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雑文集

浄域と侵犯

2018/01/08 12:04
考察と妄言
現代を生き現代兵器を知る人間として、グレイブ試作機──つまり戦闘機の登場には、そのあまりの背徳かつ冒涜を附した浪漫に、恐ろしさと希望を感じて身震いした。

昔、この物語は"遠い未来の神話"だと言い表したが、そう思ったのは、物語全体がある種の「神話性」に染まっているからだろう。

腐鉄菌による科学文明の退行と節制により、あの世界は科学の台頭で失われたであろう「神話性」が再び現れ、空気全体がその概念的存在を仄かに帯びており、端々に作用している。
無論、そこには『超人機械』の存在の力も大きい。彼自身、第二の創造主として人々の崇敬の対象となり、新たに世界を創り替え様々な奇蹟を齎したが、その被造物の中でも特に"魔法"は、かつて科学が"あるはずのないもの"として葬った「神話性」に含まれるものの一つだ。
時代錯誤、逆行的、既存認識の逆転とでも言うべきか。その"魔法"は魔法使い──魔人という形をとって、皮肉にも人間を追いやり、地上の覇者へ成り代わることとなった。科学を"旧人の宗教"とまで言わしめる程に。

空の「神話性」は特に著しい。幾人が追い求める、神如きの象徴とも言える『星』も、墜とさんとする『竜』も、すべて空にある。
先人たちが天の向こう側に神々の世界を想像したように、かつて空は神聖不可侵・人の手の及ばぬ領域であり、空へ至る術が剥奪されたこの世界においても、そのような在り方を保っていた。
『竜』、航空発展の天敵とも称された雷撃将は、空の「神話性」を保つ王であり番人にさえ見える。避けられない、しかし乗り越えねばならないまつろわぬ事象。果ての科学と人間が、再び黎明を迎えるために。
空は不可侵領域でありながら、到達すべき目標地としても定められている。

重力は、地に生きる者を縛る呪いであり軛だ。振り切るにはそれなりに力が必要になる。
この世界の「空を飛べる者」は、大体何かしら背負っていたり痛ましかったりと、それらの対価として天に携わる権利を得ているように思える。
では名も無き飛行士たちがそうじゃなかった、とは言えない。ただ単に、力不足故の敗北。不十分であるにも関わらず天上に逼り過ぎて、翼を折られた。まだ容認できぬと排斥された。

"人魔が手を携えれば竜を粉砕できる。誰もが攻撃魔法と変わらぬ力を得ることも"の言葉通り、神聖不可侵が切り開かれことにより力を失う超越者、はそう遠い話ではないかもしれない。
人間は産業革命など社会構造の変革を経て、その道中に自然の永続性やアニミズム的思想・感覚から乖離した。結果出来上がったのが我々の生きる現実である。この物語は未来の地球を描いているし、直線上に繋がっている気がしてならない。そんな妙なリアリティも、「神話性」を感じさせる要素かもしれない。

これは繰り返しであり再生なのだ。所謂『平等』への一歩は、「神話性」の零落を伴うのだろう。
いつの時代も、冒涜と浪漫は共々だと惟う。




詭弁じゃん?
それはそうとしゅろちゃん竜酔い克服できるといいね。ね。

コメント

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  • crjppjdygg (非ログイン)2023/06/16 11:02

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