5 意外な一面
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「せやから、さっさと告ってまえ言うとるやんけ」
「バーロー。まだ出会って2週間だぞ?気まずくなるだけに決まってんだろ」
「とりあえずデートに誘えばいいんじゃない?」
「…君達さ、うちの店を自宅のリビングと思ってない?」
カウンターに並んで座る服部と黒羽とコナンくん。おにぎり片手にそう聞けば全員がキョトンとした顔をする。
「超お得意様に何を言うてんねん」
「まぁ確かに自分でも来すぎだろって思うけど…」
「忙しい時間帯は避けてるつもりなんだけど、迷惑だった?」
「ああ、いや。来てくれるのは大歓迎だよ。ちゃんとお金払ってくれるし。そうじゃなくて会話がね。一応私、黒羽の愛しの人の妹なわけでして」
「いっ、愛しの人ってお前なぁ…小っ恥ずかしい言い方すんなよ」
「否定はせんのやな」
「うっせぇ」
「今紗奈お姉さん、お昼中でいないし、美衣お姉さんはいい人って知ってるから」
小学生に笑顔でいい人なんて言われるほど、自分は素敵な人ではないと思うけど。悪い気はしない。
「自分、黒羽とあんたの姉ちゃんの距離縮めるのに、なんかええ案ないんか?」
「うーん。そもそもお姉と恋愛の話したことないし」
「マジで?だって絶対モテるだろ」
「まぁそうだね。でも、興味ないからってその類の誘いは全部丁重にお断りするんだよね。毎回」
「ふーん。本当に興味ないのかな」
「どうだろ。そこまでは知らない」
「あんたはどうなん?」
「私?私は彼氏いるよ」
「えっ?!」
「いるのか?!」
まさかそんなに驚かれるとは。3人とも身を乗り出してこちらを見てる。もぐもぐと口を動かしながらスマホを取り出す。
「これ。私の彼氏」
「…はぁ?仮面ヤイバーやんけ」
「そう。子供の頃から好き」
「なんだ…彼氏ってそうゆうこと?」
「驚かすなよ…」
「紛らわしい言い方しおって」
「なんかごめん」
やれやれといった様子で椅子に座り直す3人。テレビの中で悪と戦う仮面ヤイバーを見て、一瞬で好きになったのを今でも覚えてる。
「ねぇ、美衣お姉さん。仮面ヤイバー好きなら、この日曜日一緒にヤイバーのショー見に行かない?元太達と行く予定なんだ」
「行きたい!けど、日曜日にお店閉めるのはちょっと」
「あ、そっか」
「この店って不定休なんだよな。今月休んだのか?」
「いや、まだ」
「働きすぎとちゃうか?たまには息抜きしたってバチ当たらへんで」
「んー。でも、お姉はヤイバー好きじゃないし」
私だけの都合でお店を休みにするのは申し訳ない。そんな私を見て、コナンくんが提案してくれる。
「じゃあ、こうすれば?美衣お姉さんがヤイバーのショーを見に行く時間に、快斗兄ちゃんが紗奈お姉さんをデートに誘えば、2人とも用事が出来るでしょ?」
「お、そらええ案やな。工藤」
「お、おいおい!ちょっと待てよ!断られたらどうすんだ?!」
「そこは断られないように頑張って。快斗兄ちゃん」
「丸投げじゃねぇか!」
「黒羽。お姉は甘いものに目がない」
「…わかったよ!誘うよ!けど断られても文句言うなよ?!」
黒羽の言葉にグッと親指を立ててみせる。タイミングよく、お姉が2階に上がってきて、ほのかに緊張感が漂う。
「あ、みなさん。いらしてたんですね」
「邪魔しとんで」
「こんにちは、紗奈お姉さん」
「ど、どうも」
「こんにちは。すっかり常連さんになっていただいて、嬉しいです」
「お姉。黒羽が話あるって」
「え?話?何でしょう」
「あ、その…もし、よければ…この日曜日、一緒に出掛けませんか?」
「え…それは、2人で、ですか?」
「え、ええ。嫌でなければ。甘いものが好きと聞いたのでアフタヌーンティーにでも」
「アフタヌーンティー?!素敵!あ、でも…」
お姉がチラッと私の方を見る。これはもしかしなくても行く気だ。そう思って早口で説明する。
「偶然。私その日、コナンくん達と仮面ヤイバーのショーに行きたいなって話してて。お姉も出掛けるならお店休みにしたらどうかな?今月まだ一度も休んでないし」
「あ、そうなの?美衣も出かける予定があるなら、いいかもね。じゃあ、黒羽さん。ご一緒させてください」
「は、はい!では日曜日、10時頃に迎えに来ますので、軽めのランチを食べてアフタヌーンティーに向かいましょう」
「わざわざ家に迎えに来てくれるんですか?お店の近くで待ち合わせでも…」
「いえ、迎えに来させてください。僕がそうしたいので」
「じゃ、じゃあ…お言葉に甘えて…」
少し頬を赤らめて頷くお姉。あんな顔初めて見た。驚くと同時に、仮面ヤイバーのショーを見れる嬉しさに思わずガッツポーズした。
「感情ダダ漏れか」
「ショー見るの初めてで、つい」
「彼氏に会うんやもんな?」
「うん。超楽しみ」
「からかったつもりが、真に受けられた上に無邪気に笑うから不意打ちでときめいたって顔だな?服部」
「…やかましわ。人の心読むなボケ」
日曜日は、仮面ヤイバーに会える。画面越しでしか見たことのなかったヒーローに。久しぶりに、胸が踊った。