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運命の赤いリボン 【番外編】

ジョルノと茜李はお互いの誕生日、4月16日に結婚式を挙げた

一般人の女性とギャングのボス

最初こそは反論も多かったが、茜李も顔を出すようになってからはそのような声は無くなった

「今日も美しいですな茜李様」

「会う度に綺麗になっていく」

古株達は媚を売るようにジョルノが少し目を離した隙に茜李に詰め寄る


「ありがとうございます」

ニコッと愛想笑いをしては茜李は極力喋らないようにしていた

「婚約の時は赤いドレスばかりでしたが、今日は白いドレス

純白に包まれたそのお姿はまるで女神のようですな」

「闇に包まれた私達を照らすかのように!ふははっ!」

「あ、あはは…」

あまりにも分かりやすい媚び売りに茜李は苦笑いする

「僕の妻に何かようかな」

茜李の肩に手を置いて古株達から引き離す

「これはこれは、ジョジョ…奥方様がとてもお綺麗でしたので…」

「…僕の妻に色目を使うとはいい度胸だな」

ジョルノは蔑むような瞳を向けると古株達は気まずそうにだんまりとしてはその場から離れた


「ジョルノ…ありがとう…」

「いや、これは僕が目を離したせいだな…」

ジョルノはチラッと茜李を見ると茜李はキョトンとした顔をしていた


綺麗で長いブランドの髪を纏める赤いリボン、女性らしく化粧された女性の顔に林檎のように赤い唇

それを映えさせるかのような白いドレス

「白雪姫みたいだな…」

「え?」

無意識に呟いた言葉にジョルノはハッとさせる

「いや、何もないよ。そうだ、君の好きなスイーツが新しく出たよ」

「ほんと!?食べる食べる!」

ニコッと笑うその笑顔はまだほんの少し幼さが残っていた

パーティーもお開きになり茜李は車の中で眠っていた

家に着きジョルノは茜李を抱えそのままベッドに置く

静かに眠るその姿は、とても綺麗でそして怖く感じた

また気を抜けばあの時のように茜李を失うのかもしれない

「茜李…」

ジョルノは茜李の顔に優しく触れながらゆっくりと唇を重ねた

その瞬間…

「…ジョルノ」

ゆっくりと開かれたその瞳はとても綺麗だった

「…いつから…」

「部屋に運んでくれた時にね。会場にいた時にジョルノが白雪姫みたいって言ってたから…

王子様は眠っている白雪姫にキスをして目覚めさせたから…

私にとって王子様はジョルノなの、だから少ししてくれることに期待しちゃった」


うふふと笑うその姿にジョルノは少し照れ臭そうに頰を染めていた

茜李はそのままジョルノに優しく抱きしめてはゆっくりと話す

「貴方がいるから私は輝けるの…出会った春の日から…

私は貴方の色に染められ、恋をして愛するという気持ちに目覚めたの…


そうまるで、王子様に救われ愛された白雪姫のように…」


優しく微笑む茜李

その微笑みは月に照らされキラキラと輝いてとても綺麗だった

「なら、王子様はこう思うだろうね。

春の風に靡きながら赤いリボンを揺らし、雪のように白い肌、林檎のように赤い唇

そして優しい笑顔を隣でずっと見ていられる

なんて幸せなんだろうって…

君が目覚めてよかった…って…」

ジョルノは瞳から一粒一粒涙を零していた

「ごめん…僕がこんなにも感情を出せるようになったのも君と出会ったからなんだ

君から人を愛する事を教えてもらった

情けないと思ってくれてもいい。

それぐらい、君のことを愛しているんだ茜李…」


「うん…私もジョルノの事愛してるわ」


2人は誓い合うように唇を重ねた


愛を交わすその姿を、祝福あるいは見守るかのように雪は空からハラハラと降り落ちた
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