13 にっしんげっぽ
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「ついに!来たぜ大阪ー!!」
「大声で叫ぶなアホ。恥ずかしい奴やな」
「服部くん。旅は恥がつきものだよ」
「聞いたことないわ。ドヤ顔やめぇ」
黒羽と服部、紗奈と京都旅行に来た私たち。まずは服部の実家に挨拶へ向かうべく、大阪で新幹線を降りた。
「わー!なんか大阪って感じ!」
「なんだそれ。迷子にならねぇように付いてこいよ」
「いえっさー!あ!なにあれ可愛い!」
「おい!言ったそばから!」
「たこ焼きマンやな。大阪のあちこちにおんで」
「へぇー!さすが大阪!」
「駅には帰る時も来るし、買うならそん時にしたらええわ」
「だね!あ!顔はめパネルやりたい!」
「おいこら。さっさと行くぞこのバカ」
「す、すみませんでした黒羽くん」
怒りの気配を察知して、大人しく駅の外へ。初めて来た服部の実家は想像の倍以上立派で、体が強ばる。
「は、服部っておぼっちゃん?」
「玉の輿?」
「ちゃうわ。堤は指さすなボケ」
「こいつの親父さん、警察のお偉いさんだからな」
「そ、そうなの?!どうしよ!」
「捕まる!」
「なんでやねん!ほれ、さっさと入るで」
緊張しながら入った服部の実家。出迎えてくれたのは綺麗なお母様。警察のお父さんは仕事のようで不在だった。
「久しぶりに平次が帰ってきてくれて嬉しいわ。お友達も、ゆっくりしてってな」
「ありがとうございます!」
「お言葉に甘えてくつろぎます!」
「素直すぎるやろ」
「何処にいても堤は堤だな」
「言うてもオカン、俺ら殆ど出かけとると思うし構わんでええで」
「あら、そうなん?そら残念やわ」
「帰るん夜やと思うから先寝とけや」
「ほなそうするわ。気つけてな」
挨拶を済ませ、荷物を置いた私達は早速、街へと繰り出す。東京と違った活気溢れる街並み。ワクワクする。
「さ!どこ行く?!」
「やっぱここはお好み焼きやろ」
「腹が減っては課題が出来ぬ」
「間違いねぇな」
服部おすすめのお好み焼き屋さんへ。カウンター席に並んで座る。目の前で美味しそうに焼かれるお好み焼き。
「美味しそうが過ぎる…!」
「この光景でご飯3杯いけそう」
「堤が言うと冗談に聞こえねぇな」
「本気だが?」
「お前の胃どないなっとんねん」
「なぁ、もしかして平次?」
「ん?か、和葉?!お前こんなとこで何やっとんねん!」
「そらこっちの台詞や!帰ってきとんなら連絡くらいしぃや!」
服部に声をかけてきた女の子には、見覚えがある。高めのポニーテール。可愛らしい顔。幼馴染兼元カノさんだ。
「工藤くんも久しぶりやなぁ!元気しとった?」
「あ、いや俺は」
「アホ。こいつは工藤ちゃう」
「え?!嘘やん!ごめんな!めっちゃ似とるから!」
「いいよ、従兄弟だし、顔似てんのは事実だしな」
「従兄弟なん?へー!うちは平次の幼馴染の遠山和葉!よろしゅうな!なぁなぁ、一緒してもええ?東京での平次の話聞きたいわ!」
「おい和葉!俺は友達と旅行に来てんねん。邪魔すなや」
「ええやん、お昼くらい!男2人やと味気ないやろ」
「男2人とちゃう。あっちの2人も俺のツレや」
服部が私達の方を指さして、遠山さんと目が合う。小さく頭を下げると大きな目がさらに大きく見開かれる。
「えー?!平次、女の子と旅行来てんの?!うそやん!彼女?!彼女なん?!」
「じゃあかぁしい!!友達言うとるやろ!」
「服部、お前の声も十分でけぇよ」
「は〜信じられへんわ。挨拶遅れてごめんな。平次の幼馴染の遠山和葉です」
「あ、野々村美衣です」
「堤紗奈です」
「2人とも可愛ええやん!平次のくせにやるなぁ!」
「鬱陶しいの〜。さっさとどっか行かんかい」
「ええやん!一緒に食べさせてぇな!ドタキャンされてもうてんから!」
「あ、じゃあ遠山さん。ここどうぞ」
「ええの?!おおきに!お邪魔するな」
荷物と一緒に1つ席をずれる。服部は呆れた顔をしてたけど、なんだか2人が話してるのを見ると胸がザワついて仕方なかったんだ。
でもその胸のザワつきも、焼きたてのお好み焼きが届くとすぐに忘れた。
にっしんげっぽ