推しに貢いでただけですが!?
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色々と貢いでいる生活の中で洋服とかも上げたいな~
となかなかに貢ぎ欲が増してくる今日この頃
しかし推しにピッタリのサイズが分からないので
ある程度のファッション系統は狙いを付けたが
実際には貢ぎの実行に移せないでいた。
スケッチブックにお手製サンドウィッチを持ち
人気のないお気に入りの場所へとお昼に向かう。
「……――――ッ……?!?!?!」
三年間、一度もあたし以外の客人は来なかった場所
なぜそんな場所に伏黒がすやすやとお昼寝してるんだ!?
思わず口を押えて伏黒の睡眠の邪魔をしないようにする
一歩後退り教室で食べようと踵を返そうとするが
伏黒の手元に置かれている栄養食品が目に映る
というかそれ以外食品が見当たらない。
ゴクリッ、と生唾を飲みながら慎重に近づく
目元には隈が見える。やっぱ、忙しいんだ。
食欲も無さそうだし…心配だな。
「……よかったら、食べて」
栄養食品の横に持ってきていたサンドウィッチを置き
今度こそ教室へと踵を返した。
「寝顔……綺麗だった…流石推し…」
ぐぅ…と腹の虫が切なげに鳴く。
空腹だけどまぁ…これも推し活…貢ぎ活、か…???
次の日も、その次の日も伏黒はそこで寝ていた
その度に推しへと食べ物を貢いだ。
推しが食べているのかは、わからないけど…。
でもまぁ、少し顔色が良くなっている気がするな
伏黒の健康に安心して静かにほっと息を吐いた
ゆーっくりと少し離れた所に腰掛けてお昼を食べる
すうすうと微かに聞こえる寝息
器用に眠っている姿を眺めながらスケッチブックを開く
誠に勝手ながら貢ぎの対価に
推しをスケッチするようになったのだ
推しがグッスリなので全く起きたことは無い。
絵を描くことがあたしは好き。
けど部活動には入っていない自己満だ
上手いとか下手とか評価は求めていない
だからコンクールとかも興味無し
「……そろそろ洋服も渡せそう」
あっという間に空白が埋められていく
推しの模写を見て服のイメージが固まった。
こんな感じかなと想像を膨らませて推しのコーデを描く
普段着としても着れつつ撮影にも着れるような…
鉛筆の音のみが二人だけの空間に響く
明らかに寝ている間に見知らぬ誰かが来ていることは
明白だというのに伏黒は警戒心というものを
知らないのか…?
じとーっと推しの顔を眺める。
うん、顔が良い。睫毛長い…。肌綺麗だ……。
じーっと見つめすぎたのか気配に少し気付いたように
ぐぐぐっと瞼に力が入るのが分かって慌ててその場から
立ち去った。決してあたしは不審者ではないぞ…!!!
* * * * * *
バイトの給料日も過ぎた週末、レッツ推し活!!!
と気合を入れてメンズファッションを激選した。
「彼氏さんですか?」とか聞かれたけど
「貢物です」と真顔で答えた。
店員さんはぽかーんとして「はぁ…みつぎもの…」と
腑抜けた返事を溢していた。すいませんね。
ひ弱な腕で両手いっぱい抱えて
ぜぇぜぇ言いながら家へと帰宅した。我、満足也。
全身コーデ(靴・アクセサリーを除く)をそれぞれに纏め
事務所へとプレゼントとして後日、送った。
「推し……着てくれるかな~~……」
明日からまたバイト頑張んなきゃな~~~
* * * * * *
バイトに疲れてその日は一限目から船を漕ぎ始めていた
四限目が終わりふらふらとしながらもいつもの場所へ
しかし、そこには推しは居らずあたし只一人
何だか懐かしいなと感じつつ二人分のお昼を床に置いて
ぼーっと宙を眺める。うー、眠い…眠すぎる。
これはもう抗えない……。瞼が閉じていく。
目が覚めたのは遠ざかっていく足音が微かに
聞こえた時だった。寝起きでぼけーっとしていたが
今何時だ!?と意識が急激に覚醒してスマホを見る
時刻はお昼休みが終わる十分前だった。
それにほっとしつつ急いで食べてしまおうと
サンドウィッチに手を伸ばすとアレ…?と気付く
「……一個、消えてるじゃん、うそ…」
え、もしかしなくても伏黒が持っていった可能性高い?
や、やばい、推しにバレた…!?
もうここには来ない、のか?
いやでもサンドウィッチは食べた()んだよな…???
混乱している間に十分なんてあっという間で
結局お昼を食べることが出来ずに慌てて教室へと戻る。
* * * * * *
「ふぁっ!?!?!?」
その情報が来た時、家で思いっきり叫んだ。
いやだって…え、ちょ、待ってくれ
推しが表紙の雑誌はありがてぇぞ
けど何でその表紙を貢いだ服で飾っているんだ…!?
てかやっぱ似合うやんけ、オタク天才、推し天才。
へぇ、珍しくインタビュー系の記事なんか…買います()
発売日にバ先の本屋に走りすぐに買った。
最近、業界では私服がお洒落になったと評判ですが?
これは完全に応援してくれてる方のおかげですね
全身コーデのプレゼントを頂いてるんスけど
気回しやすいし気軽に着れますね。
それはまた凄いファンの方ですね!
好みやサイズもあってるんですか?
そうですね、凄いピッタリです。
わりとマジで感謝してます
おぉ、ファンの人は大喜びでしょうね。
そうだといい、と思います。
……でも
でも?
普通にモデルとしてちゃんとしなきゃなってなりました
ファンの人なんですけど、負けてられないなって
それはまた(笑)
ファンの人と競うんですか?
そうなりますね。
毎日制服なんで気にしてませんでしたけど
人を観察したり、雑誌とか買うようになりました。
おぉ、やる気アップにも繋がったと
そこまで読んであたしは一旦雑誌を閉じた。
推しの言葉が全部が全部自分に対してとは思っていない
しかし、これは、勘違いするだろ…
「……うれしすぎてしにそう」
火照った顔を手で覆い死にそうな声でそう呟いた。