19 ことのは
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「攫われて睡眠薬で眠らされた?!やっぱり呪われてるのよ、あの遊園地」
「そうかもな…。けど、無事でよかったぜ。今後はもっと警戒心持てよ、野々村」
「はい。もう知らない人について行きません」
大学でいつものようにみんなで昼ご飯を食べながら、トロピカルランドでの話をした。事件に巻き込まれたとか私的にはなかなかの大事だけど、2人にとっては違うようですぐに話は切り替わる。
「ところで…その服、服部くんのよね?」
「えっ?!」
「あー、確かに着てたの見た事ある。なんで美衣が着てるの?」
「野暮なこと聞くなや堤」
「昨夜はお楽しみだったって事だな?」
「やめろ黒羽。広げんな」
「ははーん。お泊まりしてやっちまったって事ですか」
「堤!そうゆうのはわかっても口にすんなっての!」
「工藤って意外とピュアだよな」
「ええ。笑えるでしょ」
そう。昨日あの後、観覧車を降りた私達は離れがたくて。手を繋いだままトロピカルランドを後にして、平次の家に向かった。
冷凍食品のパスタを食べて、ずっと身を寄せ合って他愛のない話をして。泊まっていけばいいとゆう彼の提案に頷いた。
「おま…下履いてないんか?」
「うん。平次のスウェット大きすぎて。あと、乾燥まだ終わってなくて、下着もつけてない」
「んなっ……ま、まぁ、そうやんな。ほな、俺はソファで寝るわ。美衣はベット使ってええで」
「え!?一緒に寝ないの?」
「そら、寝たいけど…お前そんな格好やし、我慢出来る自信あらへん」
「…我慢、しなくていいよ?」
まだ可愛い下着は買えてないけど、つけてないのだから見られる心配もない。それに何より、今は少しも離れたくない。
ゆっくりと平次の手が私の頬に触れて、キスをした。角度を変えて何度も。熱を持った彼の瞳に、ぞくりとする。
「…可愛ええ顔しおって」
「平次こそ…かっこよくて直視出来ない」
「顔逸らしたらあかん。キス出来ひんやろ。目、つぶっとき。なんも考えられへん事なるくらい、良くしたるから」
キスが深まって、舌が絡み合う。少し苦しくて、頭がぼーっとしだして。平次に触れられるところ全部が、すごく気持ちよくて。
まるで自分が自分じゃないみたいに。的確に私の良いところを探し出す彼を、さすが探偵だと思った。
「す…すごく気持ちよかった…」
「俺も。体痛ないか?」
「うん、大丈夫。なんならもう1回したいくらい」
「ほー?随分余裕やんけ。可愛ええ彼女のリクエストには応えたらんとなぁ?」
「えっ。いやあの、わぁ〜!」
まさかの2回戦が始まって、でもこれまたすごく気持ちよくて。何時なのかもわからないまま、私達は抱きしめあって眠った。
「ん……眩し…ってぇ!!時間!やばい!」
「おー、起きたか美衣」
「ちょ!起きてるならなんで起こしてくれないの?!一限開始まであと30分じゃん!」
「俺もさっき起きてん。ちゅうか、30分あれば余裕やろ。バイクやし」
「女の子がそんな早く支度出来るわけないじゃん!シャワーも浴びたいのに!」
「なら早う浴びてこい」
「もー!平次のバカぁ!!」
バタバタとシャワーを浴びに行って、乾燥が終わった下着を洗濯機から引っ張り出して、ズボンは履いたけど上の服を洗濯し忘れてて、仕方なく平次の服を借りたのだ。
「服部って激しそう。体大丈夫?」
「えっ?!」
「堤!怖いもの無しかお前!」
「まぁまぁ工藤。落ち着けって」
「アホ。ドロドロに甘やかしたに決まっとるやんけ」
「服部!お前も答えんなよ!」
「あら。どうやら本当みたいね」
「か、勘弁してください…」
「美衣、ゆでダコみたい。…たこ焼き食べたい」
「ほんとブレねぇな、堤」
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。何故か気まずそうな工藤は先に戻ると席を立ち、志保もその後を追った。
「んじゃ、俺らも行こうぜ堤」
「え。たこ焼き頼もうかと」
「マジで食う気かよ。ならコンビニ行かね?俺もアイス食いたい気分だし」
「行く。走れ黒羽」
「あ、おい!待てよ!じゃ、お先に」
「…そして誰もいなくなった」
「ええから早う食わんかい」
「はぁい」
いつものように、私と平次の2人になる。前と同じ光景なのに、何もかもが違うように思える。
「なんや。そない見つめて」
「かっこいいなぁと思って」
「そらおおきに」
「えー。もう照れないの?」
「昨日もっと刺激の強いもん見てもうたし」
「刺激の強いもん?」
「気持ちよくて涙でぐちゃぐちゃやけど、俺の事が好きで堪らんって顔した美衣とかな」
「そっ…そうゆうことは!言っちゃいけません!」
「可愛かったで〜。今度写真撮ったろか」
「絶対駄目!!」
からかうように笑う平次。悔しいけどその顔すら嬉しくなってしまうから。顔が緩むのを誤魔化すようにご飯を口に運んだ。