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運命の赤いリボン 【番外編】

「ねぇねぇ!ジョルノ!」

「ん?」

ある日の夜の事だった

突然、パッショーネ本部の事務室にやってきた茜李にジョルノは書類から目を離し顔を上げる

そこには何やらジャッポーネの浴衣という物を着て嬉しそうに笑う茜李の姿

「どうしたんだい?それ…」

「実はね!お母さんがジャッポーネで着てた物なの!たまたまさっき部屋で整理してたら見つけちゃったの!」

嬉しそうに話す茜李にジョルノもつい釣られて微笑んでしまう

「どう??似合うかな??」

クルックルッと回る茜李にジョルノは抱き寄せては頰にキスをする

「似合ってるよ、とっても可愛い」

「やったー!後ねお父さんの分の浴衣もあるのよ!ジョルノも着てみる?」

「え?」

ジョルノは目をパチクリし、茜李はニコニコと笑っていた

「キャー!似合う!!さすがイケメンは違うわ〜!」

「これが浴衣…」

ジョルノはジロジロと浴衣を見ては少し興味を持っていた

「なんだか申し訳ないな、勝手にお父さんのをお借りして…」

「いいよ!逆に天国で笑ってくれてるよ!だってお父さんなんだもの!」

ペカーッと効果音が付いてしまうくらい子供っぽく笑う茜李

今日はやけにテンションが高いなとジョルノはしみじみと思いながら見ていた

「お互い浴衣を着たし花火しよ!」

「花火?」

「そう!この前、仗助くん達から貰ったの!火を付けたらバチバチってなるらしいの!」

「へぇ…ここじゃあれだから外でやろうか」

「うん!」

ジョルノは茜李の手を繋いでは外へと出た

2人は花火を一本ずつ出し火を付ける

「わー!綺麗!凄ーい!!」

まるで小さな子供のように目を輝かせはしゃぐ茜李をジョルノは静かに見守っていた

ジョルノは花火を見ては昔のことをふと思い出した

『初流乃、花火やってみない?危ないから絶対に顔に近づけじゃダメよ』

滅多に構わない母親と数少ない遊んだ記憶

火花によってその記憶はキラキラと輝くものに書き換えられていく

「ジョルノ!」

茜李の声にふと意識が戻りジョルノは前を向けばそこには花火による光に照らされ輝くような微笑みを向ける茜李の姿

その笑みに吸い寄せられるかのように釘付けになるジョルノ

茜李に対しただただ綺麗だなと見惚れてしまう

「ジョルノ?どうしたの?」

顔を覗き込む茜李にジョルノは愛おしそうに見つめた

「いや、綺麗だなって思っただけさ」

「花火綺麗だよね!」

「花火もだけど、君も綺麗だよ」

そう言いジョルノは茜李の顔を自分の方に寄せてはキスをする

「…誰かに見られたらどうするのよ…」

「大丈夫…今は僕達以外いないよ」

「もう…」

頰を赤くする茜李

「しかし熱いね…」

汗が額から首筋に流れ白く細いうなじは月の光によって照らされる

ジョルノは喉を鳴らした

「そうだね、じゃあ最後はこの線香花火というのをしたら帰ろう」

「うん!」

2人はしゃがんでは線香花火を付ける

小さく火花がたちゆっくりと燃えていく線香花火

「なんだか焦れったいね」

「そうだな…あ、茜李ある勝負をしよう」

「勝負?」

「どちらが長くこの線香花火を落とさないように出来るか。勝ったらお互い一つだけ言うことを聞くってのはどうだい?」

茜李はその言葉を聞いては目を見開いては笑う

「いいよ!じゃあ今から勝負ね!」

ウキウキと線香花火を見つめる茜李にジョルノはジーッと眺めてはゆっくりと顔を近づける

ジョルノによる視線に気付いたのか茜李は顔を向けるとキスをされた

茜李はゆっくりと瞳を閉じる

唇が離れれば、茜李の線香花火は落ちていた

「あ!!線香花火が…!!」

「僕の勝ちだね」

ふふっと笑うジョルノに茜李は悔しそうに睨む

「狡いよ…いきなりキスするなんて…」

「でも勝ったのは僕だよ」

「うっ…」

茜李は諦めてはジョルノの願いを聞くことにした

「私の負けよ…お願い事はなに??」

「そうだな…」

ジョルノは茜李をチラッと見ては耳元に顔を近づける

「え?」

「…今夜は君を抱きたいな」

その言葉に茜李は顔を真っ赤にしては俯かせ頷く

それを見たジョルノは静かに微笑んでは茜李の手を繋ぐ

「帰ろうか」

「…うん」

家に帰れば先程とは比べ物にならないくらいの熱い夜が待ち構えてる

茜李は覚悟を決めたと同時に額から一筋の汗を流した
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