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第3章 愛と結びの道しるべ編

「どこでそれを…」

「実はね」

茜李はポツポツと語り出す

それはつい数時間前、海で仗助達と遊んでいる時の事だった

「どうして、杜王町ってこんなにもスタンド使いがたくさんいるの?」

そこで仗助が話そうとすると隣にいた億泰が間に入った

「それは、俺の兄貴が矢を使ってスタンド使いを増やしていたんだよ」

「矢ってあの弓と矢?」

「茜李さん、知ってるんすか!?」

「いや、その…ジョルノが似たような物を持っているのよ…」

「…実はその矢は射抜かれるとスタンドの素質があるものがスタンド使いに、ないものはスタンドを制御出来ず死んでしまうんす」

「そうなの…誰がそんな物を…」

「億泰の父ちゃんがDIOという奴の手下だったらしくて…」

何やら言いにくい雰囲気に茜李は空気を変えようと話題を変える

「なんか、ごめんね!!誰にも話せないことはあるよね!」

「茜李さん…」

周りは気を取り直して場を盛り上げようとしていたが、茜李は心残りを感じていた

DIOという人物は何者なのだろう

ジョルノの父親なのになぜあんなにも悪に染まっているのだろうと…

「…そんな話が…」

「うん…言えないのなら大丈夫だよ…」

気を使う茜李にジョルノは優しく頭を撫でては、抱き起こし膝の間に座らせる

ジョルノはある写真を茜李に見せる

「この人は…?」

「この人が僕の父親のDIO…ディオ・ブランドー」

「この人が…」

やはりジョーイが見せてくれた通り写真越しでも何か惹かれるものがある

「小さい頃の僕は、父親はどんな人物だったのだろう…とばかり期待していた」

ジョルノはため息をつく

「空条氏はDIOを殺した…いや、倒したの方がいいのかもな…そういう人物だ」

「空条さんが?」

「あぁ。だけど、彼は無闇には殺さない。だから彼に倒されたということはそれほどDIOが邪悪な存在だったんだろう…」

1枚の写真をジョルノは少し寂しく切なそうな目で見つめる

「答えなくていいけど…これを聞いてジョルノはどうだった?」

「…そうだなぁ。正直失望したかな。多分彼は僕と出会っても何にも思わないし関心すらなかったんだろうな」

その言葉を聞いては茜李はいかに自分はなんてことを聞いたのだと感じた

耳元から聞こえるジョルノの声がとても寂しく、虚しく聞こえる

今、この人の手を離してはいけない

茜李はジョルノの方に振り向き抱きしめる

「茜李?」

「…今だけこうさせて…」

「…」

誰よりも愛情を受けずに育ち、愛情に憧れを抱いていたこの人を…

私がその分、愛情をあげてあげるわ

だから…

「そんな泣きそうな顔をしないで…」

「…」

ジョルノの頰に手を添える茜李

ジョルノはその手の上に優しく添えると少し嬉しさと悲しさが混じった笑顔だった

ジョルノは茜李を抱き寄せ胸に顔を埋もれる感じに抱きしめる

「ジョルノ?」

「…今だけこうさせてくれ…」

寂しそうなその肩を見て茜李は優しくジョルノを包み込むように抱きしめた


次の日、茜李はある部屋のドアを叩く

「どうぞ」

部屋にいたのは承太郎だった

「君は…」

「突然訪ねてすみません。今日はどうしても空条さんにお聞きしたいことがあってここに来ました」

「…DIOの事か…」

その一言に茜李は目をまん丸にしては驚いていた

「勘というやつだ」

「なるほど…」

とりあえず席を座らせてもらい。お茶を飲む。

お互い一息をつけば承太郎は口を開いた

「DIOの事はジョルノくんからどこまで聞いたんだ?」

「一応、父親である存在の事と彼がどう思っているかまでは…」

「そうか…奴は悪の塊だった。人を道具としてしか見ず、自分を主に行動する人物。

だが、奴は溢れるカリスマ性に色気のある美貌に惹かれてしまう者もいた。

とても恐ろしい人物だ。だから…」

「だから、ジョルノも同じではと考えたのですね」

茜李の真剣な瞳に承太郎は少し口を閉じれば再び開いた

「DIOの血を引くジョルノ・ジョバァーナ。そして私達のジョースターの血をも引く者だ」

「え?」

「DIOはかつて私の祖父のまた祖父の肉体を奪い蘇った吸血鬼だったんだ

その血を引くのが君の恋人のジョルノ・ジョバァーナだ」
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