“ある日”の些細な“贈り”モノ

※アルド天然たらし気味。クレジット1万消費のネタより。

「なぜ…」

お前と
“折半”
しなければならないんだ?
レゾナ・レポートの二階
アクセサリーを扱う専門店
普段はこんな場所に全く用事もないが
少し前に
妹、サキと食事をした際に
友人がこの店のアクセサリーが
可愛いと言う話をしていて
サキ自身は欲しがりはしなかったが
気にしているようだった
…苦労した分
それぐらい我が儘を言ってもいいと思うし
あいつも年相応の女の子だ
おしゃれぐらいしてもかまわないと思う
直接本人に聞くのもアレだし…
今時の女子が好きそうなモノをピックアップしながらも
あいつが好きそうなモノを買って渡してやろう…

IDEの依頼を受けて
金が貯まり
その店に行こうとした矢先
いつの間にか
制服姿に違和感がなくなった
アルドから声がかかった
本来の時代から行ったり来たり
時間の感覚何やらはおかしくならないのか
…もうずっといればいいんじゃないか

口に出して言うことはないが
落ち着きの無い“仲間”に
口を思わず一文字に閉ざす
例のゲームでクレジットが貯まったから
色々遊ばないか?
食事やお茶、映画を観たり
俺と居て何が楽しいのやら…
…此方はその日の昼食代が浮いたりで
助かりはしたが…
一通りレゾナ・レポートを満喫…
アルドがな。
した後
俺は用事があると言う建前で
別れようとした際に
“ミラ”って名前の店知ってるか?

訪ねられ
何故俺がそこへ行こうとしているのを知っているんだ…?

聞かれても居ないことを
つい口から滑らせてしまった
結局
流れるまま
その店に向かうことになり
目的のモノを買おうとした際に
レジでの支払いを一緒にされてしまった

「…出された分は返す」
「え?いいよ!」

サキに買いたいものがあったんだろ?
だったら俺もクレジット出したかったし
気にするなよ!

笑顔を向けられ
言葉に詰まる

「俺、“未来”に何て偶にしか来ないし…こう言う時ぐらいいいだろ?」
「………。」
「いや、顔。」

下心無いから
大丈夫だから!
何時もサキには世話になってるから
そのお礼もかねてだから!
…その言い訳が怪しいんだがな…
だが
お前なら別に…
口に出すことはないが
アルドの言葉に
今回は甘えて置くことにした

「サキ喜ぶといいな!」
「…」
「?」
「…お前が渡さないか?」

何でだよ。
ちょっと
ジェイドさん?!
用意しておいて
今更ながらにどう渡せばいいのか
考えていなかったことに気づく
無言のまま
思わず悩んでしまう

「折角サキの為に買ったんだし…頑張れお兄ちゃん。」
「…殴られたいか?」
「ごめんって!」

…今度一緒に飯を食う予定だし
その時に適当に言い訳をつけて渡すか…
自分の考え無しの行動に諦めながらも
腹を括る
そう自分で決めた時
ふと

「お前は…この店に何か用だったのか?」

アルドが
こんなアクセサリー店に何の用事があったのかが
気になり
つい訪ねた
正直
装備品と言うには実用性の無いアクセサリーしか置いていない店だ
戦いに活用できるモノが
店を一通り見ては居たが
あったとは思えない

「えー…と…」

此処来たら
通りすがりの人達がよく話してるのを耳にしたから
気にはなってさー
はい

言いながらも
小さな紙袋を一つ
此方に渡してくる

「?」

疑問に思いながらも
それを思わず受け取ってしまう

「これは…?」
「付き合ってくれたお礼。」

何か…
ジェイドに似合うと思って
目に止まったんだ

「…別にこんなものを貰う必要は…」
「気にいらなければ売り飛ばしてくれてもいいよー」

無い

言葉を遮るように

「もし…気に入ったなら今度一緒に旅する時」

つけてくれよ

言葉を紡がれ
目を細められ

「じゃ!俺そろそろ帰るから~」

またなー!

ある意味
いい逃げ去れてしまった

「…」


……
………。

「…どうしろと…っ!」

受け取った紙袋を思わず握りしめ
既に消えてしまった背中を追いかけるように
自身でもわかるほど
顔を赤らめ
睨み付けた


※アルド→←ジェイド風
アナザーエデン 時空を超える猫 ロードオブマナネタより アルド→(←)ジェイド風 アルドは天然たらしだと思ってます( ^ω^ ) 個人的には右よりのアルド氏がよい。

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