掌篇集
沢山の刺繍糸や、ビーズや、リボン。お姉ちゃんの手にかかると全部全部魔法の道具になる。
「お姉ちゃん、新しいスカート作って」
「お、今度はどんなのにしようか」
7つ上のお姉ちゃんは、今は服飾の専門学校に通っている。でも、もっと昔から、わたしの服を沢山作ってくれた。私のお気にいりの服は殆どがおねえちゃんの作ってくれた服。
お姉ちゃんが広げた布を見ながら、ああでもないこうでもないと相談する時間も楽しい。
「裾にレースつける?」
「んー、可愛いのよりキラキラしたのがいい!」
「えー、それじゃぁ、ビーズ縫いつけようか。これとか」
「あー、いいかも!」
可愛いストライプの生地に、ドロップ型の大ぶりのビーズやチロリアンテープを合わせて、お姉ちゃんはそれをもとにサラサラとデザイン画を描いていく。
「あー、やっぱ歌穂ちゃんの服作るときが一番楽しいなぁ」
お姉ちゃんは楽しそうに鉛筆を動かして、いくつかデザイン画を描いてくれる。
「シャツも作っていい?」
「いいの? 忙しくない?」
お母さんに、お姉ちゃんは忙しいからあんまり今までみたいに頼んじゃだめって言われてたんだけど。
お姉ちゃんは、しょんぼりと眉を下げる。
「忙しいけど息抜きしたい……。楽しいもの作らないとやってられない……」
「お姉ちゃんが大丈夫ならわたしは嬉しいよ」
「じゃあ作る! めっちゃ作る!」
めっちゃ作る、のは駄目じゃないかなぁ。そう思ったけど、お姉ちゃんが楽しそうだったから何も言わなかった。
「えへへ、お姉ちゃんの新しい服嬉しい」
「んん〜〜、歌穂ちゃん可愛いなぁ〜〜! やっぱあたしのミューズは歌穂ちゃんだな!」
お姉ちゃんはそう言って、私をぎゅうぎゅう抱きしめた。
「お姉ちゃんは、わたしの魔法使いだよ」
「お姉ちゃん、新しいスカート作って」
「お、今度はどんなのにしようか」
7つ上のお姉ちゃんは、今は服飾の専門学校に通っている。でも、もっと昔から、わたしの服を沢山作ってくれた。私のお気にいりの服は殆どがおねえちゃんの作ってくれた服。
お姉ちゃんが広げた布を見ながら、ああでもないこうでもないと相談する時間も楽しい。
「裾にレースつける?」
「んー、可愛いのよりキラキラしたのがいい!」
「えー、それじゃぁ、ビーズ縫いつけようか。これとか」
「あー、いいかも!」
可愛いストライプの生地に、ドロップ型の大ぶりのビーズやチロリアンテープを合わせて、お姉ちゃんはそれをもとにサラサラとデザイン画を描いていく。
「あー、やっぱ歌穂ちゃんの服作るときが一番楽しいなぁ」
お姉ちゃんは楽しそうに鉛筆を動かして、いくつかデザイン画を描いてくれる。
「シャツも作っていい?」
「いいの? 忙しくない?」
お母さんに、お姉ちゃんは忙しいからあんまり今までみたいに頼んじゃだめって言われてたんだけど。
お姉ちゃんは、しょんぼりと眉を下げる。
「忙しいけど息抜きしたい……。楽しいもの作らないとやってられない……」
「お姉ちゃんが大丈夫ならわたしは嬉しいよ」
「じゃあ作る! めっちゃ作る!」
めっちゃ作る、のは駄目じゃないかなぁ。そう思ったけど、お姉ちゃんが楽しそうだったから何も言わなかった。
「えへへ、お姉ちゃんの新しい服嬉しい」
「んん〜〜、歌穂ちゃん可愛いなぁ〜〜! やっぱあたしのミューズは歌穂ちゃんだな!」
お姉ちゃんはそう言って、私をぎゅうぎゅう抱きしめた。
「お姉ちゃんは、わたしの魔法使いだよ」