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第4章 風のような転入生編

「ここならたくさん泣けるだろ?」

ウィンドーに連れてこられたのは屋上だった

涼しい風がたくさん通り茜李はいつのまにか涙が止まっていた

「止まっちゃった…」

「それはよかったぜ」

「うん…」

「…昨日のこと気にしてるんだろ?」

ウィンドーの言葉に茜李は振り向く

「茜李は悪くないぜ…気にするなって言われても気にするよな」

茜李は悲しそうな瞳をしては目を俯かせる

「もしかしたら…あのとき、あの人を助けれたかもしれない

だから、後悔っていう気持ちが強いの」

「…」

サァァと吹く風が2人に吹きかける

このまま風が嫌なことを吹き飛ばしてくれたらいいのにと茜李は悲しそうに微笑む

「…輪廻転生って言葉知ってるか?」

「え?なにそれ?」

「俺実はアメリカとジャッポーネのハーフでさ…母さんからジャッポーネの宗教?みたいなのを聞いたんだ

人間は生まれ変わってまた新しい命を貰い生きるって…

だから、あの時救えなかった人も今頃生まれ変わるための準備をして来たるべき時がきたら記憶はないかもしれないけど

生まれ変わって生きていくと思うぜ

だから、決して滅びはしねーよ。魂は何度も巡るから…」

「ありがとう…」

茜李は何やらスッキリとした笑みを浮かべウィンドーに向ける

「…もっとお前と早く出逢えたらな」

「え?」

「なんでもねーよ。あ、俺明日から学校来ねーから」

「え!?なんで!?」

「引越しの準備、明後日の朝ここを出る事になったんだ

何やら転勤が早まったとか」

「そう…」

知り合えた友人が離れていく

せっかく出会えたのに…

「そんな悲しそうな顔をするなよ!あ、なら今日の放課後空いてる?」

「空いてるよ!」

「またいつか会えるか分かんねーからさ、今日遊びに行こうぜ!」

ニカッと笑うウィンドーに茜李は目をキラキラとさせ満面な笑顔で返事をした

放課後になり2人はジェラートを食べていた

「ここのジェラートはジョルノのお気に入りなんだよ」

「へぇ、あの人甘いもの好きなんだ…大人っぽいのに」

「大人っぽいよね〜、私達と同い年なのに」

「え?」

「え?」

ウィンドーは驚きのあまりに声を出し茜李は不思議そうな顔をしていた

「まさか知らなかったの?」

「いやいや、知らねーよ!俺ずっとアメリカに居たし!

同い年かよ〜!!なにこの差!?そりゃぁ、ぼろ負けだよな〜…」

「同い年だよ?」

ニコニコと笑う茜李にウィンドーは少し複雑そうに頭を抱えてはジェラートを買ってあげた

「ジョルノさんとはどういうきっかけで付き合うようになったんだよ」

「そうね〜…」

茜李はジョルノとの出会い、色々あって付き合い、それから未来の息子やらが来たことを話した

「すげー、どこの少女漫画だよ」

「あはは…たしかに凄いよね」

「まるで運命の赤い糸に結ばれたみたいだな」

ウィンドーはからかうように言うと茜李は少し頰を赤くした

照れて恥ずかしそうに下を俯く茜李

その表情がウィンドーの瞳にはとても可愛らしく映った

「こんなところでなにしているんだい?」

聞き覚えのある声に茜李は嬉しそうに後ろを振り向くと声の主まで走りにいく

「ジョルノ!今ね、ウィンドーくんとジェラート食べてたの!ジョルノも食べる?」

「ジェラート食べてたのか…じゃあ一口貰おうかな」

「うん!」

幸せそうに笑う茜李を見たウィンドーは何やら安心した気持ちになった

そんなウィンドーをミスタは話しかける

「ウィンドーくんよ〜、なんでそんなに安心してんだよ

普通嫌じゃね?好きな女の子が彼氏といちゃついてるとこを見るの」

「…いえ、俺は茜李が笑顔ならなんでもいいんです

笑ってくれていれば…」

もっと早く出逢えてたらあの笑顔を俺が守れたのかなとウィンドーは名残惜しそうに見ていた

すっかり夕方になりウィンドーと茜李達は別れ道の真ん中で向き合った

「いつ会えるか分かんねーけどまた会ったら遊ぼうぜ!」

「うん!」

完璧に自分を友達としてしか見ていない茜李にウィンドーは一息をつけば笑う

「…俺、結構茜李の事が好きだったぜ」

「え?」

その言葉を聞いた茜李はキョトンしていたがジョルノの顔は凄味を増すぐらい睨んでいた

「私も友達として好きだよ!」

無邪気な顔をしながら言う茜李に周りは呆気に取られていた

「茜李…今のはさすがの僕でも…」

「あはは!さすが茜李だよ!!じゃあまた近々こっちに戻ったら連絡するよ」

手を振るウィンドーに茜李は笑顔で手を振る

ウィンドーの後ろ姿が見えなくなっては茜李は寂しそうに笑う

もしかして、茜李はわざとあんな風に言ったのではとジョルノは気づいていた

「茜李…」

「ん?なぁに?」

「…いや、帰ろうか」

「うん!」

ここで一旦お別れだけど、また出逢えるって私は信じてるよ

私の大切な友達ウィンドー…。

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