ち込んだのもあって嬉しさが隠せない。
「服部、口は悪いけど優しいよね。本当にありがとう」
「口は悪いは余計じゃ。いつも美味い飯食わせてもろとるからな」
「…今後タダで食べられるように恩売ろうとしてる?」
「どアホ!んな事するか!お前俺をなんやと思うとんねん!」
「あはは。冗談だって。でもこうも毎日来てご飯食べてちゃお金なくならない?」
「ああ、それは大丈夫や。バイト代割とあんねん」
「へぇ。なんのバイト?」
「オンライン家庭教師や」
驚いた。勝手に服部は頭のいいタイプじゃないと思ってたから。家庭教師のバイトするなんて、実はかなり頭が良いのでは。
「服部って、賢いの?」
「おいこら。失礼なこと考えとるやろ」
「うん。正直バカかと思ってた」
「正直過ぎじゃボケ。探偵やぞ?バカに務まるかいな」
「え?!服部って探偵なの?!」
「なんや。知らんかったんか。あー、そういや工藤があんた等姉妹はテレビも新聞も見ぃひんって言うとったな」
「う、うん。え?そんなテレビや新聞に出るほど有名なの?」
「まぁそこそこな。大阪やったらもっと有名や」
なんてこと。人は見かけによらないってまさにこれだ。赤点常習犯でサボり魔だと思ってごめんと心の中で謝罪する。
「ねぇ、服部!私の家庭教師もやらない?」
「は?」
「私、通信で高校の勉強してるんだけど、分からないこと多すぎて…お金なら払うから!そんなたくさんは、無理だけど…」
「金はいらん。勉強くらいいくらでも見たるわ」
「え?!本当に?」
「その代わり、メニューにたこ焼き入れてや。お好み焼きでもええで」
「それはちょっと…あ、じゃあ家で作るんでもいい?お店が終わった後になるけど」
「あんなぁ、女しかおらへん家にホイホイ男あげたらアカンで」
「…意外。そうゆうのちゃんとしてるんだ」
「お前…ほんま俺をなんやと思うてんねん」
閉店後、店の中で勉強を見てくれるとゆう事で話はついた。帰っていく服部を見送りながら、まずはたこ焼き器を買わなければと思った。
意外な一面