朝になった、居間には既に楽羅が夾に抱きついていた

離れるのが寂しいみたいでまた会いに来ると言っていた


「朝から張りきってますね〜」

「そう言えば、楽羅の正体、なんの十二支か分かったかい？」

「は！まだです」


夾くんのバカと聞こえたのでなんだろうと振り向いたら楽羅が夾を叩こうとしていた


「そういつもいつも食らうかって、ｸﾞﾎｯ」


夾が防いだかに見えたがさすが楽羅、鳩尾付近に肘を当てて夾を吹っ飛ばしていた

今回は障子を突き破って池には落ちていない、テレビの方向に飛んだ

テレビが壊れたことに楽羅ぁぁと悲痛な大声で名前を呼んだのは紫呉だった


「何よっ夾君なんかっ夾君なんかっ！大好きだｧｧｧ！」


玄関のドアを突き破って出ていこうとしたが外にいた男の人にぶつかってしまった

その時男の人の方に由希が素早く行き帰ってもらった


「由希君ナイスタイミングっ！」

「今日の草摩君は一段と輝いています」

『本当に危なかったねー』

「あぁ、あ、危なかった気ぃつけろ楽羅」

「ごめん」


煙が晴れてそこに居たのは猪、そう、楽羅の正体は十二支の猪だったのだ


「紫呉さん分かりました！楽羅さんの正体は猪年です！」

「いや、変身してから言われても、しかもそんな勝ち誇った顔して」

「そう言えば楽羅さんは常に一直線に走っていました！これは猪の習性ですね！」

「答えがわかってから推理されても･･･」

「感激です〜！こんなに可愛い猪さんでしたなんて〜！」

「聞いてないや」

『わかったことがよっぽど嬉しいんだね』