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第3章 愛と結びの道しるべ編

あれから夏休みは楽しい日々で過ごし、いつしか最後の休みの夜となっていた

茜李は窓からずっと星をずっと眺めていた

「こんな薄着じゃ冷えるよ」

後ろから肩掛けを持って茜李に着せたのはジョルノだった

「ありがとう」

「さっきから何を眺めていたんだ?」

「星…星を眺めていたの」

「星?」

茜李が見ている方向へと顔を向けるとそこには満面な星が輝いていた

「綺麗だね」

「うん…こんなにもたくさんの星を見たのは久しぶりかもしれないわ」

そう言う茜李の笑顔はとても優しく凛々しい笑顔だった

茜李とジョルノと出会ってから変わった

か弱い少女から大人の女性と一歩ずつ近づいていた

日を重ねるごとに綺麗になっていく茜李をジョルノは幸せそうに笑う

「うん…そろそろ寝よっか」

クルッと茜李はいつも通りの笑顔で振り向いた

その隙を狙ってはジョルノは優しく唇を重ねた

「…いきなりね」

「ダメだった?」

「ううん…全然…」

「なら、よかった…じゃああともう一回だけ…」

ジョルノは今度のキスは優しく茜李の髪に触れるように包み込むようなキスをした

「明日は学校だ…早く寝よう」

「そうだね…あ、ねぇ今日は一緒に寝よ?」

「…それ誘ってる?」

「違うわよ!ただ一緒に寝たいだけ」

恥ずかしそうに頰を膨らませる茜李にジョルノは優しく笑い頭を撫でてあげる

「いいよ、一緒に寝よう」

「うん!」

茜李は嬉しそうに笑っては、ジョルノは布団を捲ると茜李は引っ付くように入ってきた

「あったかい〜」

「君の方があたたかいよ」

ジョルノは優しく抱きしめ茜李を赤子のように優しく頭を撫で寝かせる

それから茜李が寝たのを確認してはジョルノは電話をかける

「明日から1週間…フロリダに向かいますので、後は頼みます」

少し話しをして、ジョルノは茜李に心配そうな瞳を向ける

「何か嫌な予感がするんだ…君に何もなければいいんだが…」

そう言い、チュッと額にキスをし起こさないように布団を被せる

「おやすみ、茜李…」


次の日、茜李は朝起きると隣にジョルノはいなかった

「仕事に行ったのかな…」

リビングに行けば、そこには置き手紙が1つ置かれていた

『今日から1週間、フロリダに行くから帰れない』

「1週間…直接言ってくれたっていいじゃない」

茜李は寂しそうに眉を下げ、朝ごはんを食べる

どうやらお迎えの車もないらしく茜李はとぼとぼと通学路を歩いていた

「…」

顔を俯かせ角を曲がろうとした時、人とぶつかってしまった

当然尻餅をつく

「いったぁーい!!」

「うおっと、大丈夫?」

「えぇ…すみません、こちらこそ…」

見上げればそこには銀髪の三つ編みを揺らす男の人がいた

ソッと手を差しのばされるが茜李は断り自力で立ち上がる

「すみません、私が前を見てなかったせいで…」

「いえ、俺の方こそ…あのぶつかってなんですが、この学校どこか分かります?」

男は地図を見せれば、そこは茜李が通う学校だった

「あ!ここ私の学校なんで案内しますよ!!」

「そうなんだ…なら、頼むよ」

ニコッと笑う瞳はどことなくジョルノに似ていた

そう言うとその男の人はジョルノと同じくエメラルドの瞳だった

「では、こちらです!」

茜李は男を学校に案内することにした

お互い何も話さず無事学校に着けば男は職員室へと向かうことにした

「じゃぁな!赤リボンちゃん!」

「あ、赤リボン!?ちょっと待ちなさいよ!」

茜李が名前を言う間もなく、男はその場から去って行った

「私には鈴原茜李って名前があるのよ…初対面なのに馴れ馴れしい人ね」

その頃、男は面白そうに笑っていた

「可愛い子だったなぁ〜、俺と同じクラスにならないかな〜」

風のように突然現れ消える男

そしてまたもや…

「えー、今日から同じクラスになるウィンドー・ダンだ。皆仲良くするように」

黒板の前に立つのは先ほどの銀髪の三つ編みを揺らす…少年

「ウィンドー・ダンです!よろしく!!」

ニカッとした笑みで、ちょうど茜李の後ろの席が空いていたのかそこに座られる

「あれー?さっきの赤リボンじゃねーか」

「嘘…」

後にこの少年と出会ったきっかけで茜李の心が変わるのは別の話…

〜第3章 愛と結びの道しるべ編〜 《完》

to be continued
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