推しに貢いでただけですが!?
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最初に言っておくぞ、推しは最高だった。
全ページの推しが素晴らしすぎて
ページをめくる手が全く進まなかった…。
玉犬ちゃんたちと戯れる推しがめちゃくちゃ可愛かった
「…よかったです、間に合って」
「いやー本当にありがとう……最高の卒業式だわ…」
「卒業式、関係あんのか…?」
そう、あれよあれよと時は経ち
あたしは受験を終えて今日高校の卒業式を迎えていた。
と言っても、もう式は終えており
元々伏黒に呼び出されていた
お互いに馴染みがあり、人が来ない
お昼を過ごしていたこの場所で写真集を貰ったのだ
発売日前に貰えるとは思っておらず
間に合わせてくれた後輩には感謝しかない。
写真を見終わって余韻に浸っていると
「名字さん、ソレ貸してください」
と推しが手を出すので大人しく写真集を渡すと
推しがポケットからペンを取り出して
表紙に推しがサインを書いてくれた。
その事実に固まっているあたしに
「はい」とだけ言って写真集をほい、と差し出す。
ソッ…とそれを受け取る。これが、推しのサイン……!
「嬉しいですか」
「めちゃくちゃ嬉しい」
推しからの問いに即答する。
すると、クスッと笑う声が微かに聞こえて
視線を写真集から上げるとこちらを見て
優しく微笑む伏黒と目が合った。
滅多に見れない、いや見たことのない伏黒の表情だった。
綺麗で、かっこよくて、やっぱり、どうしようもなく
彼が好きなんだなと実感してしまった。
二人っきりの、特別な空間だから
自身の熱が彼に伝わってしまいそうで
それを意識すると途端にドキドキし始めてしまう。
視線を写真集に戻し、立ち上がって別れの挨拶を―――
「名前さん」
「ふ、しぐろ……なに、ど、したの」
不意に距離を詰められてた。
背後の壁に片手をついてこちらを見下ろす伏黒に
初めて名前を呼ばれて心臓がドキッと跳ねた。
何か、急に、様子が変わった。
あたしを見つめる瞳が熱を持っている
これ、駄目なやつだ。
顔がゆっくりと、じっくりと近づいてきて
顔を俯けて伏黒の胸板を両手で押すも意味はなく
「名前さん」と囁くように熱い吐息で鼓膜を揺らす
待って、と声をかけるも彼は止まらない
誘うようにあたしの名前を呼んで
胸板を押す手を簡単に外してしまう。
「名前さん、こっち見て」
絶対見ちゃいけないと分かっているから
顔を逸らしているのに寂しそうに名前を呼ばれると
心がぐらぐらと揺らいでしまう。
「名前さん、お願いです」
麻薬なんだろうかと錯覚してしまうほど
声が甘くて熱に浮かされてしまう。
ちょっと、だけなら
そう考えてしまったら最後で
「顔真っ赤、名前さん可愛い…」
甘い毒が、あたしを支配する。
「―――――好きです、名前さん」
「………………ムリ」
「は?」
「無理無理無理無理」
甘い、甘すぎるよ、ナニコレ。
少女漫画ですか? 推しからのあっまい告白!?
全人類中毒になって廃人になるが???????????
現実は写真集よりもつよつよなり。
ただでさえ、最初っから伏黒の事が好きなのに
推しからも告白されたら頭可笑しくなっちゃうでしょ!?
「もうこれ以上、好きになったら…困る」
キャパオーバーした脳は自身の心の声が漏れていることを
知らず火照った頬を両手で包み落ち着かせようとする。
推しからの供給が過ぎる。無理無理無理。
そんな時、身体が影が覆われ暗くなった視界に
視線を上に上げる、つもりだったが
急に世界が傾いて息を止めて目をぎゅっと閉じる
ゆっくりと瞼を開くと視界に映るのは推しの顔と天井
あ、あれ…押し倒されてますか……???
「え、伏黒…?」
名前を呼んでも反応が無く
かわりに顔面宝具が近づいてくる
ギャー!?と心の中で叫びながら
両手を前に出すが瞬時に床に押さえつけられた。
驚いて声を出す暇もなく、唇は柔らかなもので塞がれる
驚きで目を見開きながら声を上げようとするも
くぐもった声しか出ないし、絶え間ない口付けに
酸素が足りなくなって頭がくらくらとし始める。
足をバタバタとさせるも伏黒の身体に押さえつけられて
全く抵抗が意味を成すことは無い。
唇が離れて「ぷはっ」と酸素を求め肩で息をする
そんなあたしを舌ペロしながらニヤリと笑う伏黒
いや、えっっっっっろいけど!?!?!?
思考停止状態のあたしに手を離しても
大丈夫と判断したのか片手を頬に沿わせると
するっと撫でるように滑らせると唇を親指で触れる
キュッと力が入った唇を指の腹で摩り
「開けて」と、ただ一言告げる。
意味を理解したあたしはカッと顔を熱くさせつつ
首を激しく左右にブンブンと振った。
「あけて」と、右耳にダイレクトに囁かれた。
驚きと刺激で腰がビクッと反れる。
クスクスと笑い声が聞こえ、羞恥で体が熱くなる
スカートの上から太ももに手を沿わせる伏黒に
流石にぎょっとして「ちょ、まっ…!」と声が出る
「こ、ここ、学校…!!」と小さな声で抗議した。
「学校じゃなかったら、いいんですか?」
えっっっっっろい声で囁くな!!!! オマエは!!!!
ちょ、ま、どこ触って…!? え、嘘…ま、待て…!!!
「ねぇ、名前さん、好きですよ」
と、囁かれながら伏黒に口元を隠す手を取られ
手の甲にキスをされる。えっちなリップ音に限界を来て
な、なんでこんなことになってるんだ……!?
と、問い。心の中で全力で叫ぶ。
あ、あたしはただ―――――――
――――――――推しに貢いでいただけですが!?