「ご、ごめんなさい、でも喧嘩は、喧嘩はダメです、や、やっぱり学校で喧嘩は」

「うるせぇよお前は！俺は由希に勝てればそれでいいんだ！邪魔んすんなよ！「おい夾」なんなんだよ目障りなんだよ!!」


その時透は完全に分かってしまった顔をしていた


「怒りMAX、嫌われました、今完全に嫌われました･･･」

『夾サイテー』

「お前ってほんとにバカ」

「殴らないのか」

「その方が痛い時だってあるだろ」


いつの間にか日は傾きかけて夕方になっていた

夾は家で紫呉と会話していた


「転校初日からサボったのかい？君は」

「俺、この家出たい」

「まだ3日目だろう、これも修行と思って我慢を覚えなさい」


夾はいつもの元気さはなくなんだか落ち込んでいるようだった

どうやら透に酷いことを言ったのを気にしているみたいだ


「なんなんだよ俺は、人と関わって暮らしてくのに向いてないんだ」

「君は単に経験が足りないだけだよ、例えばだ、君は拳一つでテーブルを割ることが出来る、でもその拳を寸止めすることだってできる
人と上手く関わっていくのも同じことだよ、他人と交わり傷つけたり傷つけられたりしながら人を学び己自信を学ばないと本当に人を思いやれるような人間にはなれないよ
いつか君を好きだと言ってくれる子が現れた時大切にできるように、今は逃げずに修行を続けなさい」

「そんなヤツいるもんか」

「いたらどうするんだい？」

「想像もつかないね、とりあえず正気かよって聞いてやる」

「あっそ笑」


台所の方の障子が開いた、どうやら由希が帰ってきたようだ


「ただいま」

「や、おかえり透君と玲奈は？」

「玲奈は旅館の方の家に帰るって言ってた、本田さんはバイト、帰り遅いらしいから迎えに行こうと思うんだ」

「なるほどね、そうしてあげなさい、ここらは痴漢が出るから」