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第1章 魂を操る少女編

そして次の日

なぜか茜李はボーッとしていた

その理由はと言うと…

「サンシャイン…よくよく考えたら私、ジョルノとハグしたって事よね!?」

『ハ…ハァ…』

「…はぁ…顔合わせれない」

先程から心臓の鼓動がうるさい

茜李は1人でドギマギしているとふとジョルノと鉢合わせになってしまった

「お、おはよう!!」

「おはよう」

ニコッと営業スマイルを交わすジョルノに茜李は目をパチクリとしては歩いていくジョルノの背をジッと見る

「気にしていない感じだね」

『デスネ』

「じゃあ気にしないでおこう!」

茜李は能天気にサンシャインと笑い学校へと向かった

一方ジョルノはというと…

「おーい、ジョルノ。おーい」

ミスタはジョルノを何回も呼ぶがジョルノはボーッとしては次々に物を花に変えていく

ミスタはジョルノの耳を掴んでは大声で名前を呼ぶ


「…なんですか」

「ここ最近のお前ほんとおかしいぜ」

「そんな事ないです」

「いーや、ある!さてはおめぇ…」

じーっと見つめるミスタの目をジョルノはめんどくさそうな目で返す

「恋してるな」

「僕が…」

ジョルノの脳内である風が吹く

僕が恋…

「誰に?」

間抜けな質問にミスタはずっこける

「まぁ、平和惚けはいいとしてほらこの前言うてたカルデアチームの詳細が分かった」

「というと…」

「周りはそいつを逃がせた」

「…残りの追跡をフーゴ達に頼みましょう」

「そうだな」

ミスタはジョルノからの指示を受け取り部屋を出る

ジョルノはため息をついては窓を眺める

先ほどのミスタの言葉になぜか茜李の事を考えてしまう

「恋なんて無駄なんだ…無駄無駄…」


そして今日の送り迎えはミスタだった

「ミスタさん?」

「ミスタでいいよ、敬語も無しだ!ほら乗れよ!」

ニコニコと人懐っこい雰囲気に茜李は和まされ車に乗る

そして乗った瞬間ミスタからの質問責めにあう

「茜李ちゃんはよ〜、ジョルノのことどう思ってるんだよ?」

「どうって…普通に仲良いのかと…」

「ちげーよ!そうじゃなくてこう…もっと…!!」

ミスタが何を言いたいのか分からず茜李は困惑していると突然車が止まりドアが開けば茜李の方に手が伸び外に引き寄せる

「茜李を借りますね」

引き寄せた相手はジョルノだった

「ジョルノ!?」

ジョルノに引き寄せられ体と体の距離が近くなり、茜李は顔を赤くした

その様子を見たミスタは口笛をふく


「後は2人で楽しめよ。時間になったら迎えに行く」

そう言いミスタは車を出し何処かへと行ってしまった

「ジョルノ…その腕…」

「あ…」

ジョルノはか細い腕を優しく離しては一息付く


「ごめん、急に…」

「ううん、私に用があるんでしょ?」

「うん、君のお父さんの遺品を君を連れて取りに行こうと思ったんだ」

父の遺品

茜李はグッと拳を握っては頷いた

自分が住んでいた家へと迎えばそこは人が住んでいた物とは思えないぐらい荒れ果て

所々に血が飛び散っていた

窓ガラスが割れ、椅子や机もボロボロ

床には血がこびり付いている


逃げたい、けど現実に向き合わないといけない

そのような思いを抱き茜李は唯一綺麗なまま残っていた一枚の写真盾に手を取る


幼い自分と若い頃の父との写真だ

本当に父は死んでしまったんだと茜李は悲しく、虚しくなり

瞳からポロポロと涙を溢した

だめ…今泣いたってどうにもならない


「茜李…」

後ろからジョルノから声をかけられる

「大丈夫よ。私はここで負けてられないもの」

そう言い、目を擦り茜李はキリッとした瞳をジョルノに向けた
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