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松野カラ松、空白の3時間

「ええぇ〜~~!!?カラ松兄さんが教会に行ってた~~~!!?」
おそ松とトド松は全速力で帰宅したのち、素振りしていた十四松と気を失っている一松を家に引きずり込み、チョロ松のアニメ鑑賞会を中断し、2階で6つ子緊急会議を始めた。
「どういうことだよ?教会ってあの教会?アーメンって言うやつ?」
「そう、その教会」
チョロ松の質問攻めに答えるおそ松。チョロ松は、おそ松とトド松がパチンコに行くと言っていた時のことなどもう忘れてしまったようだ。
「アーメンッ!!」
「十四松兄さん?それ首切ってるだけだよ?縦にも切らなきゃダメだよ?」
大笑いをする十四松を、トド松が横でなだめた。
「トド松が証拠を撮ったんだ。見たまんまだよ」
「うん。これ。このあと大通りを左に行った住宅街に行くんだ。皆も知ってるでしょ?」
トド松のスマートフォンを中心に、円になって見つめる兄弟たち。おそ松とトド松の下賎な会話や、街の騒音、ノイズとともに、画面中央に小さく写るカラ松。
「カラ松の奴、おかしいと思ったんだよ!お前ら何とも思わなかったか?あいつ、最近日曜の昼は必ずどっかに出かけてたんだよ」
「時間にして、10時半から13時半、3時間だね。時間に縛られないボクたちだよ?おかしいと思わない?」
「いや……ニートの僕たちなら別にどうでもよくない?同じような日々を過ごしてるなら、自然と習慣ができちゃうもんじゃないの?」
チョロ松は眉を下げて、腕組みをしながら言った。
「い~や、違うね。どう見ても何か時間の約束があるようにしか思えない」
おそ松はやれやれと首を振る。
「俺たちクソニートは、時間に縛られず、自由気ままに、漫画を読んだり、釣りに行ったり、ランチに行っ……それはねぇな。とにかく、行動範囲も行動時間もだいたい決まってくるだろう。しかーし!お前らは10時ぴったりに起きるか?10時半ぴったりに家を出るか?帰ってくる時間に微妙にズレがあってもだいたい同じ時間に帰ってくるか?」
「う、うーん……なくはないけど」
「十四松!お前だいたい朝早くから野球するけど、もっとマッスルハッスルしたくなったら、陽が落ちてでもやるよな!?」
「うん!!やる!!でも夜ご飯食べるために走って帰るよ!!」
「一松!お前は、かわいがってる猫が突然いなくなったら、日付なんて関係なく探し回るだろ!?」
「……まぁ、そうするね」
「それ!その違いなんだよ!」
おそ松はビシッとチョロ松を指さして熱弁した。
「俺たちは自由な生活をしているゆえに、1日たりとも『同じような日』を過ごしてはいないのだ!」
「立派に働いてる社会人様みたいにね~」
トド松がクスッと笑った。
「外部との交わりがある人ほど、同じような日を過ごすんだ。それが、時間の約束さ」
「あー……うん。なんとなく理解」
チョロ松は説教されてるように聞こえて若干イライラしたが、続きを促した。おそ松はうんうんと頷き、こう続ける。
「本題に戻そう。カラ松は日曜の昼、10時半から13時半の間、外出している。毎週だ。奴には毎週空白の3時間が存在している」
「そしてそれは、おそらくカラ松兄さん1人だけの用事じゃない」
トド松があとを引き継ぐ。
「誰かと約束してるんだ。その3時間の間に何かをするという約束を。だからボクとおそ松兄さんは真っ先に疑ったんだ。カラ松兄さんは彼女でも作って、デートをしてるんじゃないかってね。だから今日、カラ松兄さんを尾行するという作戦を決行した」
「お前らの新品根性すげぇな……」
「シコ松兄さんと一緒にしないでよね。そんで、いったんここで切っちゃうんだけど」
トド松は、街の風景を映したまま停止した動画を閉じ、別の動画を開いた。
「入り組んだ路地裏を進んだ先で、カラ松兄さんがついに足を止めたんだ。そしたらオバサンが出てきてね」
動画には、ひどく混乱したおそ松とトド松の声が記録されている。
『待て待て待て……あいつそんな趣味が……』
『母さんより遥かに上だよ……??』
「ひえー、たしかにこれは僕もそう思うわ」
チョロ松は、画面中央でカラ松と中肉の女性が談笑しているのを見て苦い顔をした。
「でしょ?でも、どんな家に入ったか確認するために、正面にまわったら、ボクたちは面食らったんだ」
やがて、画面にはあの真っ白な建物が現れた。建物の全容を映そうと、トド松があちらこちらにスマートフォンを動かしたのが伺える。
「あっ!カラ松兄さん見っけ!」
十四松が、画面奥に映る青いパーカーを見つけ、長い袖を画面に押しつけた。
「見えないよ、十四松。ふーん、これが教会ねぇ……」
動画は建物奥の物体を映し出す。
「十字架。キリスト教ってやつさ」
おそ松はあぐらをかいたまま、両腕を後頭部にまわして後ろに倒れた。
動画はやがてパイプオルガンの音で包まれる。長椅子に座った者たちが一斉に立ち上がり黙想をする。カラ松もその1人だった。と、ロビーから1人の若い女性が現れ、こちらに向かってきた。
『あら、こんにちは。初めての方々?受付は---』
『あっ、いや、俺たちえーと、違います!ははは!』
『ボクたち通りがかっただけで!ははは!お姉さん綺麗ですね!さよならー!』
次の瞬間、動画は大きく乱れ、おそ松とトド松の走る音とアスファルトのみを映して、終了した。
「これでおしまい」
トド松はスマートフォンの電源を落とした。
「ふーん……。てか、なんでまた、教会なんかに」
「わっかんないんだよねぇ。ま、インチキじみた宗教じゃなくて安心したってとこもあるけどな」
「言えてる~」
おそ松は起き上がって、弟たちの顔を見渡した。
「で、だ。お前ら、なんか思い当たることはなかったか?あいつのスケジュールなんか気にとめてなくてもさ、教会に行きそうなそぶりを見せなかったか?」
チョロ松は首をかしげ、一松は体育座りをして興味無さそうにぼーっとしていた。
「あんね!!」
沈黙の数秒後、十四松が両腕を広げて大声で叫んだ。一松がびくっと体を震わせた。
「ぼく、カラ松兄さんのこと知ってたよ!!」
「……へ?」
「え!?本当なの十四松兄さん!!」
「ほんとだよ!!」
「なんで先に言わねぇんだよ十四松ぅ~!!」
おそ松が今度は十四松を指さした。
「ごめんね!!おそ松兄さんがしゃべってるの邪魔しちゃいけないと思って!!」
十四松は手の見えない長い袖でぐしぐしと頭をかいた。
「そ、それで?いつから知ってたの?」
トド松は恐る恐る聞く。
「んーと、2週間くらい前!たしか、日曜!ぼくが野球しに河川敷に行く途中、カラ松兄さんが教会に入っていくの見た!っていうのを、さっき思い出した!!あははー!!」
「に、2週間前の日曜か……たしかに河川敷の近くだもんね、あのあたりは」
トド松は顎の下に指を当てて考え込む。
「……あっ」
一松がばっと顔を上げ、皆の視線が一松に集中する。
「なんか思い出したか?一松」
「いや、そぶりというか……たしか……先週の、何曜日だったかわかんないけど、平日だった。おれが居間で猫と遊んでたら、あいつ、『最近、一松のような猫を見かけたぜ。額に一文字の傷があって、オレを見るなり不機嫌そうにどっかに行ってしまったんだ』って。おれはその猫を知っていた。よくよく考えれば、その猫は、その教会のすぐ近くの空き地に棲みついてる猫なんだ」
おそ松はふぅっと息を吐いた。
「てことは、だいぶ前からカラ松はあの教会付近に出没していたってわけか」
「そうなるね……あ、あっ!思い出した!」
チョロ松は手のひらで拳をぽんと鳴らした。
「いつかは覚えてないけど、カラ松兄さん、よく屋根の上に上ってギター弾いてるじゃん?自作の歌だとか何だか言ってさ。あまりにも熱唱するもんだから、もうちょっと静かにしてって言った時があったんだよ。今思えば、あの日はいつもとちょっと曲の雰囲気が違ったんだ。何かに感謝して、救いを求めるような……そう。あれは、賛美歌だったんだ」
チョロ松の気迫に満ちた説明におそ松は息を呑んだ。いつもなら腹をかかえて笑い転げていたことだろう。
「あーーー!!おそ松兄さんっ!!」
トド松が誰よりも大きな声を出し、4人ともひっくり返った。
「今度はなんだトド松!!」
「覚えてる!?おそ松兄さん!!」
トド松が目を見開いて、おそ松の両肩をがっしりと掴んだ。
「たぶん1ヶ月くらい前!ボクがおそ松兄さんの寝顔を撮った日!釣りに行った日!ボクがVネックセーターを着てた日!カラ松兄さんにポテチあげた日!」
「いや~、ごめんトッティ、お兄ちゃんそこまでお前の日替わりコーディネートなんか覚えてねぇんだわ」
「そこは別にいいよ!!そこじゃなくて!!カラ松兄さんが帰ってきたの何時だった!?」
「あ!?何時かって……てかなんで俺ポテチあげたの?」
「おそ松兄さんがカラ松兄さんの昼ご飯を食べちゃったからだよ!!お馬鹿ーっ!!」
「ほぶぅ!」
おそ松は左頬に軽い一発を食らった。
「いい?おそ松兄さん。カラ松兄さんはあの日、14時過ぎに帰ってきた。スマホ見てたから覚えてるよ。あの日、何曜日だったか覚えてる?」
「……たしか、日曜日」
「そう」
トド松は顔をおそ松に近づけた。
「あの時のカラ松兄さんの言葉、覚えてる?てか、聞こえてた?」
「あー、聞いたな。そういや」
「ボクはたしかこう言った。『おかえりカラ松兄さん。逆ナン待ちは無事失敗したの?』ってね。そしたらなんて答えた?」
おそ松は、あの日の意味不明なカラ松の言語を記憶から呼び覚ます。
「……『フッ、天使の声を聞いていたらいつの間にか時間が経っていたようだ……』」
「天使……?」
チョロ松は2人のやり取りを見守りつつ、突然のカラ松言語にポカンとした。
「そう。そしてボクは、カラ松兄さんが何やら青い袋を持っているのを見てこう聞いた。『はいはい、失敗ね。何買ってきたの?』」
ここで、おそ松はハッと目を見開いた。
「……『俺という存在を高めてくれるバイブルだ……』……」
トド松は大きく頷き、おそ松の目をまっすぐ見つめ返す。
「あれは、単なるイタイ言葉じゃなかったんだ。あの日からもう行っていたんだ。教会に」
トド松はおそ松の肩から両手をぱっと離した。
「……天使の声……バイブル……日曜……14時……」
次の瞬間、おそ松は頭を抱えて叫んだ。
「えーーーっ!?何それ!!イタくないじゃん!!まんまの意味じゃん!!天使の声!?受胎告知か!?バイブル!?まんま聖書じゃねーかよ!!くっそーーー騙されたぁーーー!!!」
「うっせーよお前!!あとなんで悔しがってんの!?」
「カラ松言語を正しく翻訳できなかったのはボクの責任です……おそ松管理官」
「フン……君には失望したよ」
「ちょっと待て!?勝手にコント始めないで!?おいこらトド松!!刑事の服に着替えようとするなーっ!!」

「オレが翻訳家になるって、何の話だ?」

一瞬にして、その場は凍りついた。心臓が止まってしまうかとさえも思った。おそ松、トド松、チョロ松、一松、十四松は、恐る恐る振り向いた。
腹に響くような落ち着き払った低い声。その主は、この居間の襖を開けて立っていた。
「カ……カラ、まつ、にいさん、おかえりぃ」
トド松は笑顔を作りながら大量の汗をかいていた。
おそ松とチョロ松はひどく困惑した顔で互いに目配せした。
「……十四松……今、何時?」
「はい!!ぼくの腹時計では、11時45分です!ポーン!!」
トド松は、カラ松から顔を背けてスマートフォンのホームボタンを押した。画面には、「○月×日(日) 11:45」と表示された。
「は、早かったなぁ、カラ松。でも何も忍び足で帰ってこなくても……」
「いや、普通に階段を上がってきたんだが……というか、全開だったぞ。玄関」
おそ松はハッとした。トド松が先に家の中に入って、チョロ松のアニメ鑑賞会を中断し、自分は十四松と一松を引きずり込んだ。玄関の扉を閉めた覚えは、ない。
「そ、そうか!ったく誰だよ不用心な奴はよぉ!はは!」
おそ松はこの時弟4人から殺意の視線を浴びるのを感じた。
「にしても早い帰りだな?つい1時間くらい前に出ていったばかりだと思ったんだけど?」
「あぁ……急にくしゃみと寒気が止まらなくなってな。迷惑がかかると思って、出先だったんだが途中で抜け出してきた」
カラ松はそう言うと、入口に近かった十四松と一松の間に座り込み、両側の2人は体を震わせた。
「でも、大通りを半分くらい歩いたところでスッと止んだんだ。おかしなこともあるもんだ。結局、そのまま帰宅することにしたのさ」
カラ松以外の5人が、この時ほど、カラ松の鼻の機能と体温調節器官を恨んだことはなかった。
カラ松は正面に座るおそ松に問いかけた。
「それで、オレが翻訳家ってどういう」
「あーーっと、それはね、えーと」
トド松が両手をブンブン振ってカラ松を制止するが、おそ松の目をじっと見て、小声で「おそ松兄さん」、と言った。
俺か?とまわりを見渡すと、チョロ松も一松も十四松もこちらを期待した目で見ている。そしておそ松の正面には、きょとんとした顔の次男が。
おそ松は、顔を左右にブンブン振ってから大きく深呼吸すると、口を開いた。
「カラ松。お前、教会に行ってるんだって?河川敷の近くの。キリスト教の」
おそ松以外の4人はばっとカラ松を見た。カラ松は何一つ表情を変えずに答えた。
「あぁ。言ってなかったか?」
「う、うん。聞いてない」
するとカラ松の表情はやわらかくなった。
「すまない。単に言ってなかっただけだ。それに、言っても特に何も無いかとさえ思っていた」
「……トド松みたいなこと言ってる」
「チョロ松兄さん?」
チョロ松とトド松が睨み合い、静かに火花を散らした。
「あー、じゃあ、なんで行こうと思ったの?てか、いつから?」
ふむ、とカラ松は言うと顎の下に当て、向かって左上に視線を泳がせた。
「行こうと思ったきっかけか。たしかあれは1ヶ月前の話だ。マミーに買い物を頼まれて、外出した。その帰りに、たまたまその教会で結婚式が挙げられていたのを見たんだ。小さい教会だ。でも、賛美歌も、神父の言葉も、それを受ける人たちも、なんだかこう、綺麗に見えたんだ。うまく言い表せないんだがな。それで、次の日に礼拝をやってるっていうから、行ってみたわけだ。単純なことさ」
おそ松とトド松は目配せをし、先ほどの推理がすべて正しかったのだと確信した。
「基本的に、信者でなくとも歓迎されるんだ。聖書の言葉と神父の言葉を受けて、何かを感じることができる時間になれば、それだけでいいんだと。初めて教会に行った時から、いろいろと教えてくれる人がいてな。その人はオレたちくらいの歳に改宗したみたいだ。優しくしてもらっている」
カラ松はこう続けた。
「次の週も礼拝を見学した。礼拝に出席する信者の人たちは、神父に合わせて祈りの言葉を唱える。神を称える賛美歌を歌う。やはり美しいと感じたオレは、なぜ美しいと思うのか、考えるようになった。次の週も、その次の週も行った。礼拝のあと、信者の人や神父に質問をしたりした。紅茶を飲みながら談笑もした」
一松は体育座りをして縮こまり、じっとカラ松の話を聞いていた。一方のおそ松は、カラ松の行動力に度肝を抜かれていた。
「で、最近になって思ったんだが、あの教会にいる人たちは、つまり信者は、心が清らかなんだ。神を愛しているからこそ、人にも愛を与えられるし、自分が間違いをしてもすぐ省みるんだ。神の教えに従って正しいことをすれば、神の御国へと行けるんだと。罪を告白して救いを求めれば、必ず救われる。オレは、自分のためとはいえ、自分を律して人に愛を与える姿を美しいと思ったんだ」
居間がしんと静まり返った。誰もがポカンとしてカラ松を見ている。普段あまり雄弁ではないカラ松は、注目されることに慣れていないため、その視線に耐えきれなくなった。
「あー、あの、すまない。チョロ松みたいにしゃべりすぎてしまったな」
「あ?」
チョロ松がカチンときたが、おそ松はそれを右手で制す。
「なるほどね。よくわかったよカラ松。お前が日曜の昼になんでいなかったのか、ずっと気になってたんだよ」
おそ松は鼻の下をこすった。
「まっ、危ない橋を渡ってるのかと思って、お兄ちゃんちょっと心配しちゃったよ~。解決、解決!」
チョロ松は、おそ松とトド松の新品根性のやり取りを思い出して、殴り飛ばしたくなる感情をぐっとこらえた。
「せっかくの機会だから聞くが、どうなんだ。皆は、オレに教会に行くことをやめてほしいか?」
「へ?」
カラ松はあぐらを解いて、正座になった。
「やめてほしいなら、オレの中で考えて納得してから、やめる。フッ、時には他人の意見を聞くことも大事だって聞いたからな」
これまでイタイ言動をいくらやめろと言われてもやめなかった、あのカラ松が、兄弟たちに意見を求めている。5人は息を呑んだ。目の前でおかしなことが起こっている、とトド松は目を回した。
「……別に、いいんじゃねぇの」
最初に口を開いたのは、なんと一松だった。
「おれたちに迷惑がかかるくらいなら殺してでも止めるけど……それはてめーだけの話だろ。好きにすれば」
「一松……」
カラ松は嬉しそうに一松を見つめたが、一松はフンと鼻を鳴らした。
「ぼくも!別に嫌じゃないよー!!」
十四松は両腕をばっと広げた。
「僕も、否定はしないよ。ただ、おかしな方向にのめり込んで欲しくないだけ」
チョロ松はため息をつきながら言った。
「同感~。カラ松兄さんがこれだ!と思った方に進めばいいよ。でも、たまには今みたいに、意見を聞くっていう機会を設けないとね」
トド松はおそ松をちらりと見た。
「てなわけだ。俺も皆が言ってる感じ~。好きなだけやれば~?ただし!俺らには迷惑かけるなよ!ってことかな」
「……わかった。ありがとうな、皆」
カラ松は親指を立ててニコッと笑った。
「……オレを認めてくれて」
皆は一瞬、きょとんとしたが、おそ松は同じように笑って親指を立てる。
「ばーか。救いを求める者は救われるんだろ?」
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