第一章 ゲロ以下の出会い
What your name
夢の扉
「夢の扉の先には貴女を満たす欲望と憧れが広がっていることでしょう。」
いいえ、ただの私の自己満足夢小説です。
長編、短編集、チャットなんでもありきで、JOJOと銀魂中心にやって行きます。
誰得かわかりませんがいつしかオリジナルのファンタジー夢小説を書きたいと目論んでいます
更新は早めなので悪しからず。
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カフェ、カフェ・ドゥ・マゴ付近にて、会計を済まし、気がつけばもう少しで日が沈む時間帯。
「今日はありがとね。」
「家まで送るっスよ」
「…ゴメン、ありが…」
その時、名前の言葉を遮るようにしてまた、何時ぞやのあの救急車の音が二人の前を通り過ぎていく。
「…ま、また?」
「…」
いくら何でも多過ぎるのではないかという疑問を仗助に投げかけ用とした名前だったが、仗助の「これで5回目…」という呟きに潰された。
そしてあまり間を置かずに、救急車を追うようにしてパトカーまでもが通っていった。
___この日を境に行方不明者及び死亡者の不吉なニュースがテレビを付ければ高確率で流れるようになった。
[……昨日未明、ーーさん26歳女性が杜王町S市内の路地裏にて首からの出血により死亡していたのが発見されました。
その首元には三つの刺された痕があり、検察側は殺人事件として見ている模様です。
続いてのニュースです。……]
1週間の内の最後の休日。
満喫しようと思えば、軽い気持ちで付けたテレビからはまたしても同じような話題が流れている。
それを気だるげに観ている名前の手元には、淹れたての熱いコーヒーが湯気を立てながら香ばしい良い匂いを漂わせていた。
しかし、そんな匂いも熱さもほぼ感じることが出来ないくらい名前は気が沈んでいた。
「はぁ……」
「フンッ…たかが餌一人が犠牲になっただけでこんなに騒ぎ立てるなど、平和ボケでもしているのか?」
「……ってやっぱり貴方だったんですね。」
「…このDIOに醜く飢え死にでもしろと?」
昼のテレビでさえも報道していたネタの根源……もとい犯人DIOに名前は睨みつける。
ただでさえDIOが何もしていなくても、誰にも知られたくないしこんな質だから言えもしない存在が、こんな大きい事件を犯していたなんて……と名前は絶望していた。
たとえ追い出したとしても被害者がでるだろうし、自分が何とかしなければと名前は考え始める。
「…吸血鬼…だったんでしたっけ…?」
「それが何だ。」
「……血なら私がどうにかしますから見境なく関係ない人は殺さないで下さい…。」
名前はまだ一口も口をつけないで、ただ持っていたままだったコーヒーカップからようやく手を離すとDIOに向き直る。
例のDIOはと言うと向かいのソファーで本を器用に足で捲りながら目線だけを一瞬名前に向けただけだった。
だが、その数秒後ゆっくりと名前の方に忌々しそうに顔を向ける。
「何故貴様は私にそこまでする。」
「これ以上被害者を出さない為です…」
「フンッ、偽善者が。…貴様に何が出来る。」
そこまで言うとDIOは読んでいた本を荒々しく閉じ、寝室に再び戻って行った。
名前にはその言葉以来、DIOの姿が自分より圧倒的に小さいのにも関わらず巨大な何かに感じていた。
姿を見るだけで上から厚をかけられている様な感覚に襲われ、目を合わせることが出来ないだろう。
いかに自分の言った言葉が難しく、ただの自分のエゴである事を名前は悔しいほど痛感した。
そして、最後にDIOから言い放たれた「第一、血をどこから得るのだ」という言葉が頭の中をグルグルと回っていた。
「……ッもう!自分の馬鹿ッッ!!」
そんな自分が嫌になった名前は一言叫んで、考えもなしに突発的に家を出る。
その際に隣人から苦情が来てもおかしくない程に力強くドアを閉めてしまったらしく、耳を塞ぎたくなるような音がしたのは名前は目を瞑った。