セフレの夏油を愛してる。
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ある日、いつからか飲みに誘われるようになった男性が
あまりにしつこく粘り、私の退社に合わせて待ち伏せまで
されてしまっていたのでうんざりしつつもたかってやるか
と、飲んでしまった過去の私をぶん殴りたい。
完全に出来上がってしまったこの男をタクシーに入れたい
のにホテル行こうとずっとハイテンションだ。
貴方が行くのはタクシーですよ~お家かえりましょうね
と、やってきたタクシーに無理やり男を押し込み
運転手に住所を伝えて拝借した免許証を鞄に戻すために
一度身体を車内へ入れると腕を掴まれバランスが崩れる
違います、貴方の家にはいきません。
ちょ、顔近づけないでッ…ギャッと叫びそうになった時
「―――――この猿が」
ゾゾゾッと寒気のするほどの
低い声がすぐそばで鼓膜を揺らした。
見慣れた手のひらが目の前の男にアイアンクローをかます
あ、ミシミシ行ってる、ちょちょちょ…!
戸惑っていると痛みのせいか男の力が緩み
急いでタクシーから一緒に脱出をする。
「あ、あの夏油さ…?」
タクシーが出発するよりも前に夏油さんは私を掴み
どこかへと歩き出す。ずんずん進むスピードに
足の長さが違う私は駆け足で夏油さんについていく
夏油さんは何も言わずただ痛いほど私の腕を握り締めた
いつかのホテルに入ると部屋に入るやいなや
噛みつくようにキスをされてあっという間に脱がされる
乱暴な手付きに機嫌が悪いのか、何か怒らせたのか
酸素が足りない頭で考えるも何も分からない
こ、これは流石に激痛コースと思いつつ
夏油さんの背中に腕を回し衝撃に備えた
けれどもやっぱり濡れても、慣らしてもないソコは
受け止めるなんて到底無理で痛みで涙が滲む
せめて力を抜かないと、と頑張って呼吸を整えていると
不意に痛みがなくなり、閉じていた目を開ける
ぎゅっと押しつぶされる様に夏油さんに抱き着かれた
「何で抵抗しないんだよ…」
私の肩に顔を埋めているせいで少しくぐもった声が
聞こえてきて、ぽんぽんと背中を叩いて慰める
「…あの男、誰、何」何だか…拗ねてる?
と、思いつつ簡潔に答えると夏油さんは少し無言の後
長いため息を吐き、強い力で私を抱きしめた。
「――――――好き、なんだ君が」
聞き間違いかと思った。え、という声が漏れる。
顔を上げて私を見る夏油さんの顔は少し歪んでいた
その顔に腕を伸ばし頬に手を逸れる
私も、好きですよと目を見て答えた。
だけど、夏油さんは悲しそうな顔をして
私の手を掴むと「好きな人がいるんだろう?」と呟いた
「君と私の〝好き〟は違う、君は優しいから…」
―――――はぁ???
何言ってるんだこの塩顔イケメンは…?
寂しそうに視線を逸らしこちらを見ない夏油さん
彼の言葉に何だか沸々と怒りが込み上がって来た
あんなことやこんなことしといて私の気持ちを
こんなにあっさり否定されたんですけど??
「傑さんの馬鹿ッ!!」
「えっ」
戸惑う夏油さんを置いてテキパキと散らばった服を着る
何か繰り返し声をかけられている気がするけど
全部無視っ!!!!! 家に帰るっ!!!!!!!
急いで服を着ている夏油さんをほったらかし
私は勢いよくホテルのドアを閉めて自宅へと向かう
ぷんぷん!といった感じで私の左右をうろちょろしながら
「名前、あの…」「私が悪かったよ」「は、話を…!」
絶え間なく夏油さんは声をかけ続けられているけれど
ふんっと私は顔を横に振って視線を合わせない
若干大型犬みたいで可愛いなと思ってるけれども
私の好きな気持ちを否定した罪は消えないっ!
必死になって私の自宅までついてきた夏油さんを
無視し続け、玄関をあけてすぐに閉めようとすると
物凄いゴリ押しで家の中に入られた。
狭い空間で暴れればバランスを崩すのは当然のことで
玄関で押し倒された私は無理やりキスをされた
「いやっ…ンっ…はな、し…ンッ~!」
厚い胸板を押しても離れるわけがなく
口が離れた瞬間に抗議しようとしても
また口を塞がれて言葉は飲み込まれてしまう
身体を押すのをやめて叩きつけるようにしても
すぐに両手を床に縫い付けられて
指を絡めた恋人繋ぎにされてしまった。
やめろーーーっ!という風にくぐもった声で
抗議をするとお互い酸素を求めるように
大きく息を吸って唇が離れた。
その瞬間、糸を引いた唾液が口元に垂れる
息を乱しながら、離してと夏油さんを睨んだ
「名前…ン…怒ら、ないで、お願いだから…」
キスの合間に夏油さんは懇願するように告げる
「好きっ……好きだよ…名前…」
「わた…ン…しだって…好きって…言いましたっ」
「うん…ごめ、んね…」
「そりゃ…好きな人が、夏油さんって
言わなかったけど……いっぱい、えっちしたのにっ」
お互いキスも会話も中途半端に玄関で絡み合う
夏油さんは手を離すと頭を撫でながらキスをして
また謝った。そのまま私を抱っこして手慣れたように
いつもの寝室へと向かい、私を優しく布団へ倒す。
「どうしたら許してくれる?」
私に覆いかぶさった夏油さんの腰に両足を絡めた
それに夏油さんは少し驚いたあとクスッと笑う
「喜んで」
* * * * * *
朝、料理をしていると急にお腹に腕が回り
肩がズシリと重くなった。慣れた動きで
大きく開けられた口に朝食を突っ込む。
「おいしいよ」「良かったです」
なんていつもの会話を繰り返す
「もう、君から抜け出せないな」
なんて傑さんが言うから嬉しくて笑う
「もっと、もーっと愛してあげますからね」
「……これ以上駄目人間になるのは怖いんだけどな」
傑さんはそう言いつつもおかわりと言わんばかりに
また口を開けたので私もおかずを再び口に運んだのだった