掌篇集
「そんなもん、万馬券よ万馬券」
とても姉らしい答えに、僕は肩を落とした。
「俗の極み」
「うっさいわね。金があれば大抵の夢は叶うのよ。そういうあんたはどうなのよ」
水を向けられて、言葉に詰まる。
「…………将来当たる会社の株を買っておくとか」
「ほーーーーら! あんただってあたしと変わんないじゃない。世の中金よ金」
「くっ、確実に悪役のセリフなのに否定できない」
けらけらと笑う姉は、僕が持っているポテトチップスの袋からチップスを鷲掴みにしてもっていく。え、それ一口で行くの? あ、敷いたティッシュに避けた。さすがに姉さんでもその量を一口で食べはしないか。
思わず見送ってしまったけれど、僕のお小遣いで買ったポテトチップスは三分の一くらい減っている。
お返しにと姉さんが食べていたクッキーに手を伸ばすと、はたき落とされた。
「姉さん僕の食べてるんだから僕だって食べて良くない!?」
「単価が違うのよ単価が。こっちのチョコなら許す」
差し出されたのは大袋のキャンディタイプのお得用チョコレートだった。
確かにクッキーは缶入りの高そうなのだけど! 一枚くらいいいと思う! 怖いから言わないけど!
僕がチョコレートを口の中に放り込むと、ポテトチップスを食べていた姉が口を開いた。
「……まぁ、さ。百年後とかだと近すぎるけど、何百万年て先の地球がどうなってるかは、ちょっと見てみたいかも」
口の中でチョコレートを転がしながら、僕もまた考える。
僕も姉も、下手したら人類さえも死に絶えて、また新しい種族が文明を作っているかもしれない。或いは、地球自体が滅んでいたりして。
僕たちが、想像は出来てもけしてみることはない未来。
「……確かに面白そうかも。偶にはいいこというね、姉さんも」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜? お姉様はいつでも良いこと言ってますけどぉ〜〜〜〜〜〜」
「痛い痛い痛い蹴らないでください痛い」
そういう事するから、良いこと言っても印象に残らないんだよ!
とても姉らしい答えに、僕は肩を落とした。
「俗の極み」
「うっさいわね。金があれば大抵の夢は叶うのよ。そういうあんたはどうなのよ」
水を向けられて、言葉に詰まる。
「…………将来当たる会社の株を買っておくとか」
「ほーーーーら! あんただってあたしと変わんないじゃない。世の中金よ金」
「くっ、確実に悪役のセリフなのに否定できない」
けらけらと笑う姉は、僕が持っているポテトチップスの袋からチップスを鷲掴みにしてもっていく。え、それ一口で行くの? あ、敷いたティッシュに避けた。さすがに姉さんでもその量を一口で食べはしないか。
思わず見送ってしまったけれど、僕のお小遣いで買ったポテトチップスは三分の一くらい減っている。
お返しにと姉さんが食べていたクッキーに手を伸ばすと、はたき落とされた。
「姉さん僕の食べてるんだから僕だって食べて良くない!?」
「単価が違うのよ単価が。こっちのチョコなら許す」
差し出されたのは大袋のキャンディタイプのお得用チョコレートだった。
確かにクッキーは缶入りの高そうなのだけど! 一枚くらいいいと思う! 怖いから言わないけど!
僕がチョコレートを口の中に放り込むと、ポテトチップスを食べていた姉が口を開いた。
「……まぁ、さ。百年後とかだと近すぎるけど、何百万年て先の地球がどうなってるかは、ちょっと見てみたいかも」
口の中でチョコレートを転がしながら、僕もまた考える。
僕も姉も、下手したら人類さえも死に絶えて、また新しい種族が文明を作っているかもしれない。或いは、地球自体が滅んでいたりして。
僕たちが、想像は出来てもけしてみることはない未来。
「……確かに面白そうかも。偶にはいいこというね、姉さんも」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜? お姉様はいつでも良いこと言ってますけどぉ〜〜〜〜〜〜」
「痛い痛い痛い蹴らないでください痛い」
そういう事するから、良いこと言っても印象に残らないんだよ!