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yes,my master


あの後、彼女の兄は僕の通報で警察に捕まった。
彼女の体調も回復して、今日は初めての一緒のお昼
僕が教室まで迎えに行くと彼女はすぐにこちらに気付き
嬉しい、という表情をする。ぽぽぽっと花が舞う幻覚に
「んん゛っ」と咳ばらいをして耐える。
「じゃあ行こうか」と頭を撫でるとコクッと頷く
無言ながらも隣に並ぶ彼女の存在に心が満たされる。

食堂では僕の方がごはんの出来上がりが遅かったのに
立ったまま待っていて「座ってていいんだよ?」と
それとなくに伝えたらコクッ…と頷いて
少しだけしゅんとした表情を見せる
あっ、コレ僕が座るの待ってたんだと気付き
『待ってて、えらいね』と声をかけると
彼女はこちらを一度見上げると
火照った顔を隠すように俯き首を左右に振った。
その可愛さに顔がぎゅっと力が入る
また咳ばらいをして席に座ると彼女は隣に腰掛ける
控えめに、しかし、距離はピタッとくっつけるほど
まだダイナミクスの関係で初歩的なペアの段階だけど
お互いの欲求の需要と供給が合わさってたのはわかってた

(けど、これは思ってた以上に
本当は凄く甘えたがりなんじゃ……!!!)

僕のsubが可愛すぎて、バディを通り越して
彼女にパートナーを申し込むのは遠くない未来だった。

* * * * * *

『おいで?』

僕の声に従って彼女は素直に僕の腕の中に納まってくれる
対面でハグをするのが彼女はお気に入りらしい
とっても距離が近くて凄いドキドキしちゃうけど
彼女が緩んだ表情をするものだから
そんな恥もすぐどこかへと消えてしまう。
頬を撫でながら猫のようにすり寄ってくれる
可愛い僕のペアに「あのね…?」と声をかけた。

「えっと…本来であればバディを申し込むんだけど…
 僕は、もう君とパートナーになりたい…んだ…!!!」

顔を赤くしながら彼女を真っすぐ見つめて告白をした
パートナーは友人関係を越えた恋人関係を表す。
僕の突然の告白に彼女はパチパチと瞬きをすると
今までにないくらい頬を緩ませた

(嘘、初めて、subスペースに———)

初めてのことで驚いていると両手が頬に包まれ
優しい感触が頬に触れ、僕はカチッと身体を固める。

驚いている僕を愛おしそうに目を細めると口を開いた


(———yes,my masterはい、緑谷くん)

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